英国の国民的チャリテイー・デー、「レッド・ノーズ・デー」
英国には
「レッド・ノーズ・デー(Red Nose Day)」
という、国民的なチャリティイベントがあります。
(写真はコミックリリーフのHPよりお借りしています)
コミックリリーフ(Comic Relief)という、
1985年にエチオピアの飢饉を救うために
設立された英国の慈善団体が行う事業で、
2年に一度、3月に行われます。
〔日にちはその年によって変わります)
名前の通り、参加者は募金者等が
ピエロが付けるような
赤い鼻を身に着けることが恒例になっています。
なぜ赤い鼻をつけるか、というと
「笑いを通して、人々を笑顔に変え、同時にチャリティを行う」
と言う趣旨があるため。
ほら、その昔、ロビン・ウィリアムス主演の
「パッチ・アダムス」
という映画がありましたよね?
(レッド・ノーズ・デーとは無関係ですが)
あの先生も、赤鼻をつけたり
ピエロのように振る舞って、
患者さんを笑わせ、癒し、元気付けましたよね。
ちなみに、英国の「レッド・ノーズ・デー」は
赤鼻をつけるだけのイベントではありません。
BBCがメインサポーターになって
当日は長時間の特別番組が放送されますし、
ブリティッシュ・エアウェイズや
セインズベリ(英国の大手スーパー)
などの大手企業がパートナーとなり、
イベントの前から英国各地で
募金活動やイベントも行われます。
赤い鼻はスーパーや薬局でも買えますし
コミックリリーフから
直接購入することもできます。
1個1ポンドの赤鼻のうち、
60%以上が寄付に回るそうですよ。
そして、レッド・ノーズ・デーの
チャリティ番組には
様々な特別企画があります。
例えば、日本の「24時間テレビ」の
有名人のマラソンのような企画もあり、
2019年には英国の女性グループ
「リトルミックス」のメンバー二人が
7日間かけて
専門スタッフと共にキリマンジャロ登頂。
また、2017年にはコミック・リリーフの創設者であり
脚本家・映画監督の
リチャード・カーティスが手がけた
大ヒット映画、「ラブ・アクチュアリー」
の約10分間のスペシャルバージョンが作られ、
「レッド・ノーズ・デー・アクチュアリー」
として放映されました。
さらに、2019年には
同じくリチャード・カーティスが手がけた
大ヒット映画、
「フォー・ウェディング・アンド・ア・フューネラル」
の約15分間のスペシャルバージョンが作られ、
「ワン・レッド・ノーズ・デー・アンド・ア・ウェディング」
として放映されました。
どちらもオリジナルの映画の出演者が
再結集して登場し、話題になったといいます。
特にわたしは「フォー・ウェディング・・・」
が大好きだったので、
25年ぶりの出演者の皆さんたちを見て
「さすがにみなさん、お年をとりましたね・・」
と思いつつ、とても懐かしくなりました。
(自分も同じだけ年を取っているんですけれどね)
このチャリティで寄付された募金は
全て様々な支援先に寄付することになっていて、
必要経費は募金が分配されるまでの利子と
スポンサー企業から提供されるそうです。
ちなみに、この「レッド・ノーズ・デー」の日は
職場や学校でも赤鼻をつけていることが
珍しくありません。
わたしがボランティア活動をしていた学校だけでなく、
英国の多くの学校でこの日は
チャリティイベントの日になっているようです。
活動先のゴソップス・グリーンでは赤鼻をつけるだけでなく、
子供達も先生たちも赤い服を着てくる日になっていました。
(もちろん、着なくても大丈夫なので、いつも通りの
青いスクールユニフォームを着た子もいます)
学校集会の時間には
チャリティについて考える詩が朗読され
短い演劇もありました。
(写真では子供たちは赤鼻をつけていませんが
机の上に赤鼻があるのが見えますか?)
そして、学校内でももちろん募金を集めます。
日本でも赤い羽根共同募金その他の
募金や寄付はありますが、
こんな風に楽しみながら募金をする仕組みは
ない気がします。
小さい時から楽しみながら
みんなでチャリティのことを考えたり、
実際に募金する機会があるって良いことだな、
と感じた行事でした。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
*ちなみに、コミックリリーフのHPでは
すでに2021年のレッド・ノーズ・デーの
告知も出ています。
https://www.comicrelief.com/rednoseday
*電子書籍
「1997~英国で1年暮らしてみれば~vol.1」
https://amzn.to/3irzfRg
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