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贈り物の効果。

大人になって、贈り物をもらったりあげたりする機会が減った。昔は、誕生日・クリスマスプレゼント・バレンタインデーなどイベントがあるごとに、友達や家族にプレゼントを交換していた気がする。そのイベントを楽しむために、贈り物が欠かせなかった。誰かが選んでくれたプレゼントを開く瞬間は、非日常で楽しみな時間だったし、また、相手が何を喜んでくれるか考えてお店をめぐるのもすきな時間だった。とはいえ、子供のころはどちらかというと、何をもらうか?を重視していて、これが欲しいな、あれが欲しいなというのを心の中に浮かべていて、何をあげるか?はさほど考えていなかった気がする。

数年前、母の日に花を送ったことがある。普段連絡も多いほうではないし、花屋さんを通りがかり、母の日だなと思い出し、なんとなくお花を買ってみたのだった。母は喜んでくれたが、何より喜んでもらえたことに対して、私はすごく幸せな気持ちになれた。大人になって、何かをあげることに幸せを感じられるようになっている、ということに気づいてうれしくなった。自分の感情の幅が広がって、子供のころよりも多くのことに気が付き、それにより感じられることも増えているのだと思う。

自分にお金を使うよりも贈り物を送ったほうが、心がきれいになる気がする。また、負担なくお金を使える気がする。自分にお金を使うときは、消費した、という感覚が強くて「買ったけど、これいらなかったかな」とか「必要だから買ったけど、お金ないのに」とか買った後に余計なことを考えてしまう。自分に対して気持ちよくお金を上手に使えたことがあまりない。変にまじめな気質が出てしまって、「ここは我慢したほうがいいのでは?」と考えてしまうのだ。しかし、自分の周りの人にお金を使うとなると、不思議と違ってくる。「これ好きだったよな」とか「これ似合いそうだな」とか、相手のことを考えながら選ぶことが自然と多くなって、それを楽しめている自分がいる。

大人になった一つの証拠として、「もらう」側から「与える」側に代わることがあげられると思う。仕事の中でもお客様に何をできるか?がどこでも問われていて、そこに貢献度が高いほど評価される。そう知るにつれ、学生の頃が良かった、自分のことだけ考えていればよかったなどと考える人は多いと思う。確かに、「与える」というのは相手のことをよく知り、何が欲しいか考え、それを実行しなければならない。外れれば文句を言われたり嫌な気持ちにもなるだろう。しかし「与える」ことは本当に、つらいことなのか?私は本来贅沢なことだと思う。成功すれば、誰かが喜んでくれるし、それによって自分に幸福な気持ちが返ってくる。その気持ちは何かを与えられているときよりもずっと幸福度が高く、何にも代えがたいものだ。

もっと与えることを怖がらず嫌がらず、素直に誰かの役に立てるようになりたい。




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yukiyuki
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