2020年を振り返る。オナベバーVenusオーナー鈴木優希
激動の2020年が終わろうとしている。
今年は名古屋市中区錦3丁目でオナベバーVenusを経営している僕にとっては、「試練」「決断」を強いられた苦悩の1年となった。
僕、鈴木優希は性同一性障害・トランスジェンダー・FTM当事者である。
2007年 3月にLGBT、セクシャルマイノリティ、性別違和で悩む同志、何より自分の為に「自分らしく生きる場所」をテーマにオナベバーVenusを開業した。
それから、多くの試練、リーマンショック、震災の自粛ムード、洪水などをなんとか乗り越えてきた。
そして今年は「コロナウイルス」
時短要請・休業要請により営業自体が出来ない状況。
営業が出来ても、換気、消毒の徹底。フェイスシールド・ビニールシート越しの接客。名古屋で一番の繁華街、錦三が、ゴーストタウンになった。
考えもしていなかった事態、現実に追いついていくので必死。
オーナーとして「判断」を迫られる日々。
休業中で売り上げがない中の、スタッフ達の生活の保障。
仕事が辛いことは今までの経験でわかっているけど、仕事が出来ないことの辛さは初めて知った。
『今までの当たり前が当たり前じゃないこと』を知った。
ついてきてくれたスタッフもいるが、水商売に、Venusに見切りをつけたスタッフもいた。
誰も責められない。だけど、ここだけの話。。。
めちゃくちゃ悔しかった。
良い時はみんな近くにいてくれる。でも、今。今助けて。力を貸して!!っていう時に離れていかれる孤独感。
でも、この時に決めた。コロナになんか負けない!
そして、絶対にコロナを言い訳にしない。って。
どんな時だって忙しい店はある。 お客様を呼べないのは自分の実力不足。
折れかけながら、何度も言い聞かせて前を向いた。
気持ちを切り替えても切り替えても襲ってくるマイナスのニュース。
マスコミによる、夜の街への「悪」なイメージ。
ついには12月の稼ぎ時にも休業を強いられた。
しかし、そんな中で、そんな中だからこそ「見えたもの」があった。良い事も悪いことも。
そしてもがきながらでも、これだけは貫いた信念。
「コロナを言い訳にしない」ことで、
たくさんのお客様、同業者の人たちがVenusを支えてくれて「今」がある。
1年が終わっただけで、まだまだ乗り越えたとは言えない。これからまた来年も、どうなってしまうのかもわからない。
新しい生活様式とは真逆な僕の大好きなこの仕事。漠然とした不安が襲う。
でも僕は決めた。
店を開けられる時は、一生懸命頑張る。
開けられない時は、素直に立ち止まり、スタッフと共にその時間にしかできないことを「経験」する。
「経験」は自分の宝物になる。食べたことないモノは食べさせてあげたい。行ったことない所に連れてってあげたい。やったことない経験を一緒にしたい。
その時にその状況で、やれる事を全力で。
誰のせいにもしない。何のせいにもしない。当たり前の毎日に感謝する。
そして最後に、今年始めたこのnoteで出会った人達に感謝。
皆様、よいお年をお迎えください。来年も宜しくお願い致します。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。
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