不自由を常と思え。
僕はLGBTQのTであるトランスジェンダー。女から男に戸籍を変えて生きるFTM。鈴木優希 1980年生まれ。
今日の題名は僕のおばあちゃんからの教え。厳密にゆうと徳川家康の言葉で
戦争を経験したばあちゃんにはこの遺訓が心に響いたのか色紙に書き残していた。
その意味は
「不自由が当たり前と思えば、不満を覚えることもない」
確かにその通りと思うが、欲まみれの僕にはそれがなかなか難しい(笑)
もっともっと良い思いがしたい!
欲があるから期待通りの結果が出ないと不満が出る。
ただ、性別違和LGBTQを抱えて生きていたこれまでの人生は、考えればここに通ずることもあると感じた。
僕がTVなどのメディアに出るたびに、「大変でしたね...」と声をかけられることが多かったけれど、僕にとっては女の体で男の気持ち、いわゆるFTMトランスジェンダーの自分しか知らないし、これが僕の当たり前。
だからこそ、男というものも女というものも世の中の「普通」というのが逆によくわからない。
男性器は欲しいけど、元々持ったことがないから僕の場合はそこまでの絶望、悲壮感もない。
傍から見たら、生まれた時から不自由と思われることも僕にとっては普通だから何も求めないで居られる。
だからこそ、生きていく上での悩みもこのように思っていけたらと強く思う。
仕事・人間関係の悩み
生きていく上で悩みは尽きない。
僕は地元名古屋で同じLGBTQの当事者を主に雇用したオナベバーVenus・レズビアンバーWを経営している。
Venusビーナスは今年17年目を迎える。
17年経っても、悩みは多い。
ただ、悩みがあるのは僕だけじゃなく、Venusに来ていただくお客様も仕事や家庭、何かしらの悩みや想いを抱えながら、ストレス発散、気持ちの切り替えで繁華街にみえていたりする。
スタッフも同様。LGBTQの自分との葛藤、家庭環境、恋愛etc.
いわばみんな同じ。悩みを抱えながらなんとか必死に日々を生きている。
僕は仕事に行きたくない時、今はばあちゃんのこの色紙を眺める。
悩みがある事が普通と思えば何も辛くない。
そしてそう思っていると、今までは無視していた当たり前のような事がとってもありがたい「良い事」に変わる。当たり前だったことに、感謝ができるようになる。
ばあちゃんがいつも言っていた口癖は
「ありがとう」
その意味が少しわかった気がした。
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