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英国で見た「アンネ・フランクの思い出」

あなたは「アンネの日記」の
アンネ・フランクのことをご存知ですか?  

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電子書籍「1997」シリーズを書くため
当時の自分の日記を見直してみると
出かけた場所やボランティア活動の他に
どんなテレビ番組を見たかについても
書いてあります。 
 
英国で過ごしていた
1997年3月のイースターホリデーに、
ホームステイ先でのんびりしていた日の
昼下がり、
なんとなくテレビをつけると
「アンネ・フランクの思い出」
という特別番組を放送を放送していました。 
 
わたしは小学生の時に
母にアンネ・フランクの本を買ってもらい、
感性豊かな10代の少女
アンネを襲ったあまりの過酷な運命に
ショックを受けました。  

その後も、アンネについての本は
何冊か読んでいたので、
この時の番組も引き込まれて見ていました。 
 
アンネたちの隠れ家生活を
サポートしてくれたミープや、
アンネ一家に関わった人々がたくさん出てきて
わたしはテレビの前から動くことが
できなくなりました。 
 
(ちなみに、ナレーターは英国の俳優、ケネス・ブラナーでした)

パンフ1

 
アンネたちと一緒に隠れ家に潜んでいた
歯科医(アンネの日記では偽名で
「デュッセル」さんとされています)
は離婚していたのですが、息子さんがいたのです。 

彼は歯科医の父とは
生き別れになってしまったのですが、
この番組の中でミープに会うのです。 
 
ミープが
「彼は本当に、本当に素敵な人だった」
というと、彼は涙をこぼして、
「本当に、どうもありがとう。」
と感謝言葉を伝えていました。

ちなみに、この会見の収録の2週間後に
彼はガンで亡くなったそうです。 
 
息子さんによると、
この歯科医の方は生前はかなりの
スポーツマンだったとのこと。 
 
「あの父が隠れ家で
暮らさなければならなかったのは、
本当にカゴに入れられた鳥同然
だったろう」
と息子さんは語っていました。 
 
そうだったんだ。。。 
 
彼はミープの歯科医で、
切迫してくる状況の中で彼に
「隠れる場所はないだろうか」
と聞かれた時、
ミープはなんとかしようと
アンネの父、オットーに
相談したそうです。 
 
彼は
「7人でもできるのだから
8人でできないわけがない」
と答えたとのこと。  

隠れ家生活で大人が一人増えるって、
大変なことです。 
 
オットー・フランクは、
本当に器の大きな方だったんですね。 
 
(でも、アンネはこの歯科医と
同室で暮らすことになってしまうのですが) 

パンフ3

ミープもオットーのことを
「彼は私たちのボスだったけど、父親でもあった」
と言っていました。 
 
番組の中に出てくる死体の山の映像などは
目をそらしたくなったけれど、
最後まで見ていました。 
 
この時、ホームステイ先のモーリスが
わたしがこの番組を見ているのを
見ていたようです。 
 
(集中して見ていたためか、
この時は話しかけられはしませんでしたが) 
 
夕方、モーリスと居間で会った時に
 
「昼間の番組、どう思った?」
 
と聞かれたので  

「恐ろしいと思った。
 
あんまり酷いから
途中で目を閉じたくなったけど、
知らなくてはいけないことだと思って見てた」 
 
と答え、アンネのことは子供の頃に
母に買ってもらった本で知ったことなども
話しました。 
 
モーリスはユダヤ人でした。 
 
彼はドイツ人の勤勉さや
家を清潔に保つことなど、
ドイツの人たちのことを褒めることも
よくあったのですが、この時、 
 
「このことがあるから、
どうもドイツ人は信用できないんだ。」 
 
と言っていました。 
 
やはり、あのような歴史がある以上、
ユダヤ人として、
その気持ちは消えないのかもしれませんね。
 
今日は少し重い話になってしまいましたが、
別な日に、
わたしがテレビでローレンス・オリヴィエが
ヘンリー5世を演じた、古いバージョンの
「ヘンリー5世」の映画を見ていた時のこと。 
 
モーリスが覗きに来て、
「ああ、やっぱりローレンス・オリヴィエか。
声でわかったよ。

シェークスピア俳優と言われた人だからね。」
と教えてくれたこともありました。  

彼とそんな会話をしたことも
今は良い思い出です^ - ^
 
今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 
 
*997年の英国滞在中、
わたしはアムステルダムの
アンネの隠れ家を見学に行きました。
 
上の写真はアムステルダムの
「アンネ・フランク・ハウス」の
日本語版パンフレットから
お借りしています。

アムステルダム運河と街並み

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