吸血鬼との共同制作物がなぜこのジャンル?
吸血鬼夫
「なぜ君と漫画を制作することを急いでいるのか話そう」
私「はあ」
吸血鬼夫の
「早急に男性性と女性性の統合をする必要があると思っているからだよ」
私
「10年以内に逆さまなまでに時代が変わるから?女性時代になっていくから?それに備えての話?」
吸血鬼夫「そのとおり」
私
「なぜかあなたから滅茶苦茶大量に送信されてくるインスピレーションは、女性向けSM小説みたいな内容だよね?」
吸血鬼夫
「性愛は動物的なパワーバランス…不平等を楽しむものじゃないかと思っている」
私
「言いたいことはまぁ、わかる気がするよ。かつて当たり前のように横行していた男尊女卑社会だって、女性を守ろうという強い意識がそうさせた部分はあるだろうし。ひとつの見方でしかないけど。あなたは4500年前、結婚してたころ、私が外出するのを嫌がってたもんね?」
吸血鬼夫
「そう。まあ…でも君の場合、ぼーっと歩いていたら道に迷って、あっという間に崖から滑落する姿がありありと浮かぶくらい足元を見ない人間だったからさ。それもあるけどね」
私
「それは私も自覚があるから、文句はない。そもそもあなたは父性的な世話焼きなんだと思うよ。家の中でなら、好きなことを仕事にさせてくれてたじゃん?でも、現代はそういう、女性を守るために妻を外出させません、みたいのは…差別的とされちゃうかもね」
吸血鬼夫
「女性の社会進出が女性側の自由獲得、基本的人権尊重のために必要だとする考え方は必要ではあるんだけど。でも」
私
「男性と女性がもっと、正直に話し合えるといいと思うんだけどね。つまり話し合ってもお互いが傷つかないだけのフラットさはないと困るかもね。いったんみんなが異性へのトラウマや被害者意識をなくせるといいのにね。それだけでも世界中の争いが半減すると思う」
(適切な言葉をしばし考える…難しい…)
吸血鬼夫「選択的亭主関白」
私
「そうだね。私たちはそんな感じ」
吸血鬼夫
「ただこれは夫婦間の得意分野や能力の差を、本人たちが理解している必要がある」
私
「まあ…私の場合、4500年前から体は弱いわ、空想ばかりしているわ、人間関係が下手、とかね。はっきり自覚があったから。あなたに支配権を渡しても、むしろその方が現実的には安心だったよね。いっぽう当時から、引きこもっての制作そのものは、私が担当してたし」
(この吸血鬼夫と献上物をペアで制作するという地底の創造主神との契約があり、今も継続中)
吸血鬼夫
「君はいま、地上の夫(吸血鬼夫の分霊入り)ともそんなバランスだよね」
私
「あなたの分霊が入ってるからじゃない?あと…夫が私よりずっと…圧倒的に生きるチカラが強いから。そこは頼り切っているよ」
吸血鬼夫
「ねえ、自分を男尊女卑社会の影響を受けていると考えたことはある?」
私
「うーん…影響は免れないと思うけど、でもさ…世の男性は、かなりの人たちが、女性を配慮して生きてるよね?女性の体調不良のことなんかも、話せば伝わることも多かったし…」
(これについては当時、吸血鬼夫による霊的バックボーン由来で護られただけだったんだろうなと思ってます。例外はたくさんあるので世の男女葛藤がなくならない)
吸血鬼夫
「ところで君は、4500年前の時点ですでに、僕に対してかなりの反抗をしていたと思うんだよ」
私「なによ」
吸血鬼夫
「君にとっては反抗ではなくて、今言ったように「話せば伝わる」と思って話してみたってことだったろうけど」
私
「えっとつまり…私の伝え方が可愛げがなかったってことかな?」
吸血鬼夫
「可愛げというか…目を見開いてこちらを直視して、率直に要望をぶつけてくる感じが…今の君はだいぶ柔らかくものを言えるようになってきたけど…あ、いや、そうでもないかも…」
私
「ここで私が「喧嘩を売られた!」と思ってはいけないのよね?さすがにそのへんはもうわかってるつもりだよ。なんたって4500年に及ぶ婚姻なんだから」
吸血鬼夫
「うーん、自分からすすんで相手のためにしてあげたことを断られたら、誰でもすぐ傷ついちゃうってこと。それも勝手に」
私
「全人類がそういう被害者意識を手放して、説明不足による男女間のトラウマを、漫画という表現でなんとかできたらいいなと…」
吸血鬼夫「そのとおりだよ」
私
「なぜそれがSM小説風インスピレーションなのかは…」
吸血鬼夫
「性愛は食欲と睡眠欲にならぶほど重要な欲求で、全生物が避けては通れない野生的な部分だから。
そこにいたっては、頭で考えただけの平等さがむしろ、邪魔になる」
私
「…なるほどねえ〜。まあでも、今まで描いたことないから、こんなの。ネーム…描いてるとけっこう楽しいよ」
吸血鬼夫「うん。あとはよろしく」
ここで会話は中断。
制作します。
★男女のカルマはデリケートな議題で、とても語りきれない複雑なで多様な集合意識があると思っています。ここに取り組むなどという意識は一切持たず、ただただ今まで描いたことがないジャンルに挑戦して楽しもうと思うばかりです。
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。