《奇跡》後・まともな人間性と引き換えに失恋を10年引きずる話

最近安野モヨコ先生の「ハッピーマニア」という漫画を読んで、自分が生まれた1995年の連載作品にもかかわらず、非常に共感というか、ブッ刺さってしまい、現在連載中の「後ハッピーマニア」にタイトルをなぞらえてしまった。

まあそんな話は置いておいて。
私はちょうど1年ほど前に、いてもたってもいられなくなり、5回に分けて痛々しい文章を投稿した。

あの時はこれで自分の気が晴れるのか、気持ちの整理をして過去の恋人と決別できるのではないかと淡い期待もあった。
だが、忘れられる気配は一向にないどころか、思い出は美しさを増し、もやんもやんした気持ちを抱えたまま、Aさんに月に何度かLINE電話をかける生活をやめられず、このまま30代に突入・なし崩し的に年老いていくかに思われた。


だが、神は私を見捨ててはいなかった。
奇跡が起きたのである。

だいたいひと月前、私はいつものようにAさんに電話をかけていた。
(過去の連載を読んでいない人のために書いておくと、AさんからはSNSをすべてブロックされており、つながるはずのない電話です)
希望を捨てていたわけではなかった。しかし、普通、人は一度ブロックした相手を解除することはない。なぜならブロックしたこと自体、その人の存在ごと忘れてしまうからだ。
だから、0.01%くらいの可能性だとは知りながらも、数年間欠かさず電話していたのである。
そんな時、通知欄に目に入ったのが1件。

「どうしたの?」

と。

目を疑った。

そんなはずがない。
なんで?
うれしい!
本物?乗っ取りとかではなく?

いろんな気持ちが心のうちに渦巻いた。
恐る恐る返信してみる。精一杯気持ち悪くならないように気を使いながら。

聞くところによると、
Aさんはふと思い立って、LINEの友達を整理しているときにもう時間がたったし、向こう(私)が自分(Aさん)を思い出すこともないだろうとブロック解除したところ、私から電話が来た、ということらしい。

oh my god…

祭りが始まった。
これから私はどうなってしまうのか、
Aさんとまた会える日は来るのか。

その答えは次回に続きます。


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