一輪だけ
大好きなエッセイ、石田ゆり子さんの『Lily』
この本の中に、「一輪だけ花を」という節があります。
たくさん買いたいけれど、そこをぐっと我慢して、一輪だけ選ぶのがわたしは一番好きです。ー 忙しくて実際はそんなに眺めていられなくても、一輪だけならじっくりとその美しさに向きあえるでしょう?お話がたくさんある生活には憧れますが一人暮らしで留守がちなこともあり、ぐぐっと我慢して一輪だけ。
それが幸せなのです。
なんて素敵なんだろう!
すっかり影響を受けて、私もここ1年一輪(プラスα)お花を賈っています。
「一輪」を選ぶプロセスは、いまの自分の心の状態の点検にもなっている気がします。その時々の心の声にきちんと耳を傾けて、ああ、いまはこんな状態なのね、と会話する。と同時に、「私はこれが好き」と選部のは、センスを磨く、とはまた違った意味で、自分の意思表示の訓練にもなっています。たくさんの花を飾るのも素敵だとは思うけれど、一輪の花を大切に慈しむ。
そんな、慎ましく、丁寧な暮らし方、生き方ができたらいいなと思うのです。
今週は、丸くて黄色い菊の花を主役に。
先日の中秋の名月を思い出すお花でした。
朝はずいぶん涼しくなりました。もうすっかり秋ですね。