休日は目黒で美術館をはしご
2月23日の祝日は暦通りに休むことができ、お天気も良かったので、目黒に出かけました。
最初に向かったのは、これまで行ったことのなかった「松岡美術館」。
貿易その他の事業で財を成した松岡清次郎(1894-1989)が創設した美術館です。
それは、個人で収集していた美術品を
「第一級の美術品はずっと後世に残る。
自分が集めたものを、未来の人々に鑑賞してもらう、これがわたしの夢」
という思いで一般に公開するためでした。
最初は自社ビルの中にあった美術館は今、彼の自宅があった白金台にあります。
古代オリエント美術品から現代彫刻まで収蔵品の幅が広く、エジプトのミイラが収められる彩色木棺まであるのに驚きました。
わたしの今回のお目当ては先日始まったばかりの「美しい人びと松園からローランサンまで」。
わたしは上村松園の絵が大好きなのですが、今回のポスターにも使われているのは松園の「春宵」。
はらりと桜の花びらが舞い落ちる下で華やかな装いの芸妓に貝髷(巻貝のような形の髷)の年上の女性が何か囁いています。
聞いている芸妓の優しげな顔を見ていると、何か嬉しいことだったのでしょうか…
そして、伊藤小坡の作品も2点展示されていました。
「ほととぎす」という作品は絵の中にほととぎすは描かれていないのですが、その声を聞いて振り返る蛇の目傘を手にした女性の一瞬の表情、その体の動きも感じられて見ほれてしまいました。
(本当はこの作品の絵葉書があれば欲しかったのですが、残念ながらありませんでした・・・)
また、今回の展覧会で初めて松室加世子という画家の作品に出会ったのですが、ご存知でしたか?
昨年1月に亡くなったとのことで、追悼として、桃山時代のキリシタンをテーマとした「竪琴」「燭光」の2作品が並べて展示されていました。
(同時展示は初めてなのだそうです)
撮影シェアOKなので(この展覧会では全てではありませんが、撮影可能な作品もありました)撮影させていただきました。
「燭光」は明智光秀の三女、細川ガラシャと彼女をキリスト教へ導いた侍女の清原マリアを描いた作品。
この方は他にもこの時代を題材にしたキリシタン連作を残しているそうですが、ルネサンスの雰囲気と安土時代の豪奢な着物など独特の荘厳な雰囲気がありました。
また、松岡清次郎が長女の初節句のためにしつらえたという御殿飾りのひな人形も展示されていたのですが、三棟造りの文字通りの「御殿造り」。
お道具のひとつひとつも見事でした✨
この美術館の近くには東京都庭園美術館もあり、「ぐるっとパス」でここにも立ち寄ることに。
「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」
という展覧会は1910-1930年代の機能主義に基づく「モダニズム」と装飾のすることに価値を置いた「モダニティ」の作品を取り上げたものでした。
食器、家具、洋服など様々な形の和洋の作家の作品は、庭園美術館の建物とも相まって、上品で、美しくて。
「モードの帝王」、ポール・ポワレのドレスやデザインもあり、見惚れることしばし。
館内には子供用のわかりやすいパンフも用意されていて、大人が見ても面白いものでした。
庭園美術館はもちろんお庭も素晴らしく、梅も美しく咲いていました。
近くの公園では桜も咲いていて、美術品だけでなく、春のお花も楽しんだ1日でした🌸
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。