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半年でキャリアチェンジって可能?:ベルリンでソフトウェアエンジニアになろうと思ってからの3年間を振り返る<1>

こんにちは。ベルリン在住エンジニアの佐藤ゆきです。

わたしがエンジニアを目指し始めたのは3年前、既に30代半ばの頃でした。それまではコードを書いた経験がゼロ。それから、独学とブートキャンプで1000時間勉強をして、ベルリンのスタートアップにエンジニアとして就職しました。

約2年、エンジニアとしての経験を積んだ今、振り返って思うことを何回かに分けてまとめておきたいと思います。エンジニアにキャリアチェンジすることに関心がある、独学やブートキャンプで学んだあとの勉強方法やキャリア開発に悩んでる、という方の参考になれば嬉しいです。

なお、これまでの経験については、以下の記事も含めて「ベルリンでエンジニアにキャリアチェンジ」マガジンにもまとめてますので、ご興味があればどうぞ。
プログラミングを1000時間勉強して、ソフトウェアエンジニアになるまでにやったこと

わたしの簡単なプロフィール
生まれも育ちも日本、東京の国立文系大学を卒業したあと、20代は日本で会社員(新卒直後はカナダで1年ワーホリ)。
その後、30歳でベルリンへ。ベルリンが大好きになって、そのまま住み着き、現在は在ベルリン9年目に突入。最初の5,6年はフリーランス、メインの仕事はスタートアップのことについて日本のメディア向けに書いたり、しゃべったり、、、色々してました。その後、もっとベルリンで長期的に、心身ともに健康に働きたいというモチベーションを元にソフトウェアエンジニアにキャリアチェンジ。
2018年に自己学習&ブートキャンプでの準備を経て、ベルリンのスタートアップにバックエンドエンジニアとしてジョイン。2020年夏から今年の3月末まで、ブロックチェーンスタートアップの和らしべチームで一緒に開発などやらせてもらってました。近々ベルリンのスタートアップに、ミドルレベルのフルスタック開発者として戻る予定。

「卒業後3ヶ月以内の就職率が90%」を謳うコーディングブートキャンプ

わたしは2018年の夏に「卒業後3ヶ月以内の就職率が90%」という文言に惹かれて、ベルリンで10週間のコーディングブートキャンプに参加しました。

改めて見ると、「卒業後3ヶ月以内の就職率が90%」って、インパクトがすごくないですか?! プログラミングの経験がゼロでも数ヶ月で就職できちゃうってことです。わたしもこのスピード感に惹かれて、60万円近くの授業料を払って参加しました。

側から見れば、たったの数ヶ月や半年でキャリアチェンジして就職なんて、考えが甘いと思う人も少なくないでしょうし、わたしも当時は結構周りの方からそう思われていたそうです。あとから「無謀だと思ってた」と何人かの友達に言われました。
とはいっても、半年って結構長い時間ですよ?半年間集中して学習すれば、かなり成長できることも事実。ブートキャンプも10週間と短いですけど、詰め込みプログラムで大変です。燃え尽きて脱落する人もいます。私も当時はコーディングの夢でうなされるほど、必死でした(くわしくはこちら「ベルリンのコーディングブートキャンプ体験記」)。

あと付け加えると、ベルリンは2010年代にスタートアップ都市としての勢いが増し、エンジニアの求人数が大きく伸びたという事情も関連しています。LinkedInでsoftware engineer とかfrontend / backend/ full-stack developerのポジションがベルリンでどれだけあるかを検索してみてください。欧州の中でもエンジニアの求人数はかなり多い方ですし、ドイツの首都ですが、社内の共通言語が英語であることも多いです。
需要があるからこそ、エグジット先があるからこそ、こうしたブートキャンプも進出するわけです。
ブートキャンプとしては、卒業後の就職率を高く保つことが、プログラムの信用につながるわけですから、進出先も慎重に選びます。私が参加したブートキャンプ、Ironhackも元々はマドリード発祥ですが、スタートアップ都市としてのベルリンの成長をみて2018年に進出したわけです。

話がそれてしまいましたが、そんな感じでブートキャンプでの勉強を頑張って、卒業後1ヶ月ほどでベルリンのスタートアップにジュニアのバックエンドエンジニアとして就職することができました。今思うと、とってもラッキーだったと思います。

半年でキャリアチェンジって可能?

結論から言えば、可能です。わたしがコーディングを学び始めたのが2018年の3月で、就職が決まったのが11月なので8ヶ月。ブートキャンプ時代の同級生でも、さらに短い学習時間で就職していった人もいるので、半年でキャリアチェンジというのは確かに可能です。でも、現場で通用するレベルに達することができるかといったらとても難しいでしょう。

半年で就職できるかどうかは、未経験でもOKですよ、トレーニングをしますよと言ってくれる、ジュニアの受け入れ先があって成り立つものです。わたしも、最初に就職したスタートアップは「ジュニアでもいい、むしろジュニアを育てたい」というチームリーダーのおかげで入れたようなものでした。チームが小さく、急成長が求められるスタートアップほどジュニアを受け入れる余裕は一般的に小さく、経験者が重宝されます。

一方、数百名以上の規模になって「エンジニアを育てたい、多様性のあるチームをつくりたい」というスタートアップや企業は、ジュニアを受け入れる余裕がでてきます。BabbelやSoundCloudなど、ブートキャンプ卒業直後の人や実務経験のないエンジニアを受け入れてトレーニングするプログラムを社内でつくっている会社もあります(今もプログラムがあるかは未確認)。ベルリンのスタートアップエコシステムがさらに成長して、そういう会社がもっと増えれば、ジュニアの受け入れ口もより増えていくかと思いますが、全体を見れば、ジュニア枠というのは経験者枠に比べてかなり小さいです。

そういったことを就職活動を通じて実感しました。

次は、実際に現場に入ってから痛感したこと、学んだことを書けたらなと思ってます。

それでは、今回はこの辺で!

追記:続編はこちらです。


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