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「子どもに英語を習わせたい」の違和感の正体。

こんにちは。Little Readers Clubという屋号で活動しているユウキと申します(法人登記準備中)。

英語圏で広く実施される「ガイデッド・リーディング(Guided Reading)」という、絵本を使った英語のリーディングの指導法を日本での教育に取り入れるべく活動を行っています。

上↑のような活動をしていますし、前回投稿にも記載した通り、私は幼少期から子どもが英語を学ぶことは大切だと思っています。しかし、「子どもに英語を習わせたいんだよね」という保護者さまの話を聞くと、違和感を覚えることがあります。色々な方とお話をしてきて、私にとってこの違和感の正体が凡そ何なのか、わかってきました。小さいお子さまがいて、英語を習ってほしいという方には、ぜひご自分はどうか?考えて頂きたいです。


本当に「ネイティブレベル」の英語は必要なのか?

まず、惜しみなく教育費用をお子さまに掛けている保護者を批判する意図は全くありません。それはお父さまお母さまが血の滲む努力でお仕事をされている結果であり、誰にでもできることではありません。特に英語教育は高額になる場合が多いです。ただ、だからこそ、どの程度のレベルの英語力を付けさせたいと整理されているのかが、とても重要です。
もしも「将来仕事で困らないレベルの英語力」であるならば、「将来仕事で困らないレベル」とはどのレベルのことを言っているのか、もう少し解像度を上げてみる必要があります。

例えば、「Non-nativeとしてグローバルに仕事をするレベル = TOEICでいうと860点以上」であるのであれば、幼少期から英語教育に力を入れる必要は全くありません。ビジネス英語は相手もこちらも同じ目的で会話をするため(契約交渉や信頼関係の構築など)、相手も聞く姿勢になりますし、決して難しくありません。

私自身、ド田舎の出身で英才教育は受けておりませんが、仕事で米英企業とは難なく会話してきましたし、世界最高峰の学術機関の1つであるLSE(ロンドン大学)で修士号も取得しており、多少の英語力はあると思っています。
一方、先日、学力テストで中学3年生の英語スピーキングテストの正解率が1割(且つ6割は0点)だったことが話題となりましたが、私が中学3年生で同じ問題を受けていれば、恐らく0点だったと思います(今回の学力テストの結果については、学校でアウトプットの仕方を教えていないなら、さもありなんという感じがしますが。。。)。
私が本格的に英語を勉強し始めたのは高校の時の短期留学がきっかけですが、それくらいの年齢からスタートしても、「Non-nativeとしてグローバルに仕事をするレベル 」を目指すなら、何とかなります。

一方、もし「Nativeと渡り合えるレベル」を目指すのであれば、TOEICどころの話ではなくなってきます。インターナショナル・スクールに入学する、早期に現地へ留学させるなどの準備が必要になるかもしれません。

お子さまの意思を置き去りにしていないか?

いずれのレベルを目指す場合においても、お子さま自身がそのレベルを目指すことに意味を見出しており、英語の勉強にやる気があるなら全く問題ありません。しかし、保護者の方が「英語ができないと将来やっていけなくなるから、やらせなきゃ」と先回りしてしまっているのであれば、一旦立ち止まって考えて頂きたいです。
上記の通り、「Non-nativeとして仕事で困らないレベル」であれば、幼少期に無理に習わせる必要はありません。立ち止まって考えた結果、今のこの年齢なら、英語ではなく音楽をやらせようとか、スポーツをやらせようとか、はたまた親子の時間を大事にしようとか、、繰り返しとなりますが、英語教育は得てして高額になりがちなので、もっと有効な時間とお金の使い方が見つかるかもしれません。

「Nativeと渡り合えるレベル」を目指すのであれば、何のために目指すのか?を明確にする必要があります。ちなみに、私がネイティブレベルではなくて困ったな・・・と思ったのは、「ロンドンの公園で90歳くらいのおばあちゃんに話しかけられた時(発音が不明瞭でほぼ聞き取れず)」くらいです。

前回投稿にも記載しましたが、英語は何らかの目的を達成するためのツールにすぎません。そして、私はこの目的を「多様な価値観に触れ、自分なりの考えを醸成すること」だと思っています。これは私個人の意見であり、目的は多種多様であっていいと思います。
TOEICや英検などの資格取得を目標とすることも、もしそれがお子さまの興味なのであれば、コツコツ計画通りに勉強する力や物事を達成する力が身に付きますし、それはそれでいいのではないかと思います。重要なのは、何を目標にやっていくのか、その目標はある程度の解像度で見据えているものなのか、をしっかり考えることだと思います。

余談ながら・・・やはり私は「自分なりの考えを醸成すること」が一番大事だと思っています。

上記した中学3年生のスピーキングテストで、特に正答率が低かったのは「プラスチック製のレジ袋を売るのをやめ、エコバッグを導入するべきだ」と主張する発表を聞き、それに対する自分の考えと理由を述べる問題だったそうです。正答率は4%程度だったとのことでした。
この問題を、7歳娘(イギリス育ちの英語ネイティブ)に出題したところ、以下の答えが返ってきました。

プラスチック製のレジ袋を売るのをやめ、エコバッグを導入することに賛成する。理由は、
① プラスチックによる汚染などの環境問題への解決策になるから
② エコバッグは入る容量が限られているため、無駄な買い物をしなくて済み、結果として節約にも繋がるため自分にとってもいいことであるから

(音声を取っていればよかった、、)

この回答をプロが見たときに、どう採点するのかは私にはわかりません。恐らく、文法のミスがないかどうか、簡潔な表現をしているかどうかとか、総合的な判断となるのでしょう。しかし、私は(手前味噌でありますが、、)7歳という年齢で自分の意見をまとめて言えること、しかも出題されて間髪入れずに回答できること に大きな価値を感じます。これは、日ごろから考える癖がついているから出来ることです。そしてそれは、自分のアンテナを広く張っている結果であり、このアンテナを広く張るということのためにも、英語力を身に付けることは重要なのではないかと思うのです。

おわりに

またもや超長文になりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

これからもつらつらとではありますが、英語教育に関する考えや思いなどを書いていきます。どなたかの何らかの参考になったら幸いです。

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