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待ち時間と検温器
ぴっ、36.2
んっ、寒くないか?と、声をかける男性。大丈夫ですよ、とやわらく笑顔で返す女性。ご夫婦らしきふたりの会話。「それじゃぁいこうか」とふたりで歩幅を合わせゆっくりと歩き出す。
ぴっ、36.5
ちょっと、ちょっとお父さん!測って、はかってっ。消毒もしてっ!と父親を呼び戻す娘。つづけて、「今、病気になるわけにはいかないんだからっ」と彼女は念入りに手をこすり合わせ消毒する。あー、そうだなっと父親が静かにうなずく。
ぴっ、36.0
あら〜、低い。寒いわよね今日は。そうよね〜、さむいさむい。とふたりの女性が仲良く今日の天候を話し出す。と思ったら、急に足早に歩きすぎていった。
検温器の置かれた向いにある椅子によくすわることがある。すわることがある、というかワタシはこの場所が好きだ。好んですわる。数年前まではあまり見慣れなかったこの検温器。お店などに置かれるようになってから、初めは珍しそうに顔を画面に近づける・・・そんなこともあった検温器。今では、ごく当たり前にふつうに鎮座している。老若男女、誰も戸惑うこともなく、ぴっ、と測っていく。
ただそこには、何気ないまるで3行日記のような会話が繰り広げられている。やさしさがあふれる会話。責任感ある会話。日常の一コマのような会話。『体温』という数字でこんなにも、自然な何気ない会話がうまれるなんて。
検温器さま、アナタはナニモノ?
ちょっと深刻に自動ドアから足を踏み入れてくるひとたち。それなのに、ぴっ、とするだけで少しだけ顔がほころぶ。そしてコトバがうまれる。
ただものじゃないなっ、検温器さま
すごっ
待ち時間の過ごしかたはなんですか?
いつもなら、わたしはスマホとイヤホンで音楽を聴きながらぼーっと過ごします。もしくは、音楽を聴きながらスマホで読書。ですが、スマホやオンラインが使えないオフラインの場所・・・。これは、どうしたものだか。たいてい、オンラインで時間を過ごすことが多いワタシは、オフラインだと持ち合わせているものがない。そこで駆け込むのはコンビニ。雑誌を買う。増える、ふえる雑誌たち。
つぎは塗り絵をプリントアウトして持っていこうと思います。なんなら、折り紙もいいかなぁと思っています。いつもと違う時間を過ごす。これは、本当に試されている。自分で自分の時間を作り上げるという行動。
まずは試しに塗り絵をつぎは楽しんでみます
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