「リヴァプールの恋人」と呼ばれた人
わたしが英国に滞在していた頃、
度々目にしたシラ・ブラック(Cilla Black)
という、テレビで人気の女性司会者がいました。
あったかくてユーモアもある人柄で
ファンも多く、文字通り、
国民誰もが知っているような存在でした。
リヴァプール出身で、
同郷の人を相手に話すときには、
彼女自身も嬉しそうな表情でリヴァプール訛りで
話しかけるのですが、
それが日本の東北弁のような温かさがあり、
「なんだか、いいなあ」
と思って聞いていたのです。
その当時も
「彼女はリヴァプール出身で、
元々は歌手だった」
ことは知っていましたが、
わたしは彼女がどんな歌を歌っていたのかは
知りませんでした。
久しぶりに彼女のことを思い出し、
調べてみてびっくり!
彼女は元々は
ビートルズのポール・マッカートニーとジョン・レノンにデビュー曲を提供された歌手で、
ビートルズのマネージャー、
ブライアン・エプスタインが
マネージメントを引き受けた
唯一の女性アーティストだったのです。
ビートルズとは
同じリヴァプール出身者同士であり、
ビートルズが出演していた
リヴァプールのキャヴァーン・クラブで
彼女はクローク係として働いていたそうです。
The Liverpool City Region LEPという団体の
情報サイトを読んでいると、彼女のことを
`Liverpool sweetheart Cilla Black`
と書いている一節がありました。
シラ・ブラックは、「リヴァプールの恋人」だったのですね。
一九六三年にデビューした時には
大ヒットとはならなかったものの、
その後たくさんのヒット曲を生み出し、
愛される歌手になっていきます。
彼女の曲をYoutubeで何曲か聞いてみたのですが
彼女の最大のヒット曲
「Anyone Who Had A Heart」
(邦題「恋するハート」、ディオンヌ・ワーウィックのカバー)
より、わたしは
「Alfie(アルフィー)」
の方が好きだなと思いました。
(映画「アルフィー」の英国公開版は
シラ・ブラックが歌っています。)
作曲者のバート・バカラック自身が
この曲を彼女に歌わせたがったそうですが、
彼女は当初断ろうとしたとか。
それでもバート・バカラック自身が
英国までやってきて、
1966年に英国・アビーロードスタジオで
この曲が録音されることになるのです。
その時の録音風景がオフィシャル・ビデオに
おさめられています。
表現力豊かに指揮をしつつピアノを弾く
バート・バカラックと
情感豊かに歌い上げるシラ・ブラックの姿を
オフィシャルビデオで見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=glpIgnmKrZc
(別のビデオで彼女自身が
「信じられないくらい難しいアレンジだった」
と語っていましたが、バカラックがより良いものを作ることにこだわり、
完成するまで28、29テイクとったとか)
そんな彼女が、2015年の8月に亡くなっていたことを
知りました。
(www.facebook.com/officialcillablackより)
その時、英国のほとんどの新聞が彼女の死を
一面トップ記事で報じたそうです。
英国滞在時から
すでに20年以上がたっているので
仕方がないことではあるのですが、
当時華やかに活躍されていた方が
亡くなったと知ると
やはりなんとも言えない気持ちになります。
彼女の歌う「アルフィー」、
ぜひ聞いて見てくださいね。
https://www.youtube.com/watch?v=glpIgnmKrZc
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
(レコーディング風景の写真は上記のオフィシャルビデオよりお借りしています。)
*「人生よかったカルタ・こども編」
今回は、「ゆ」、
「勇気がなくてよかった」。
どんな理由でも良いので、
(フィクションでもいいので、)
「よかった」理由を考えてみてくださいね。
わたしの解答例は
「勇気がなくて慎重だったおかげで
十分に準備をして大切な勝負に望むことができたから、よかった。」
あなたはどんな「よかった」理由を考えますか?
ぜひ、聞かせてくださいね。
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