性別違和は今だけ?一時のモノ? 40歳トランスジェンダー鈴木優希の見解
性別違和って「いつか変わる?」「いまだけかな?」と思う時もあるし、当事者を見ていてそう感じる人もいると思います。
僕も、いつか普通になるんじゃないか。と信じていた頃がある。
※この場合の普通というのは心と体の性が一緒という事を指す。僕の場合「女」として「男」の人を好きになる事。
でもならなかった。
僕は名古屋市中区錦3丁目でオナベバーVenusを経営している関係で沢山のセクシャルマイノリティ、LGBTの人たちと出会う。
その中で記憶に残っている人の一人。
55歳の方の面接での事。見た目から、明らかにネオン街とは無縁の良いお母さんという風貌だったので、どういう経緯でオナベバーVenusで働きたいのか質問した時の話。
結婚したら変わるかも。子供を産めば変わるかも。で生きてきた。でも心の中は変わらなかった。子供も結婚して、この先の人生を考えたとき、旦那さんとの将来が考えられなかった。このまま「妻」「母」として死ぬのは嫌だと考えたら、家出をしていた。この先の人生を自分らしく生きてみたいと思いVenusに飛び込んでみたいう壮絶なお話だった。
逆に、Venusで働いてみたらやっぱり自分はFTMではなく「女」だったと確信が出来て「男」と結婚した子もいる。
昔だと、高校生の時短髪で女子サッカー部所属で完全にどう見ても「オナベ」でしょって子が今子供がいて良いお母さんになっているパターンもある。
だから、この「いつか変わる?」「今だけ?」説の答えは、
一概にはどちらとも言えない。
でも一つ言えるのは、
LGBT当事者の周りにいる友達、大人たちは
いつかじゃなく、「今」に向き合ってあげて欲しい。
性別違和を抱えた当事者は、どうなるかわからない未来より、どうしたらいいかわからない「今」が不安なのだ。
もしあなたが、LGBT当事者に出会った時、カミングアウトされて打ち明けられた時は、その個人個人の状況に伴う
「今」の悩みに向き合い、寄り添ってあげて欲しい。
それが一過性の悩みでも、一生の悩みでも関係なく。その人の「今」に携わった人として、「今」この瞬間を支えてあげて欲しい。
そして僕もそうありたいと思って活動している。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。
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