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若い時と今との暮らしの違い。健康を考えるようになったトランスジェンダー
僕はLGBT・トランスジェンダー・FTMの鈴木優希、歳は40歳になりました。
LGBTのセミナー講師、運営をしています。このお話を頂いてこれまでの人生を振り返る時間が出来て、僕自身も色々と考えさせられる毎日です。
物心がついてから、ずっと性別違和を抱えて生きてきましたが、治療を重ねて戸籍も男に変更したため、今はほぼ気持ちの面では性別違和で悩む事は無くなりました。
元々見た目が童顔の為か、歳を言っても若い若いと言われていたのでこれまでは歳を感じる事はなく、経営しているオナベバーVenusの20代中心のスタッフと一緒の気持ちで過ごしてきたが、去年12月に40歳になって、はじめて自分の歳を実感し、今後の人生について考えるようになった。
若いころといえば、「健康」は当たり前で考えず、それよりもいかにどう楽しい事をするかを考えていた。ドキドキ・スリルを求めた毎日だった。
それが生きていると感じられた。恋愛も同じ。モラルなんて無視。誰かに迷惑をかけても、ダメなことをしている自分が好きだった。
複数の女の子との恋愛で、たくさんの人に愛されている=性別違和のコンプレックスを忘れさせてくれる と相手の気持ちなんてお構いなしの独りよがりの恋愛をしていた。
この時の僕と関わった女の子。。ほんとにごめんなさい。
40歳を迎えてどう変化したかというと。
実際にそう急に変わるものではないけど、こんな風に歳ってとっていくんだなと2.3年前から感じる事が増えてきた。
それは「健康」という今まで当たり前だった事が、当たり前じゃなく「奇跡的な事」だという事。
歳を取るという事は
健康が当たり前である毎日が、健康を維持するための毎日に変わるという事
好きな事よりも、その日を健康に過ごすための、食事を選び、身体を動かし、睡眠時間を考える。ドキドキよりも今日の自分、明日の自分を嫌でも考えるようになる。
気持ちの良い目覚めよりむくんで迎える朝。痛い所がない日がない毎日。病院通いが習い事の様に定期的にやって来る日々。2日酔いが3日酔いになる。コレステロール値に一喜一憂する血液検査。
こんなに「健康」な事が尊いものだとは、知らなかった。
当たり前だったあの頃に戻りたい。
僕は性同一性障害の治療として、女性としては健康な身体を様々な手術で切り刻んできた。その時はこんな日が来る事を知らない。
ただでさえ歳を重ねると身体に不具合が出る。そんなことも他人事だった。
それに加えての、性別変更によるリスク。
今、身体に起きている不具合が性別適合手術などで切り刻んだ代償なのかはわからない。ただ、身体がしんどいのは事実である。
これからの僕の人生の後半戦は、「健康に過ごすこと」が目標になるんだと思う。
僕の祖母は97歳。毎日、「転ばないように」が目標で生きている。
人生とは、生きるとは。
答えは僕にはまだわからない。今回は、その答えに向けて生きている40歳トランスジェンダー鈴木優希の中間報告とする。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。