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生まれ変わったら男か女。どちらに生まれたい?両方とも経験したトランスジェンダーが語る

僕は、どっちでもいい。

心と身体が同じで生まれれば。

僕はLGBT、トランスジェンダーのFTM、性同一性障害の40歳の鈴木優希です。

性別適合手術を受けて、今は戸籍上「男」で生活していますが、ここまで来るまでは闇だった。
物心ついてから思春期は何をしていても性別違和に悩まされる毎日。

男になりたい。

なれないのなら、せめて女の気持ちになりたい。

心からそう思った。

心と身体が違うことは、誰にもわからない、自分だけの秘密の事実だった。

大人になるほど、身体が女の体に変わっていく。周りの友達も女になっていく。

それと比例して、僕の性別違和は1人では抱えきれない大きさになっていった。

・・・辛かった。。

今でも小さい時の写真を見ると、

当時の僕の中での精一杯の男の子っぽい色、デザインの服を気に入って着ている。

その隣では、親も何も知らずに笑っている。

これから起こる事をまだ誰も知らないんだ。と思うと、みんなが笑顔なのに見るのが辛い気持ちになる。

性同一性障害という名前がついているけど、病気なの?障害なの?

あれは小学校の時だった。
お正月のテレビのバラエティ番組でスーツを着て夜の店で働いている元女の人。いわゆる「オナベ」の人が出ていて、

「あ、私と同じ人がいる!!」

自分と同じ人がいる事を知った時、安心した気持ちと将来の不安に囚われたことを憶えている。

将来の不安とは、
仕事の事。夜の仕事。カミングアウト。治療。
世間体などなど。

いろんなことが同時に押しよせてきた。

障害といっても、自分が黙っていれば誰にもわからない障害。この気付かれない障害は、とにかく自分との我慢比べだった。

病気と言っても、治療するまでに「カミングアウト」「親の理解」が必要。
治療しても完璧に求める「性」にはなれない。機能する生殖器も持てない。この病気に完治はないのだ。

病気だ、障害だと言われる事が嫌だという当事者もいるけど、僕はそこら辺はどうでもいいと思っている。

そんなことよりも、自分が楽でいる事が大事。

性別違和で悩む時間、誰かのせいにしてしまう自分、わかって欲しいのに言えない辛さが嫌だ。

今まで悩んできたからこそ、これからを楽しみたいが、忘れてはいけないのが、心が楽になった分背負ったリスクのこと。

たくさん身体を切り刻んできたダメージは、やはり計り知れないと歳をとった今になって痛感する。
周りからみたら、自分の意思で、健康な身体をわざわざ(胸、子宮、卵巣、ホルモン治療)「不健康」にしている図。
身体を変えて、戸籍を変えたら、心のバランスはとれる。でも、確実に健康は崩れる。

心の身体、のどちらとものバランスを取る事はこんなに難しいのか。

ガイドラインに沿って、そして国内での治療にこだわってきた僕ですら、今でもこのバランスを取る為にもがいている。

身体に与えた「リスク」との闘い。

これは一生付き合っていくんだなと、40歳を迎えてやっと覚悟を決めた。

多くの人が疑問なく生きる「性別」

男の身体で男なこと。

女の身体で女なこと。

そんな当たり前のことが大変な人達。LGBTの存在を少しでも理解して応援してもらえたらありがたい。

鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。

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