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水田の畦畔管理24 ~つる草への除草剤対応~
夏が来た。
・・が、風がまだ湿っぽい。爽やかな夏の風ではない。
今日(土曜日)はまだ、梅雨から夏への移行期のようだ。
例の畦畔は、勝負あった。
次週手入れをして、植生の回復を考察しよう。
さて、いよいよ、僕が呼ぶところの、
最低最悪畦畔
への対処にとりかかる。この畦畔、放っておくと・・・
ジャングルになる。(笑)
7m級の長大畦畔で、年に3回程度の粗放的な管理となっていたから、植生が遷移し、「森」に近寄っている。
悪いことに近年、
クズ
が、灌木のポジションに割って入ってきて、それはもう、
多年生雑草のオンパレード
なんである。
だから、僕は、「最低最悪畦畔」と呼んでいるわけだ。
だが幸い、この水田は今年水稲作なので、「水田畦畔」対応の除草剤が使える。よって、多年生雑草が繁茂した長大畦畔に対処するよい題材になるわけだ。
さあ、こういう場合、まずやるべきことは、「観察」。
どんな草が生えているのか、大きさはどれくらいか、繁茂の程度はどうか。それを見極める。
観察の結果、ターゲットとすべきは、
つる草(クズ、ノブドウ等)
背の高い草(カラムシ等)
大株になる草(ススキ)
※写真なし m(_ _)m
・・・要は、全部盛りなんだが(笑)、今回は「つる草」を中心に考えていこう。
「つる草」は、刈払機に巻き付き、草刈りの能率を著しく低下させるから問題だ。特に「クズ」は繊維が丈夫だし長いから辟易する。
そのほかにも、ノブドウとかナワシロイチゴとかいろいろあるわけだけど、どれもなかなかしぶとい。切っても再生したり、断片から再繁殖したり・・
で、ここで目をつけるのは、
生長点がベラボーに多い
という点。
体も大きいから、その全身に除草剤を行き渡らせることも難しい。下手すると、グリホサート剤など、まだらに効いて、部分的に枯死した個所から次々と新芽を吹く・・・なんてオソロシイことになりかねない。
これはやっかいなことですね。
そこで、こういう場合の強い味方。
それが「アシュラム剤(商品名:アージラン液剤)」です。
こいつ、
成分が生長点に移行する。
という素晴らしい特性を持っている。
そう、ピンポイントで生長点をつぶせるのだ。
下の写真を見てほしい。
これは僕が、このアージランを使って、「ヤブカラシ」を攻略した排水法面である。
現在(使用後)
1年前(使用前)
季節はほぼ同じだが、身の毛もよだつヤブカラシが消えて、イネ科の穏やかな植生に変化している。※残党が部分的に残っている。
・・てなわけで、暑いけど頑張って散布していこう。
アージランは「薬量選択性」である。だから、何%に希釈するという概念がない。
要は、
単位面積に、何ml放り込むか?
ってことで、それが農薬登録の内容になっている。水田畦畔だと、
1,500~3,000ml/10aというわけだ。
僕は今回、500mlを放り込む。ちょっと少ないかもしれない。
さすがに原液では散布不可だから、500mlを15リッターに薄め、「少量散布ノズル」を使ってまんべんなく散布した。
40°の法面だから、「足具」はmust。ひっくり返ってはいけない。
うまく撮れてないが・・
散布の跡が見えますかね?
ただ、このアージラン、効果の発現が無茶苦茶遅いので、1ヶ月くらいのんびり待つことになる。
忘れた頃にnoteします。(笑)