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大峠の話と吸血鬼の止まらない小言

地底に棲む吸血鬼の夫ピコ「僕はね、君が…」

私「あ、はい、いま絵描いてたんだけど…なに?」
(アップルペンシルをおく)

ピコ
「2020年ごろ、きみが今の生活が幸せだからといって、漫画描くのやめちゃおうかなって考え始めたとき、憎きこいつをどうしてくれようって、真剣に怒ってたわけ」


漫画描くのはピコとの約束だし、創造主神さまとの契約なんだもんね?まあそう思うよね」

ピコ
「もとはといえば君が始まりだ。いつも。君が何かトラブルを持ってきて、僕が解決しなきゃいけなくなって…という、繰り返し。たまに逆転することもあるんだけど…今世だって、創造主神に君の守護を願っての契約なんだよ。君が地上で邪神に縁づくと面倒なことになるから、その加護も祈願してるわけでさ」

私「早朝から小言が止まらないね」

(現在午前7時)

ピコ
「君がいまコンタクト取りやすい状態だからね。それにもうそろそろ僕の存在が幻だなんて思わなくなったろ?僕は実在する。ずっとそばにいたんだ。かなり口うるさいの、わかってるだろ?」

私「うん、わかるよ」

ピコ
「君が今世を終えるには、やらなきゃいけないことがある。君はそれがなんなのか、もう思い出してる。だからそれについてはいい。だから来世の話をするよ」

私「え?うん。来世?

ピコ
「地底のソウルファミリーに帰属した後の意識を思い出せといったよね?君はそれほど時間をかけずに思い出せるだろうから、それはおいといて…来世。君は吸血鬼になりたいといってたでしょ」


「ああ、うん。というか…最良の選択のような気がしたんだよね、それが。なんとなく…」

ピコ
「なんとなく、ね。君はいつもそうだね。なんとなく…。
つまり君はここ、地底に魂をおいたまま、地上の…血族の誰かに分霊を入れる、そしてその人間と共同制作をする。そうなるってことだ。僕と同じで」

私「…へぇ〜!」

ピコ
「はじめはひとりかふたり。そこから数を増やしていく」

私「楽しそうだねえ!(目がキラキラ)」

ピコ
「ほんとにそう思う?もし分霊を入れるために選んだのが君みたいな人間だったらどう?」

私「殺したくなるかもしれない」

ピコ
「そうだろう。そういうパターンもあるということだ」


「ひどいこと言われてるとは思うんだけど、否定できないのがつらいね」

ピコ
「あれだけ約束ねって言って地上に送り出したのに、きみ途中でへこたれて体壊すし。仕方なく僕が結婚相手まで連れてきて、子供の魂まで連れてきたというのに、約束すっぽかしてのほほんと生きようとしちゃって」

私「すいません(目を閉じる)」

ピコ
「まあいいけどね。文句はこれからもいうから。で本題」

私「来世について」

ピコ
「君はうすうす気づいてると思うけど、きみがやらなきゃならないのは救済活動。世の中から争いを減らすこと」

私「はい」

ピコ
漫画を描くのも大事だし、僕と話す内容の記録も大事。家族とも仲良くして、常に高い波動を意識して。それだけで君と霊線が繋がってる友人たちにいい影響を及ぼすから。あ、あと僕を満足させるための小説もよろしく

私「はい、がんばります」

ピコ
「ああもう…これだけ口うるさくいってても、ちゃんとやれるか不安だ」

私「やれなかったら?ちょっと自信が…」

(ピコしばらく沈黙し、すごい目で睨んでくる)

ピコ
「…やれなかったら…絶対許さない…僕が君をブラックホールに放り込む以外の方法で、地獄に落としてやる…」

私「それは怖いなぁ。どうしよう?」

ピコ
「君は最終的には助けがくるだろうと思い込んでるみたいだけどね。神仏も精霊も存在しないような惑星にカエルしかいない惑星とか…あ、それじゃダメだ君は喜ぶ…うーん、ちょっと考えとく」

私「考えなくていいよ。ちゃんとやるよ」

ピコ
「イマイチ確信が持てない、いつもどおりの軽い返事だし」


「そんなことない!なんかね…責任とか考えると多分できないんだけど、遊ぶつもりでやったらできると思うんだよ」

ピコ
「そうだね、君はそういう奴だよ。はぁ…(ため息)。長老たちに君の来世のことを一応話しておいたけど、まぁ…期待しないで待ってるから。時間はあってないようなものだしね…はぁ…(再びため息)」


「ねえところで。大峠。肉体持たずに新地球行くって連中が多いんだって?それほんと?」

ピコ
「ああまあ、本当かな。肉体を持つのは一部の人間…支配層。肉体を持たずに新地球に行くのは…御魂磨きをした人間だけ。ほとんど本人たちは自覚しないだろうけどね」


「人格がよければ新地球にいくってこと?周波数を変えて?」

ピコ
人格じゃなくて霊格。善悪を超えた真理を理解していること。悪をも愛する神の視点があるかどうか」

私「へえ。それって死ぬってこととは違うの?」

ピコ
「違うよ。御魂磨きをして、周波数が変わり、それまでの人間とは違う生命体になるってことだからね」

私「違う生命体になる…」

ピコ
僕が君に睡眠とれだの肉食をやめろだのいってるのはそれだよ。いわゆるライトボディ…半霊半物質になれってこと。君は悪を許容する視点はもうじゅうぶんある。次に変えるべきは肉体だ」

私「なるへそ…」

ピコ
「君のライトボディ化はだいぶいいよ。でももう少しがんばってね。あ、もちろん漫画が最優先で」

ここで会話中断。
制作します。

わりとすんなりピコが大峠ことを話してくれました。
肉体を持つ人類は今まで鎖に繋がれたようなものだったけど、今や鎖がはずれ、元の状態に戻るというニュアンスのテレパシーを得ました。


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五月女夕希/野良漫画家
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