驚天動地の地底世界
私
「いつもお世話になってる霊能者に、ピコとの通信の内容を答え合わせしたという件の、続きを話そう」
地底の棲む吸血鬼の夫ピコ「いいよ、どうぞ!」
私
「こないださ、あなたは私を、過去の日本に連れてってくれて。玉依姫の祀られてる神社に参拝したじゃん?あれは…私が今世、漫画を描くための転生計画の、スタート時に遡ったってこと?」
ピコ
「そう!僕との通信も45日になるからね、君の理解がだいぶ早くなってきたね。まさにその通りで、僕と君は「よし、次はいっしょに終末期に漫画を描こうぜ!」と計画したばかりの時代…見渡すかぎり茅葺き屋根の家々と田畑が点在する日本にタイムトラベルした。
そしてこれから漫画のために転生計画を実行に移す君の、女性としての加護を、玉依姫に願った。だって君は今世、漫画のためにも日本人に生まれるわけだからね。日本の女神に依頼したんだ。君と一緒に」
私
「信じられない。こないだのあなたとのリモートビューイングには、こんな意味があったんだ…!」
ピコ
「すべての出来事のうしろには、霊的な計画書がある。君は今世、30歳まではけっこう悲惨な人生だったと思うんだよ。漫画のための必要な経験としてそうしてるんだけどね。そしてギリギリ…トラウマにならない程度には、守られてたと感じるだろ?なぜかいつも、自分が箱入り娘のような気がしていたと言ってたじゃないか。
そう…そうなんだ、君は箱入りなの!ほんとにね!なぜなら君が…大昔も今も、地上でも地底でも、今までずっと、見事なまでに生活能力がないからね。僕がぜんぶ、用意周到に準備してるわけ」
私
「ピコに甘えてるってことだよね?いいのかな?それって…」
ピコ
「よくないかもね。でも君、なにもできないじゃん」
私「………(返す言葉がない)」
ピコ
「毎回こうなんだよ。もう仕方ないの。これは。僕はもうそういうものだと思ってすべてを受け入れてる」
私「なんか…悪いねえ…」
ピコ
「きみ毎回ほんとうに、心から反省するのにね、持続性がなくて…まあいいさ。君のような存在がいるから、僕のようなのも存在するってことで」
(君ができないやつ、僕ができるやつ、というニュアンスのテレパシーがくる!)
私
「霊能者の女性にね、「あなたは勝手気ままに、漫画やめちゃおっかなーとか言い出す性格だから、ピコさんは怒ってあなたからめっちゃ吸血してた時期があった」というのも指摘されてねえ…」
(霊能者の女性は話しながら青ざめていた、たぶん)
ピコ
「ほんとにねえ!まったくもう、僕はそれほどに怒ってたんだよ。君には、地底のことを漫画にしなきゃならない仕事があるの。それを簡単に「辞めちゃおっかなー♫」とか言うから、じゃあ君の娘に地底の創作物を託すか…と思ったらさ!きみ帝王切開でさぁ!!(怒)」
私
「いやー、知らなかったんだよ。
帝王切開ってのは、親の霊的な契約を子に、いっさい託さない出産方法なんだって?
霊能者の女性が言ってたね」
ピコ「あれ、わざとやったんだろ?(ギロっ!)」
私
「そんなことないよ!分娩台で高熱が出なかったら、下から産む予定だったし。ほんと!」
(長女を出産時、分娩台で高熱に見舞われ緊急帝王切開になった)
ピコ「信じらんないよ、もう」
(いつも予想外のことしやがって、というニュアンスのテレパシーがくる)
私
「まぁ、ただねえ、自分の人生と子供の人生は別物だとは思ってた。
きっとこの子達は、私とは違う…光側の人生を歩むだろうとは、思ってた」
ピコ
「ふん。だったらなおさら、君はちゃんと漫画描かなきゃいけないんだよ。わかってる?」
私「わかってるさ!」
ピコ「いつも通りの軽い返事だなぁ〜!もう!(怒り笑い)」
私
「まあいいや、あのさ、ピコ、こないだ私に心臓を丸ごとくれたじゃん?」
ピコ「うん、あげた。その前は、血と、心臓のカケラをあげたしね」
(今世の私の肉体が弱すぎるので、10月にピコの血と心臓のカケラを交換。時間をおいて体になじんだあと、先日心臓を丸ごと取り出して、これ食えといってきたのであった。食べた。味気なかった)
私
「あなた心臓部分にぽっかり穴があいちゃってるじゃん?今朝も穴がふさがってないしさ。大丈夫なのかなって思ってたんだよ」
ピコ
「平気。ゆっくりゆっくり、心臓は回復する。そして君にあげた心臓は、君にゆっくりゆっくり、浸透していく。君の肉体にはまだ、なじみきっていない」
私「どうして時間かかるの?」
ピコ
「そりゃあぜんぜん次元が違うからだよ。君は地上。僕は地底。しかも地底の、ほんとうに奥底。ここには死霊や悪霊も、天使も悪魔も来ない。それほど深い」
私「だからあなたは善悪の概念を持っていないんだね」
ピコ
「別に善悪を理解していないわけじゃないよ。君に対しては圧倒的に善良だ」
私「…吸血してたくせに…」
ピコ「………(眉をしかめ、ニヤッと笑う。複雑な表情)」
ここで会話は中断。
ピコとのコンタクトがどんどん深くなり、深くなり。
こんな世界が私を待っていたのか…と、驚くばかりです。
そして今世が人間としての転生の、いったんのゴール。
ピコとの通信で知る、生命論。
私が見据えるべきは…
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