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余力メーター

人に話をする時、相手が今どれくらい心に余裕がある状態なのかわかればいいのにと思う時がある。
自分に余裕がとてもない状態で、相手にも余裕がとてもない時。
自分に余裕がとてもなくて、相手に余裕がある時。
自分にも相手にも余裕がある時。
それぞれ状態がわかっていたら、それに応じて話す内容や相手への接し方も変わってくる。
それがわかるためのものがあったら、傷つくことが少し減るのではないだろうか。

投稿企画の"30年後あったらいいな"のコンテストを見た。
30年も経ったら私はもう56歳だから、そんなことに今ほど悩んでいないかもしれないけれど。
でも相手の余力が今どれくらいなのかわかっていたら、例えば相談するにせよ何かをお願いするにせよ、もしくは何かをプレゼントして労わるにせよ、的外れではなくお互いの関係性に役立つ関わり方ができるのではないだろうか。

テクノロジーの力で感情を感知することは、もう既に技術的には可能だとの話題をTED talkで見たことがある。
講演会場でふいにホラー映像を流すと人々が動揺し、人々が動揺すると呼吸の中の何かの成分濃度が上昇、それを計測することで人々が今動揺したということを計測する、といったことが例として挙げられていたと思う。
それを見た時、第一印象で恐ろしいと思った。
嘘は見破られ、感情は隠せない。
本当は隠しておければ上手くその場をやり過ごせるところも、可視化されてしまうせいで逃げ場がなくなる。
テクノロジーで感情を見せることは綿密にルールを決めて行わないと、人は自分自身を壊すためのデバイスをつくっていることに繋がりうる。

それを理解した上で、それでも私は余力メーターがあったらいいなと思う。
今ある相手の余力がわからないせいで、傷つけあってしまうことが多々あるだろうから。
そしてそれは、もし事前にわかっていれば、傷つかないですんだ可能性が高い事柄だろうから。
人は自分のことで手一杯な時に相手の課題を共有できる余裕はないけれど、それでも余裕がある時なら協力して一緒に笑い合える関係性を築くために動けたりする。

悪用されると詐欺にひっかかりやすい人をピックアップするための装置などにも流用されうるから、そこにはやっぱり危険性が孕んでいるけれど。
親しく信頼できる関係性や距離感の近い間柄に限って使うことが徹底できるなら、これはやさしい未来をつくることに繋げられるのではないだろうか。

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みみ
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