もしあなたに子供がいて、ガンの転移を知ったとしたら・3
人気ラジオ番組、
「ジェーン・スー 生活は踊る」
の7月23日の放送の相談コーナーに寄せられた
ある女性の相談について
数回に分けてご紹介しています。
相談者は中学生のお子さんが二人いる、
40代後半の女性。
パーソナリティーのスーさんは
ご主人のことについて話された後、
相談者さんが心配していた
お子さんたちのことにも触れました。
スーさんは24歳の時に
お母様を亡くしているので
「親御さんを亡くされた子ども」
の立場も実際に体験されているのです。
「お子さんたちのことは、
残された側からすると、大丈夫。
大丈夫じゃなくても、大丈夫。
腹、くくるしかないと思う。
(病気じゃなくても)
『明日、交通事項』にあったらとか思うと、
きりがない。
たとえば、将来お子さんたちが
ものすごく苦労することになったとしても、
それは自分の命のことと関係あるかどうか、
まじでわかんないじゃないですか。
うちの場合は(スーさんのお母さんが亡くなった時)
当時すごく悲しかったけど、
そのことによって
(母が)見せてくれたことがたくさんあるんです。
これが今も存命だったとしたら
私が大人になりきれてなかったこと、
たくさんあると思うし。
例えば病人の人とのお付き合いの仕方だとか
人がこの世を去る時、どういうことが起こるかとか。
父親との関係もめちゃめちゃだったと思う。
母親という緩衝材がいたら、多分話もしないもん。」
スーさんは数年前に
永麻理さんと(永六輔さんのお嬢さん)
対談したことがあるそうです。
「正直、親ってどっかのタイミングで
自分より先にこの世を去る。
(永六輔さんは
2016年に83歳で亡くなりました。)
対談した時に(麻理さんが)
『うちの父は、死んで見せてくれたんです。
死んで見せるのが親の最後の仕事だと思う。』
とおっしゃってた。
『あ、すごいわかる』と思った。
人の死ってどういうことか、
大切な人がいなくあるってどういうことか、
っていうのを
大見得切ってがっつり見せるっていうのが、
親の仕事、っていうのは、とてもよくわかるんです。
それ以外の何でも変えられない行為だったから、あれは。
それがちょっと早くくるか、人より遅くくるかの話なので、
『自分が子供たちに何も託してないから、不安だ』
って思うと思うけど、全然大丈夫です、それは。
『どのタイミングであってもそこから学ぶことはできる』
とお子さんを信じてあげることの方が大事だし。
それで人生うまくいかなかった人も、
たくさんいると思いますよ。
でも、そのせいだけなの?というのもあるし。
そこは信用してあげようよ、お子さんを。
できることだったら、
(答えが出ないことに囚われて不安になるよりも)
物理的なことに集中した方がいい。
この後どうするんだろうと思って
不安になって涙が出てくる気持ちはわかる。
お父さんも亡くしていらっしゃって、
『親子ってなんだったんだろう』と思うと思うけど。
(誰かが亡くなると)
残された人間がタッグを組んだりして、
また人間関係のバランス変わってくるわけです。
そういう流動的な感じを作ってあげられることも、
親の生き死にということだと思うので。
はっきり言いますが、あなたは今、
『(がんが)転移して
このまま私がここからいなくなったらどうなるか』
と思っていると思うけど、
大丈夫、どうにかなります。
そう思って、免疫力を下げないようにして
治療に専念した方が、
結果的に(ご家族と)一緒に長くいられると思う。
旦那さんには手紙を書いて、
『こうしてください、ああしてください』
じゃなくて、
『(自分は)今こういう状況です。
こういう風に(医師から余命については)
心配ないって言われたけど、やっぱり1日に1回は気になってしまう。
多分しばらくはこういう状態のままだと思う。
ただ、治療に集中した方が長くいられると思うので、
安心材料となるものを行動で見せて欲しい。
それは具体的にはこういうこと。
それが見られたら、多分私は大丈夫だと思って
自分の治療に集中できると思うので、
なんとかお願いします。』
それプラス、
『色々と心配だと思うけど、
一緒に手をとって頑張っていこうね』
と手紙に書いたらどうかな。」
これがスーさんのアドバイスでした。
「大丈夫じゃなくても、大丈夫」
の言葉の裏には、きっとお母様を亡くされた後の
たくさんの悲しみや辛さも味わいつつ、
お父様とも衝突したりしながら新たな関係を
築いて歩んでこられたスーさんのたくさんの想いが
込められていたんだろうな、と思います。
ご主人に対する手紙のアドバイスも、正直、
「病に苦しむ人がここまで言うこともなかなか大変なことだ」
とも感じました。
でも、そのように伝えることでご主人の心が動くならば、
結局、そのことで相談者さんが治療に専念できるようになるのです。
なんとか、このかたの気持ちがご主人にうまく伝わりますように。
この番組では毎回アナウンサーの方が
パートナーを務めるのですが、
この日のパートナーの
蓮見アナウンサーは、男の子のいるパパさん。
夫としての立場からの「もしも、そんなことがあったら」
の思いを語ってくださいましたが
それはまた次回に。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
*「人生よかったカルタ・こども編」
今回は、「さ」、
「さびしい物語を読んでよかった」。
どんな理由でも良いので、
(フィクションでもいいので)
「よかった」理由を考えて見てくださいね。
わたしの解答例は
「読み終わって現実にも取った時に
自分はあったかい家族がいてよかった、
と思えたから、よかった。」
あなたはどんな「よかった」理由を考えますか?
ぜひ、聞かせてくださいね。
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