ファスト&スロー(上)についての記録
少し前のことになりますが、「ファスト&スロー あなたの意思決定はどのように決まるか?(上・下)」を読み終えました。この本は今話題の行動経済学という学問の大家であるプリンストン大学名誉教授ダニエル・カーネマン氏の著書です。
経済学という言葉から「色々数字を扱ってそうで難しそう」「堅苦しそう」などとっつき辛い印象を受けるかもしれませんが、(私は受けましたが)意外と大丈夫でした。というのも、行動経済学というのは言ってしまえば心理学の知識を経済学に応用しませんか運動から生まれた、わたしたちの実体験に結びつけやすい学問だからだと思います。
前提として、経済学では人間を合理的主体としてモデリングしています。
つまり、人間はどんなときでも、自分の得が一番大きくなるように行動するという前提で、色々な理論を考えているということです。それに対して心理学者達は「人間そんなに合理的じゃなくね?だって〇〇〇とかするじゃん。」と言い出し、〇〇〇にあてはまる人間の非合理的な行動の例をたくさん挙げ、実験に実験を重ね科学的な裏付けを取り、経済学者に「ほら、やっぱり経済学間違ってるやんけ!」とドヤ顔で叩きつけるという行動に出たのです。
これらの心理学者が行った実験、〇〇〇の例をまとめ、学問として体系化されたのが行動経済学です。今では一つの学問として地位を得ていますが、心理学者と経済学者の間での壮絶な議論の末、つい最近成り立った学問です。
どの分野にも言えることですが、そのような科学者同士の論争の歴史を踏まえた上で学ぶと、学問はより血が通って見えて楽しいです。私も趣味で学んでいる身ではありますが、人間として生きている以上学ぶことはある種義務であり仕事です。
本書は本屋で平積みされ「東大生が一番読んだ本!」として売り出されていますが、実際に読んだという人があまり周りにいないので、本書について実生活に活かせるレベルのものに落とし込んで記録しておこうと思います。もしご興味ありましたら読んでいただけると大変うれしいです。
続く
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