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【人間観察】自分だけ分かってるおじさん
私は仕事で人を見てよく動いている。
そのため面白い行動を取る人は気になってしまう。
そんな日常の一コマをお届け。
何を言ってるのかわからない?
「紗月さん、これ何言ってるのか分かります?」
自部署のメンバーが困った顔でTeamsのチャンネルを見ている。そこには彼の質問に対しての奇妙な返事が載っていた。
Q:〇〇鉄道の運行情報はこのシステムに掲載されていますか?
A:v=1が指定してあるんでいけてます。
私はこれを読んで即座にこのシステムの設定をしているおじさまが「〇〇鉄道の運行情報の設定はv=1を設定すれば掲載されるので、現在設定されているため問題なくデータは出ています」と書きたいのだなと理解した。
システム屋は往々にして自分の中で自己完結してしまっていて、ちゃんと相手にわかる話し方をすることができない人が多々いる。うちのメンバーは開発を経験してはいないので、なかなか理解が難しい。
Q:新しいログインの仕組みが安全だって説明をして欲しいです。
これは毎週の定例会にて出た質問だったが、そのシステム屋のおじさまの回答がこちら。
A:一般的なやり方なんで問題ないです。
いや全然回答になっていない。
その場にいる誰も安心な気持ちにならなかった。
専門家とかそのルールを作った人なんかによくあるのが、自分は分かってるから大丈夫という感覚。ただ仕事は1人でやるものじゃないので周りへの理解が必要。
このおじさまはその説明はあまりすることなく、どんどん仕組みづくりをしていってしまい、資料も残さないため後で自分しか対応出来なくなってしまう。
「俺しかできないんだよな……」
おじさまはよくボヤいているが、私から見たらそれは自分が説明しない、マニュアルは作らないので仕方ないのでは……と思っている。
人には向き不向きがある
私は人それぞれに得意不得意がある、と思う人間なのでこのおじさまが説明しない、マニュアルを作れないからってあまり怒りは沸いてこない。できないってだけなので、それが得意な人を組織が彼のサブにつけてあげればいいのに、と思うだけだ。
不得意なものをやらせて、本人が得意な開発やアイデア出しの手を止められるのは困る。人の通訳ができる私がついてあげたいなと思ったりもするけど、残念ながら私は部外者。
おじさまのいいところ
困った人だなと私がさほど思わないのは、この方が聞けば質問に答えてくれるからで、最初の鉄道の質問なんかは私から、
Q:〇〇鉄道の運行情報はこのシステムに掲載されていますか?
A:v=1が指定してあるんでいけてます。
紗月:それって運行情報の設定がされているので掲載はされているって意味で合ってますか~?
と言い換えてあげると
A:左様です。
と質問には答えてくれるので、イライラして「その位分かれよ!」とかキレてしまうちっさい人間よりは余程話しやすいなぁと思ったりする。
とはいえ相手に分かるように話そう
このおじさまはまあ、もう仕方ないとして……自分が心がけているのはやっぱり、相手が全然分からない人である、という認識を持って伝えるということで、設定値を書いちゃったり常識ですと言いきっちゃったり、そういうのは伝わらないよ~と感じている。
とはいえ自分もすっかり初心を忘れて、「csvをインポートして……」とか新人さんに言ってしまって「ごめん、csvはカンマ区切りのデータのことで、インポートはシステムに取り込むことだよ」と言い直したりしている。
人間観察でした。