貴重!スイスまで出かけても見られない作品を日本で見られる展覧会
三連休、いかがお過ごしでしょうか。
初日の昨日、わたしは新宿のSOMPO美術館で始まったばかりの
「スイスプチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ」
を見に行って来ました。
10時少し過ぎに着くと、会場にはすでにそこそこの来館者が。
連休初日、ということもありましたが、今回の展覧会がかなり貴重な機会だから、なのかもしれません。
この美術館のコレクションのみの展覧会は日本では約30年ぶりだそうですが、実はこの美術館の作品は、通常ははるばるスイスまで行っても見ることはできません。
というのは、この美術館、1998年から閉館しており、20年以上一般公開されていないのです。
(所蔵作品を貸し出すことはあるのかもしれませんが)
「小さな宮殿」という名前のこの美術館は1968年にユダヤ系実業家、オスカー・ゲーズ氏(1905-1998)のコレクションを公開することを目的に設立されたもの。
美術館HPによると、彼は1950年代に相次いで家族を亡くしたことをきっかけに美術作品の蒐集するようになったそうです。
そして、ユダヤ系である彼は「2度の世界大戦を経験して、波乱に満ちた人生」を送ったため、この美術館は活動の基盤として「平和に奉仕する芸術」という信条を
掲げているのだとか。
今回の展覧会には
「誰もが知っているような有名な目玉作品」
はないのですが、風景画や家庭の一場面を描いた作品など、見ていて心が静かに、穏やかになる作品が多かった気がします。
写真はこの展覧会のちらしのもの。
表紙になっているモーリス・ドニの「休暇中の宿題」(最初の写真)は、お揃いの洋服を着た三人姉妹と優しく見守るお母さんの眼差しがあたたかい。
アンリ=エドモン・クロスの「糸杉のノクチューン」は姿の見えない月に照らされた水面の静かな光や青の色合いが美しい。
スフィンクスを持ち上げているジャン・メッツァンジェの「スフィンクス」
はなんだかユニークで楽しいし、スタンランの「猫と一緒の母と子」で女の子が顔を洗えるくらいの大きなカップからホットチョコレート?を飲もうとしている姿にも惹かれます。
また、チラシの写真にはありませんが、ラウル・デュフィの「マルセイユの市場」は明るい陽の光の中で野菜や果物が売られている活気のある市場の様子で、
「ああ、また海外旅行に行きたいな」
という気分に。
そして、様々なタイプの作品の中で今回はひときわ点描画法の作品群に心惹かれました。
特に、雪景色を描いたアルベール・デュボア=ピエの「冬の風景」は点描画法だからこそ感じられる雪の質感や冬空の色合いなど、道産子のわたしにはとても懐かしく感じられました。
展覧会は、まだ始まったばかり。
でも、うっかりしているといつの間にか見逃してしまうのが展覧会。
興味のある方は、忘れないうちに、お早めに。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。