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レズビアンじゃない。FTMなんだと感じた出来事とは。LGBT鈴木優希
僕は性同一性障害、FTM 性別変更をしているトランスジェンダーの鈴木優希です。
今の年齢は40歳です。
23歳くらいまでは、自分はレズビアンのボーイッシュ? それともトランスと言われる性同一性障害? なのか悩んだ時期があります。
LGBTというくくりの中でも自分がどこに当たるのか?それがわからなくて、とても不安だった。
今考えたら、「性はグラデーション」自分は自分でいい。
と思えますが、その頃の僕は到底そんなポジティブには考えられなかった。
自分が何者なのかわからない恐怖。心細さ。
女、男、FTM、レズビアン、、誰といても何か違う感じ、この世で「ひとりぼっち」の気がしていた。
そんな僕が
レズビアンじゃないと思ったキッカケとは?
キッカケは、レズビアンの子と付き合った時だった。
当時の僕は格好はボーイッシュだったけど、もちろん治療は何もしていなかったから「女の子」のままだった。
彼女は僕の中性的な所が好きだといってくれた。
美人な彼女で、幸せだったが、気になったのが「男が嫌い」という所だった。
当時の僕は身体を変えることまでは考えていなかったけど、自分の「女」の部分にはコンプレックスがあった。
ゴリゴリな男にはなれなくても、
目指すところは、ジャニーズみたいな綺麗な男子。当時のロン毛ブームもありがたかった。 髪が長くても中性的なボーイッシュでいたかった。
僕が「男」に憧れているのとは反対に彼女は「中谷美紀」が好きだった。
カッコイイ「女」が好きと言った。
僕にも「スカートを履いて」「髪は切らないで」
嫌だったけど、それをすると大好きな彼女が喜ぶから最初は頑張って応えていた。
なりたい自分を追求すると彼女は離れてしまう。
「女」の自分が嫌で「自分らしく生きたい」と思ったのに、彼女にも「女」の自分を求められることが、どうにも辛かったが自分に自信がなかった僕は無理をしながら彼女との恋愛を続けた。
でもそれは彼女の浮気で幕を閉じることになった。
相手は、フェムタチといわれる見た目も女らしい女の子だった。
フェムタチというのはレズビアン用語で、フェミニンな恰好。言わば女性らしい服装をしているタチ役。男役をする女性を指す。
だいぶ凹んだ後に、僕は諦めがついた。彼女も自分に嘘がつけなくなったんだろう。中谷美紀のような「女」が好きな事に。
周りから見たら「女」が「女」と付き合って「女」に盗られる図。
カミングアウトしていた名古屋美容専門学校時代の友達に相談したら、「???」ポカンとしていたのを思い出す(笑)
僕はこの恋愛で自分が「女」でいる事が嫌なんだとはっきり感じた。
胸も嫌。生理も嫌。「男」として「女の子」を愛したいと確信した。
性格的に男っぽいタイプでもないから性別変更をした今でも、もしかしたら僕はビアンのボーイッシュだったのかもしれないなぁと思う時もあるが、はっきりわかるのは胸を取って良かった。名前を変えてよかった。生理が来なくなって良かった。ってこと。
女としてではなく「男」として愛したい。同性愛じゃなく異性愛として恋愛しているのは確かな気持ちである。
昔はLGBTのどの枠なのか、どれにでもシックリと当てはまらない自分が不安で仕方なかったけど、もし今その頃の僕と同じ想いの子がいるならば、
大丈夫。
トランスジェンダーでも色々。レズビアンの中でも色々。みんな違う人間なんだから、違って当然。
自分らしくいこう。
性別、セクシャリティは関係ない。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。