村上春樹臭さムンムンのロードムービー
「ドライブ・マイ・カー」
映画の存在は知りつつも特に興味をひかれず、見る予定はなかったのだが、たまに一緒に映画に行く友達に誘われ日比谷TOHOシネマズで鑑賞してきた。
私の感想はひとまず置いといて、観賞した人はみな口をそろえて「とてもよかった」という。正直に言えば私にはどうもそう思えなかったのだが、どうなのだろうか?
ネタバレを避けるため大したことは言えないのだが、今から映画出「う~ん」となってしまったポイントを解説してみる(個人の感想です)
①ストーリーの都合のよさ
そもそも私の好みとして、映画でも小説でもお話の中であらゆることがつまびらかとなり、すべてが解決するお話があまり好きではない。
どちらかというと謎やある程度モヤっとする気持ちが残る映画のほうが見終わった後も楽しい、鑑賞後にあれこれ思案を巡らせる余地があり、印象にも残る。
その点「ドライブ」は妻の死の秘密やヒロインの生い立ち、そこからの立ち直りに至るまですべてが丁寧に描かれている。見る人に対し想像を抱かせないないほどに。
また、原作が小説なのである程度仕方の大部分もあると思うのだが、顔アップでの長セリフが多く、セリフも村上春樹ワールド全開の洒落臭さで説明臭いなと感じてしまった。
②とにかく長い
先ほど①で丁寧に描かれてる、と述べたが丁寧さが尋常じゃないため映画自体は179分と、かなりの長尺だった。3時間の映画は私にとってかなりの集中を強いた。
「ドライブ」劇中、私は2度ほど暗闇の中で服に携帯の画面を押し当て光を殺しながら時間を確認し、正直まだ「終わらないのか…」と思ってしまった。
数か月前に劇場で「映画大好きポンポさん」を見た際、劇中で映画の上映時間は90分が正義という内容のが繰り返し語られた。2~3時間の映画が良くないということを言いたいわけでない。現代の若者の病みたいなもので、「こらえ性」の問題だと思う。辛いのだ。
だから私も家で映画を観るときはついつい1時間半せめて2時間以内でタイトルを選んでしまう。それ以上は、観はじめるのに勇気、というか精神的な余裕が要る。
と、ここまで「う~ん」ポイントを書いてみたのだが終わってみると2点しかなかった。良かったところも挙げてみる。
①岡田将生
安定の岡田将生よ。
岡田将生は映画でもドラマでも本当にいろいろな作品に出演されていてよくお見掛けする実力派俳優なのだが、学生役がはまらない年齢になってからは気持ち悪い役か頭がおかしい役か悪役しかやってないんじゃないかというくらい変な役どころが多い。
今回もご多分に漏れず安定のあたおかですごく良かった。
また、岡田将生(俳優役)一般人から盗撮されるシーンがあるのだが(ネタバレとは関係ありません)盗撮のシャッター音が露骨にデカく
「いやいや、普通盗撮するなら無音カメラ使えよ」
と気になって仕方がなかった。
②女優陣
主人公の妻役の霧島れいかさん、ヒロイン役の三浦透子さん、役者役の女性2人も本当に演技も被写体としても素晴らしかった。
主人公の妻役の霧島れいかさんは、美しさだけでなく、神々しさやなまめかしさも兼ね備えており、濡れ場シーンでは観ているこちらのお尻がムズムズするほどだった。
ヒロイン役の三浦透子さんに関しては演技だけでなく顔立ちや雰囲気もとても役にマッチしていたように思う。
私はゴールデンカムイを読んで以来アイヌという民族への興味が尽きないのだが、三浦さんの顔立ちにはなんとなくアイヌの面影があり、調べてみると出身も北海道で、余計な詮索ではあるが関係があるのか気になって仕方がない。
役者役の女性2人はどちらも韓国籍の女性なのだが、まるで天使で主役たちを食うほど光輝いて見えた。
これも私の怠慢で調べていないのだが、韓国でもたくさん活躍されている女優さんなのだろうか?
というわけで、いろいろごちゃごちゃ言ってしまったのだが、村上春樹臭くて長いけど役者の働きで良い映画になっていたと思う。原作も読んでみたい。
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