真面目じゃないと出来ない水商売
僕はLGBTトランスジェンダー。鈴木優希41歳。
仕事は水商売
18歳から始めたキャバ嬢・ホステス経験を経て、女の姿じゃなく、本来の自分の姿で大好きな水商売をしたい!とカミングアウトをして25歳の時独立。
同じ性別違和を感じている子を雇用して「自分らしく生きる場所」をテーマに地元名古屋の錦三丁目でVenusという自分の店を始めた。
この街で生きて23年。
売れている人、流行っている店には必ず理由がある。そして共通点がある。
それはみんな恐ろしいほどに真面目であるということ。
僕が最近ハマって見ているYouTubeチャンネルの「エガちゃんねる」でもキャラと本当の性格が違うと指摘されていたエガちゃんが言った。
この言葉に共通点を感じる。
芸人さんも真剣にふざけている。何も考えてないように見せて、めちゃくちゃ考えている。すべてをかけて笑わせることを考えている。
水商売の世界は芸能界に似ている。
・自分が売り物
・本当の自分は必要ない。本当の事も必要ない。その時々で求められている自分になる。
・人気商売。
みんなその世界でその店で、必要とされている「自分」のキャラを演じている。
お客様を楽しませることが僕たちの仕事。
その方法は何でもいい。お客様が楽しんでくれたらそれが正解になる。
例えば、いつも酔っ払って破天荒キャラな売れっ子ママがいる。
お店が終わってVenusにお客様とアフターで来てくれた時も、
座る順番から、お客様の時間、お会計から帰りのタクシーまで、それとなく、でも確実に、空気を読んでその場その場で気を遣っている。自然すぎてお客様は気付いていないかもしれないけど、僕から見たらママがただの酔っぱらいだったことは一度もない。
お客様を楽しませる、お客様が喜ぶ、酔っ払いをしているのだ。
そして次の日のお礼の連絡は誰より早い。レスポンスはいつでも早い。「いつ寝てるんだろう」そう思うほどいつでも確実に連絡がつく。
破天荒に見せてもきちんと相手の気持ちを考えている。フォローもお返しも絶対に忘れない。
ホストクラブのシャンパンコールも
ニューハーフパブのMCやショータイムも
ぶっつけ本番でやっているわけじゃない。
休みの日や営業時間前や後に、練習に練習を重ねて挑んでいる。
キャラは違えど、みんな誰かに喜んでもらう為のキャラを演じている。そして、いつも真剣である。
カッコイイ事ばかりじゃなく、どんなバカバカしいことにも真剣に取り組む。
お金を使う価値のある「自分」「店」でいることが「仕事」。
この世界の売れっ子たちも昼間会うと大体別人。華やかさもオーラも消してなんなら人見知りだったり、暗かったり(笑)スイッチオフ。
夜見せる姿は「仕事」として違う自分になっている人が多い。
どんな仕事も同じ
傍から見ていると「いいところばっかり」目につくもの。
水商売はお昼の仕事に比べると、「お酒を飲んで、喋ってるだけ」「楽して儲けている」と思われがちである。
でも、そう魅せるのも仕事。
側からそう見えているなら、「正解」だったりする生業。
夜の街の住人だけでなく、そこに集まるお客様でも様々な人を見てきた。
そしてわかったこと。
稼いでいる人は絶対に努力している。どんなにその姿を見せなくたって、簡単に稼ぐことなんてどんな仕事でも出来ない。
人の二倍稼いでる人は二倍努力している。三倍なら三倍…
「お金を払う価値のあるもの」を提供するのは片手間では絶対に無理。
何かを犠牲にするほどに真面目に真剣に取り組むことで、やっと「お金を頂けるものとなる」
※2021.12.11(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第4回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!
2022.3/12(土)第6回LGBT社会人交流会「BRUSH UP」開催決定!お問い合わせはこちらから
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