インタビューウィズ地底人⑦
(おさらい)地底で神官をする吸血鬼は「私」の夫。地上の夫には彼の分霊が入っている。今回は地底での古い記憶を紐解く)
地底人
「欣二と銀二の話をしよう」
(欣二と銀二…今世で「私」が飼っていたクサガメ。享年11歳)
地底人
「なんとなくわかっているだろうけど、彼らは君とは別の人種だ」
私
「母星が違うってこと?」
地底人
「地球上で。つまり、君は4500年前、僕から離れたあと、人間として地底で生きていて…」
私
「人間なのに地底で暮らしてたの?」
地底人
「正確にいうと捨て子で、君を拾ったのが君の今世の実父(当時地底人)だ」
私
「ああ…なるほど。私は父を人間と思えないのはそのせいかな」
地底人
「そう、魂の系統的な話。その感覚は憎しみからじゃないだろ?」
私
「そう、まったく憎んでいないよ。で、欣二と銀二は地底人だった?」
地底人
「彼らは地底で特権階級として暮らす吸血鬼だった」
私
「でた、吸血鬼。私は吸血鬼に縁があるわけ?」
地底人
「僕と婚姻契約をした時点でそうなっちゃったんじゃないのかな。僕は君の転生先に分霊を送ってきたし、そもそも君の腹の中に僕が入っているから」
私
「そうだった」
地底人
「話を戻すと、不良少年だった君と銀二が仲良くなった」
私
「銀二は情が厚い、いい奴なんだよ(しみじみ)。クサガメの時もそうだった」
地底人
「そんなとき君の実父は金のために君を売った。正確には、君の臓器を売買した」
私「またか…ガクッ」
(その前もさらに前も、私は地底及び天空で宗教儀式のための臓器提供をしている)
地底人
「銀二はほとんど空っぽになった君を引き取ったんだよ。だけど君が植物人間になっちゃって、生命維持をすることが困難になった。それで仕方なく、銀二は君を安楽死させたんだ」
私
「そうせざるを得なかったんでしょ?むしろ感謝してるのに。銀二の大いなる深い愛に」
地底人
「君はそう感じていても、銀二はそう思うことができなかった。彼は吸血鬼として殺生を貪ることも、当時の地底の愚かな神々にも幻滅していたし、そんなとき友達である君を殺してしまって、いい加減嫌気がさしたんだよ。永遠に生きることに」
私
「……」
地底人
「吸血鬼は自分で死を選ぶ以外に、死ぬ方法がないからね。銀二は死を選んだ。彼とツインソウルだった欣二もそうした。細かい経緯はわからない」
私
「銀二と私は…ある種の…後天的に兄弟になったような、そういう間柄だったと思う」
地底人
「その通りだよ。だから彼はかなりの年月、罪の刈り取りをしなければならなかった。君と欣二と銀二は地表に上がって、人間として転生サイクルに入ったけど、欣二と銀二は裏社会と通じる転生が多く、殺戮の転生を繰り返した。いずれも短命の人生がほとんどだった」
私
「中国人のとき、20歳とか、29歳で死んだりとか?」
地底人
「そんな感じだね」
私
「クサガメとしても11歳で死んでしまった」
地底人
「彼らは古いカルマの回収に多くの時間を費やしてる。でもだから、次はきっと、大丈夫だよ」
私
「あなたは昔から今でもずっと、楽観的だよね。その考え方にどれだけ救われたか」
(地底人、首をすくめる、長生きだし、神官なので今まで多くの人の懺悔を聞いてきたし、というテレパシー)
地底人
「その後地底世界は大きく変わり、特権階級の吸血鬼たちにも変化があった。僕はこの神殿で過ごしていたからあまり状況をよく知らないけど、地底の完全階級制度は終わり、あらゆる生命が混在する時代に突入した。そして欣二と銀二、君は物理的にも僕からさらに遠ざかり、地表で人間としての転生を続けた」
(地表の生命たちが宇宙に逃れることができず、地球内でのみ転生サイクルを繰り返したといわれる時代)
地底人
「君はもう、臓器売買被害者になることはなかったけど、人間として奴隷を何度も経験し続けた」
私
「まあ…楽だよね。何も考えなくていいし…」
地底人
「それは言っちゃ駄目だよ。多くの人間は前世を忘れているんだから」
私
「前世なんかないと思ってすら、いるよね」
地底人
「でももう、そんな時代は終わる。転生の仕組みや霊界の仕組み、宇宙の構造、神仏の縦構造、創造主神も公の場に出て、さまざまな情報が一般に開示される時代になった。真実かどうかさえ、自分で決められるようになった」
私
「友達が藤井風っていう歌手はハイヤーセルフの歌を歌ってるっていってた」
地底人
「すべての人類がこれからは、前世の記憶を思い出すし、自主的にパラレル移行できるようになる。たぶんね」
私
「私が吸血鬼になるために、今の肉体を強くするには…」
地底人
「天命をまっとうするしかないよ。契約遂行。僕らの共同制作で」
私
「作品を描くしかないってことね」
地底人
「天は意外と甘い。神は完全無欠じゃない。縋られれば考え直す余地がある。君がかつて飼っていた黒猫もそうだったろ?前世、君の実父に2000万も踏み倒されて、恨みに恨んで、黒猫になって生まれ変わった」
私「人間不信だったクロね」
地底人
「結局君の父親は黒猫のために450万の医療費を払い、いったんカルマ回収は終わった。3/4以上の金額を残して。つまり、君の実父は苦悩に満ちた人生を送ることで「苦悩」という対価も同時並行で払っていた」
私「うん…」
地底人
「欣二と銀二だって、大峠を目前に、君と君の家族のためにノアの方舟になったじゃないか。君たち全員を助けるつもりで。だから彼らの未来はいい方にしか行かないさ」
ここで会話は中断。
記憶が古すぎて、欣二銀二が吸血鬼だった時期と、私と夫の地底人が結婚した時期とどっちが先が、答えを得るのに時間がかかりました。
この地底の夫と交信することにより、今の地表における家族の出どころがわかり、愛と配慮に満ちた創造主神の想いを感じ、今私は人生でいちばん、満たされているかもしれません。
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。