オナベバーがTikTokで発信する理由
僕はlgbtqのTであるトランスジェンダー。
女から男に戸籍を変えて生きる鈴木優希。1980年生まれ。
仕事は、地元である名古屋の繁華街錦三丁目で同じlgbtq当事者を集めたオナベバーVenusビーナスとレズビアンバーWダブルを経営している。
40歳を過ぎて思う気持ちの変化
若い頃は、自分の性別が心と違うことに絶望した。「性同一性障害」と診断されて、
「この人生終わった...」大袈裟じゃなく本当にそう思った。
それから20年以上が経ち、僕自身も40歳を過ぎた。
僕たちLGBTQに対する風向き
僕自身の悩みや考え方も変わったが、世間も大きく変わった。
LGBT、LGBTQなどと言う言葉が出来て、多くの人に認知され、障害ではなく「個性」だと理解が進んでいる。
そんな流れに後押しされ、僕が経営するオナベバーやレズビアンバーの成り方も変わった。
それまではひっそりと会員制で営業するのが主流だったが、今ではTikTokや youtube、noteで発信して、ホームページも各店舗ホームページも持ち、幅広く集客している。
宣伝広告の大切さ
店を開店して17年。その中で試行錯誤して、理解してもらうには「発信あるのみ」ということを知った。
それまでは目立てばアンチが出てくる。その存在に怯えていた。
15年ほど前、オナベバーでの勤務経験がなかかった僕は新規のお客様獲得の為にホストガイドというサイトに掲載した。
確かにご新規様も増えたが、途端に「ホスラブ」というサイトで大叩かれをして心が折れた。(笑)
アンチも広告になる。喜ぶべきだと教えられても当時はそんな気持ちになれず炎上するサイトの書き込みを見て疑心暗鬼になった。
現在オナベバーVenusが一番力を入れているTikTokは専門の業者さんと組んで発信している。
業者の方はLGBTではないノンケの方。
だから、企画会議で提案されるものが
「お風呂はどっちに入りますか?」「トイレはどっちに入りますか?」「下着は何を履いてますか?」といったものが多く、当事者の僕たちからしたら
それ誰が興味あるの?という内容の物ばかりだった。
僕たちが思い描いていた流行りのダンスを踊ったり、ホストさんの様にカッコイイ感じの動画とは程遠くなってしまったけど、これがいざアップしてみると、提案された動画の反響は大きく、僕らが当たり前と思っていた仕事、オナベバーも「そんなお店がある事を知らなかった」「オナベって何ですか?」「僕もFTMなので、働いてみたい!」などなど様々なコメント、メッセージを頂いた。
今回のこのTikTokの配信から、自分達がやりたい事と視聴者の方が見たいもの、知りたい事が違う事を知った。
これは接客にも通じることで、お客様の求めるものを提供することが売上に繋がる。
正直、何だか見世物のような気がするときもある。
ただ、僕はLGBTQである僕たちの事、僕たちの仕事を知っていただくことから「理解」が始まると信じている。
くだらないことをやってるなぁと思われる企画でも、やってみることに価値があり、真剣に取り組んでいる。
アンチの向こうには応援して下さる方がいる事を信じて。
どんな形でも僕たちLGBTQの存在をまず知ってもらう。その先に理解、応援して頂けたら嬉しい。
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