「自分の顔と似た人を好きになる」は本当か

 自分の顔に似た相手を好きになるという現象は、心理学や進化生物学の観点から一定の根拠があるとされています。
 この現象は「自己類似性の法則」や「親近効果」と呼ばれるものに関連しています。

 まず、「自己類似性の法則」は、人は自分と似ている特徴を持つものに対して親近感を覚えやすいという法則です。
 自分の顔に似た相手を見ると、無意識のうちに安心感や信頼感を抱くことがあると言われています。
 これは、進化の過程で自分に近い遺伝子を持つ相手を好むことで、種の保存や繁殖の成功率を高めるという本能的な傾向が背景にあると考えられています。

 また、「親近効果」は、私たちは日常的に接するものや見慣れたものに対して好意を抱きやすいという心理学的な効果です。
 鏡や写真を通じて自分の顔を何度も見ているため、似た特徴を持つ相手に対しても「見慣れている」という安心感を覚え、好意を持ちやすくなるのです。

 ただし、この現象はすべての人に当てはまるわけではなく、好みや経験、文化的な背景など、さまざまな要因によって変わることもあります。
 そのため、「自分の顔に似た人を好きになる」という傾向がある一方で、全く異なる特徴を持つ相手に魅力を感じる人も多くいます。

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