吸血鬼といつもの雑談
私
「昨日、あなたがインスピレーションを与えた音楽家のPV観たよ」
地底に棲む吸血鬼の夫ピコ「すごくいいでしょ?」
私
「感動した…というか、ピコが観ろ観ろって言ってたんでしょ?言われるまま観て…もう、グロテスクで。情熱的だし、とてもよかった…」
ピコ
「僕が創作の奴隷をやめられない理由がわかるだろ?」
私
「うん。わかるよ。ジャンルは全然違うのにね。やる気もらった。漫画がんばろっと」
ピコ
「今まで君が今ひとつ踏ん張りきれなかった最大の原因は、その体力のなさだ。君の依存心も要因のひとつだけど、とにかくその…肉体的虚弱さ。痛みを解決するために、養生する時間がほとんど与えられなかったこと。君の唯一の休息は、30歳から34歳まで。それだけだった。あれは子どもをふたり授かるための期間だった。そして君は当時、大凶名から吉名に改名したこともあって…」
私
「改名は…生まれる前に予定してたのかな?」
ピコ
「もちろん。君は13歳のとき、その著作の中で尊敬するアン・ライス女史が、宗教上の理由で改名していたとあとがきで読んだだろ。あれは君自身の預言書でもあった」
私
「そして地上の夫との入籍日は、アン・ライスの命日になったし?」
ピコ
「すべての生命は生まれるまえに未来の台本を用意していて、すべての記憶を無くして誕生したあとも、ある程度はヒントも与えられる。気づくか気づかないかは自分次第だ」
(気づかない自由はあり、必ずしも未来を知る必要はない。私は石橋を叩いて渡りたい臆病者なので、転ばぬ先の杖がいつでも絶対必要)
私「そっか…ねえ、さっきはありがとう」
ピコ「なにが?」
私「SM小説風のシナリオ送信。あと…」
ピコ「君の分離不安への、僕の返答ね」
私
「そう。あなたたちが…私とそっくりであるということ。だから安心しろと言っていた」
ピコ
「地上に生まれ落ちたら、そこからは寿命を迎えるまでは物理次元に生きることになる。分離が発生する。でも君の故郷は、ここなんだよ。だから…」
私
「自分とそっくりな連中しかいないコミュニティを信頼できると思うなら、帰省したときに私を傷つける存在はいない」
ピコ
「そうだよ!これはとても重要な考え方だ。気まま気まぐれで無責任な連中しかいないけどね、ここには(にっこり)」
私
「そう考えると…そう、少しずつ、分離不安も減ってくわけよ。10月1日からあなたと交信してるけどさ。私の顕在意識は、あなたたちのところへ帰りたいけど帰れないような、孤独感があったわけ。でもこうやって、説明をしてくれると本当に、ありがたいわけ」
ピコ
「君がけっこう、しつこいからね。自分の感情にとても従順だから。分離不安の解消には時間がかかるだろうと思うよ」
私
「朝起きると、あなたが私の問いかけに対して、返事をくれなくなる気がしちゃうわけ」
ピコ
「どうして?地上の君の夫は、君がどれだけしつこく食い下がっても、必ず対応するだろ?」
私
「そうだね。むしろこっちが驚くくらいに」
ピコ
「君の夫には僕の分霊入りだし、彼は非常に素直だし。君と僕のコンタクトはどんどんクリアになっている。だからすべてはうまくいってる。なにも心配することはない」
私
「すべては統合してるってことで合ってる?42年間生きてて、こんな感覚は初めてなんだよね。これが統合?」
ピコ
「そう、自分自身との統合。自分の正体を知ること。今はその方向にまっすぐ進んでる途中だよ。もっとコンタクトが明瞭で、コツをつかめれば…さらに多くのことを知る」
私「地上の未来はどうなるの?」
ピコ
「君は君自身の、契約を果たせばいいんだよ。あと他には…双尾の狐に鍛えてもらってる、占いの仕事を誠実にやればいい。あとこの、note記事かな。更新を続けて」
私「わかった」
ここで会話中断。
私にとっての重要な記事になりました。
ピコありがとう。
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。