比べられるオナベとニューハーフ。オネエが受けてオナベが受けないワケ
僕は名古屋市中区錦3丁目でオナベバーVenusを経営している。
錦三丁目という街は、名古屋一のネオン街と言われている。
東京で言う銀座、大阪で言う北新地というイメージの華やかな街。
高級クラブ、ラウンジ、キャバクラ、スナックと女の子の店がメイン
オナベバーは10軒ほど。大型店はない。
ちなみに過去「ホストブーム」に乗っかってこの地方最大級のオナベホストクラブを大々的にオープンさせて、秒で潰した苦い経験を持つ。。
オナベバーとニューハーフのお店の決定的な違いとは
ニューハーフのお店はショーをやるような大型店がいくつかあり、そこから独立した方が経営するミックスBARやオカマBARが何軒もある。(※ここでは僕らがこの仕事をしていて普段から呼ばれているオナベ・オカマ・ニューハーフという表現をあえて使わせて頂くのでご理解下さい。)
「オカマ」と「オナベ」はよく比べられる。
オカマのお店、ニューハーフのお店から「その逆の店」としてお客様を紹介されることがよくある。
が、だいたいそのお客様はオナベに「ハマらない」(笑)
僕も実際に接客させて頂いて感じるのは、圧倒的に求めていること。楽しいと思うモノの差があるということ。だからハマらなくて当たり前。
もちろん、オナベバーからオカマバーに行ってハマらない逆のパターンもあるが、
ニューハーフのお店は、とにかく【芸】がある。【華やかさ】がある。
メディアでも大活躍している「オネエタレント」そのままのイメージである。
見た目のインパクトに加えて独特の言葉のチョイスで繰り広げる会話術は、一気に引き込まれてしまう。
それに比べて、女から男の僕たちオナベは丁寧な接客はもちろん心がけているが、これといった「芸」がない。
だから、そこ(エンターテイメント)を求める人にはオナベバーはインパクトに欠けるかもしれない。
僕が実際にニューハーフの子からの紹介でTV出演した時も、これといったTV的な見せ場を作れなくて、密着していたスタッフの方がどんよりしていった記憶がある。(笑)申し訳ない限り。。。( 一一)
こんなにオネエタレント、LGBTが認められている時代に、まだ誰もが知っている「オナベタレント」は居ない。この事実がすべてを物語っている。
これから近い将来には必ず現れると思うが、その人はきっと「オナベ」「FTM」だから有名になるのではなくて、
違うことで注目された後に実は僕こう見えて「オナベ」「FTM」でしたのパターンではないかと思っている。
例えば、
今話題のホスト界のスターであるローランドが、実は僕「元女」です。ってなったら一気に「オナベ」「FTM」は注目されることになるだろう。
だから、まずは「自分」を売らないと「オナベ」それだけで「売り」になる事はもうない。
LGBTが世間に認められつつあるこの時代の流れが、逆に僕らの存在をもう‘‘珍しいもの‘‘ではなくさせている。
水商売も芸能界と同じ人気商売である。その中で生きていくには、「オナベ」「FTM」関係なく自分を磨くことが必須。
LGBTが認められる嬉しさと引き換えに、セクシャリティが独り歩きするのではなく、
ひとりの「人間」として認められるように、より努力をしていかなくてはならない。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。