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今日の参拝84 ~二柱の神のご加護~

今年もこの季節がやってきた。

僕はカイシャを午後から休んで、大事な和紙を受け取りに行く。先方にアポもとってある。テンポよくこなして、薪割りの準備をしよう・・そう思っていた。

道中、ケータイが鳴った。義妹からである。
僕は車を停める。

「もしもし。どうした?」
「急にごめんね。実は手伝ってほしいことがあって・・」

どうやら、彼女一人では出来ない事が発生したらしい。父親のことだ。
「わかった。で、いつよ?」
「今日なんだけど・・」

あやー、見事にバッティングした。タイミングを考えるに、和紙を受け取ったら引き返し、家で待機しなければならない。
草刈りの関係上、今日中に薪割りの準備をしたかったのだけれど、どうやらそれは難しい。

「これはお参りを飛ばすかなあ・・・」


そんなことも考えた。
気が急いてしまったからである。

いろいろ思うところはあったのだが、
「了解。わかったよ~。」

そう承諾して、僕はとりあえず和紙の受け取りに向かった。

受け取りは終了。

「まあ、どうせ夕方はダメなんだから、ゆっくりお参りに行こう。」


僕は気持ちを切り替えて、神社に向かった。

あいかわらず静かな境内。
時間が時間だったからか、参拝客は僕一人。深呼吸を一つして、ちゃんとリラックスしようと自分に言い聞かせ、参拝を始める。

ご祭神は、クニトコタチと川上御前。そして、境内に十一面観音。

ひととおりお参りして、僕は神々に話しかける。

「神様、私は少し急ぎすぎていたようです。家族のことを
ちゃんとすることは大切ですよね。ごめんなさい。」


そう懺悔したら、ちょっと気が軽くなった。
「よかった・・」と思いながら、僕は参拝を終え、鳥居をくぐる。

「缶コーヒーでも買おう。」
自販機に立ち寄った僕の、ケータイが震える。
義妹だ。

「もしもし。さっきの件だけど、あれ、解決したの。」

おや?雲行きが変わっている。

「ん?てことは、俺は行かなくていいのか??」
「そう。大丈夫。バタバタしてゴメンね。」
「問題ないよ。了解しました。」

ああ、神のお計らいだ・・


僕は直感した。

妙な(?)案件が差し込まれたのも、それが「解消」されたのも、考えてみれば、ちょっと不自然な流れ。
その前後で僕にどんな変化があったか、といえば、

自分のことだけでなく、他のことにも目を向けよ。


ということではないか。

幸い僕が、境内でそのことに気付いたため、タイムラインが元に戻り、本来予定していた行動がとれるようになった。

もし気付いていなかったら、もっと大きな出来事でもって、僕は「強制停止」させられていたに違いないのだ。


いかなる時も「愛」に基づいた行動をとらなければならない。

新たな行動規律が、僕に実装されたようである。

追伸

こちらのご祭神は、クニトコタチと川上御前。
国の立て替えを担う神と、愛の神。

今の時代を共に歩まれるこの二柱の元に、僕は自然な流れで導かれたことになる。

ちなみに、川上御前は、瀬織津姫
僕はそう考えている。


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