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「アメージング・グレース」 大いなる力に導かれて

今週はオリンピックのために
週の後半が連休になっていますが
わたしは祝日出勤するので、
月曜日、その振替休日をいただきました。

と行ってもこの状況ですから、
やはり遠出もできません。 

本当は都心の映画館で見たい映画も
あったのですが、
最近の感染者の急増を見ていると
それもはばかられて
やはり歩いていける吉祥寺の映画館へ。

というのは、もうすぐ上映が終わる映画があり、
この日しか見られる日がなかったのです。

それは、
アレサ・フランクリンの
1972年1月13−14日の2夜連続で行われた
教会でのライブを記録した
「アメイジング・グレイス」。

実はわたし、彼女のことは
あまり知らなかったんです。

もちろん、彼女の名前や
彼女が「ソウルの女王」と呼ばれていることは
知っていましたし、
曲を聞いたこともありました。

でも、きちんとアルバムを聞いたことはなく、
どんな人かもよくわかっていなかったのです。

この映画の予告編を見て、
「もう亡くなってしまった彼女の
ライブを体験できるなんて、
貴重だな」
と、見に行くのを楽しみにしていました。

今、ライブ自体もなかなか見にいけないので
映画であっても、
ライブを楽しみたい気持ちもありましたしね。

月曜の朝の上映だったので
空いているかと思いきや、
わたしがチケットを予約するときには
ほぼ満席で、
最前列しか残っておらず、
映画館についてみると、
それも全て埋まっていました。

(ソーシャルディスタンスを
取るために、一席ずつ開けて
座っているためでもあるのですが) 

ライブの会場になったのは
ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミショナリーバプティスト教会。
そこで収録されたライブ・アルバム
「Amazing Grace」
(「至上の愛」の邦題も)は
世界的に大ヒットし、
当初からその画像も映画化される予定で
映画「愛と哀しみの果て」で有名な
シドニー・ポラックが撮影していました。 

でも、まだ若手だったシドニー・ポラックが
映画の最初と最後に
カチンコを入れていなかったために
映像と音を同期させることが
できなかったという痛恨のミス・・・

そのために、映画製作は
未完に終わることになるのですが、
技術の進歩によって数十年後に
映画として完成したのです。

彼女は2018年に亡くなっていますし
飛行機嫌いだったために
来日したこともなかったとのこと。

そんな彼女の1972年のライブを
2021年の日本で体感できるとは。 

技術の進歩ってすばらしいですね

場所が教会で、録音と撮影をしている、
という事情もあったのかもしれませんが、
1日目のライブに登場した彼女は
少し緊張しているように
見えました。

というのも、
アレサ・フランクリン自身が
「ゴスペル音楽のアルバムを作りたい」
という強い希望があって
このアルバムを製作するに至ったそうです。

牧師の娘として
神を賛美するゴスペルを歌っていた
彼女にとっては
神様のいる教会で
信者の方達のいる前で
聖歌隊とともに歌うということが
わたしには想像できないほど
大切なことだったのでしょう。

(そしてこのアルバムは大ヒットアルバムとなるのです) 

ライブの二日目には
彼女のお父さんが
1日目のライブの話を聞いて
いてもたってもいられず、
デトロイトから
2日目のライブに駆けつけます。

お父さんが紹介され、
拍手に迎えられて入ってきた時の
アレサ・フランクリンが
「娘の顔」になっているのが
微笑ましかったです。

牧師であるお父さんは
説教師として有名だった方だそうで
風格があり、
突然話をして欲しいと言われて
スピーチを始めても
やはり話し慣れた方の話ぶりで
娘の子供時代の話も織り交ぜて話し
娘を誇らしく思っていることが
強く伝わってきました。

そして、多くの歌の中で
やはりいちばん胸を打ったのは
「アメージング・グレース」。

ゴスペルを歌う方だけでなく
クラシックの方や
ポップスの方など
ジャンルを超えて多くの方が
歌っているので、
きっとあなたもご存知でしょう。

もちろん、わたしも聞いたことがありました。

でも、改めて彼女の歌を聴きながら
歌詞をかみしめると、
まるでその曲が
自分に届けられたメッセージのように
感じられたのです。

Amazing grace how sweet the sound
That saved a wretch like me.
I once was lost but now am found,
Was blind but now I see.

大いなる神の恵み
 
何と美しい響きだろう
私のような者までも救ってくださる

かつて迷いさまよっていた私を

神が見出してくださり

今まで見えなかった神の恵みを

今は見出すことができる 

'Twas grace that taught my heart to fear,

And grace my fears relieved,

How precious did that grace appear, 

The hour I first believed.

神の恵みこそが 
私の恐れる心を諭し

その恐れから心を解き放ってくださった

信じる事を始めたその時の

神の恵みのなんと尊いことか

Through many dangers, toils and snares
I have already come.

'Tis grace hath brought me safe thus far,

And grace will lead me home.

これまで数多くの危機や苦しみ、
誘惑があったけれど
私を救い、
導いてくださったのは
他でもない神の恵み 

わたしはキリスト教徒ではないので
アレサ・フランクリンの歌う神とは違いますが、
この部分を聞いて
わたし自身が大きな力や
ご先祖様の力に助けられて
今の幸せがあることを
身にしみて感じたのです。

わたしの人生も様々なことがあって
今に至っており、
やはりいいことばかりではなく
悩みの多い時期もありました。 

でも、そんなことも乗り越えて、
大きな力に助けられるように
今の住まいや仕事とも出会い、
コロナ禍でも穏やかに
好きな仕事を続けながら
大好きな場所で
生活できています。

「まさに大いなる恩寵」
のおかげで今のこの瞬間まで
たどり着くことができたのです。

「この歌を聞けただけでも、
この映画を見に来られてよかった」
と思いました。

ちなみに、今回この投稿の前に
彼女のことを少し調べていて
アレサ・フランクリンの誕生日が
わたしと同じ3月25日と知り、
びっくり。

思わぬところでご縁があるものですね。

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

*明日は2回目のワクチン接種日。
お薬手帳やクーポンなど、
持ち物も準備。

あとは明日の仕事の後に
遅れずに行くのみです。

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