【保育の場から】恥ずかしさはいりません
小児科病棟で仲良くなった看護師さんが言っていました。
「保育園実習のときに保育士さんから言われました。恥ずかしさとか照れとかいらないから、って」
そのとおりです。保育中には、恥ずかしさは必要ない感情です。むしろ捨てなければならない。
保育補助のパートをしていたときのこと。
園庭で、3歳さんふたりから遊ぼうと誘われました。
「アンパンマンショーしよ!」
ほぉ、私はバイキンマンでもして倒されるのかな?
「お客さんやって」
おぉ、そっちなんだ。
ふたりは私をベンチに座らせると、その正面にある砂場のへりに立ってこちらを向きました。
3歳さん:「よいこのみんな、こんにーちは~!!」
私:「こんにーちは~」(こういうことか…)
3歳さん:「あれぇ、声が小さいなぁ。こんにーちは~!!」
私:「こんにーちは~!!」(全力で手を振りながら)
その後、大声でアンパンマンを呼んだり応援したりしました。向こうのほうで、正規職員さんがニヤニヤしているのが見えました。
子どもとしっかり遊ぶときには、彼らのワールドに染まって全力でついていくのが私のモットーです。(望ましくない言動はもちろん止めますが)
小児科では特にそうしていました。
小児科病棟で子どもと遊ぶ際、基本的にはベッドサイドで子どもと一対一でした。
手近なものに人格を与えて、ごっこ遊びが始まるのはよくあること。
ストーリーや配役、保育士が求められている立場はすべてその場で子どもの出方を見て臨機応変に対応します。
かっこよさげな書き方したけど、謎の生き物に扮して「たすけてくれ~ぃ」と言ったり、泣き真似したり、赤ちゃんに扮してバブゥとか言うわけです。
エアーで釣りして謎の生き物を釣り上げて友達になったり、戦ったりもするのです。
たまに流れを読み間違えて、「ちーがーう!」とか怒られます。
たまに私が上手いこと気持ちを乗せすぎちゃって子どもが興奮してしまい、慌てて軌道修正することも。(ダメじゃん)
一度だけ、遊び終えて個室から出たときに看護師さんから
「なんか、「許してくださーい!」て言ってましたけど、どんな遊びしてたんですか?」
と笑いながら言われたことがありました。
いや…子どもの世界に全力でついていってただけなんで…説明とか勘弁してください…と、もにょもにょ話して逃げました。
大人相手だと、私にも恥ずかしさの感情、完全にあります。
でも、周囲からどう見えるとか、考えちゃダメ。
これからも私は恥ずかしさを脇にどけて、子どもと遊びます。