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第95回 “ネーミングのセオリー”に乗っ取ってつけたタイトルが『夢と金』だった

今日は『やっぱ、タイトル(商品名)って大事だよね』というテーマでお話ししたいと思います。

タイトル(商品名)って大事

2022年の末に「『夢と金』を出します(というか、これから書きます!)」と発表した後、すぐに、『バカとつき合うな』(徳間書店) の担当編集者さんから、こんなLINEが飛んできました↓
#勝手に晒してごめんなさい

「久しぶりの新刊ついに出た!

『夢と金』めちゃくちゃいいタイトルですやん!

絶対このままのタイトルでいってください!!

刺さるし、かっこいいし、シンプル、、、最高のワーディング!

これがベストだと思います!

西野さんのパーソナリティと、現代性、普遍性を考えても。

このワーディングで訴求できるのは西野さんしかいない!

しかも、ポップでロマンティックで現実的で、40歳代以下、すべてリーチできる響き。

このタイトルめざして原稿かためるべき。
ぜったい当たる。断言しますよ、僭越ですが!」

…ちなみに普段から頻繁にLINEをする間柄でもなく、突然、この熱量のLINEが飛んできました(笑)。

このLINEを見ていただいて分かるとおり、プロの編集者は『夢と金』の内容を一文字も知らないのに、『タイトル』の時点でヒットを確信しているんです。

ちなみに、こんまりサンの夫でありプロデューサーの川原卓巳サンも、出版前から「日本で、このタイトルで書ける作者は西野亮廣しかいない!」と、やはりタイトルにスポットを当てられていました。

このお二人だけではなく、『夢と金』というタイトルを発表した時に(出版の4ヵ月前に)、多くのプロが「ヒット」を確信していました。
#タイトルの感想をたくさんいただいたんです

「構え」を見たら強いか弱いか分かる武道の達人のように、プロは「タイトル」でおおよその結果が分かるみたいです。

ちなみに、堀江貴文さんが刑務所から出てきて最も注目が集まっている時に、『ゼロ』という本を出されたのですが、その本の発売前に秋元康さんから、「このタイトルだと50万部だな」と指摘され、そのとおりの結果になったそうです。
#すごいね

それぐらい「タイトル(商品名)」と「結果」は紐づいているものだから、「タイトル(商品名)を決めるときは本気にならないとダメだよね」という話です。
※ちなみに『プペル』という名前に決めるまでには数ヵ月かかりました。

タイトルの決め方 ①

さて。
とは言うもののタイトル(商品名)って、どうやって決めたらいいのでしょうか?

どこから考えていけばいいのでしょうか?

これには、いくつかの方法があって、その中から今日は2つ紹介します。

まず、一つ目は「撞着語法(どうちゃくごほう)」です。
…あまり聞きなれない言葉です。

ドウチャクって何?

これは「オクシモロン」と言ったりもしますが、要するに「筋の通らない言葉(相反する言葉)を組み合わせて別の意味をもたせる技法」のことです。

「急がば回れ」「負けるが勝ち」「小さな巨人」「生ける屍」など。

タイトル(商品名)でいうと、『もののけ姫』や『ホームレス中学生』や、あとは『にこにこぷん』もそうか。

ちなみに、この技法を教えてくれたロザン菅さんが出したヒット作が『京大芸人』です。
#シリーズ累計35万部

『もののけ姫』のタイトルは、元は『アシタカせっ記』だったのですが、鈴木敏夫さんが強引に『もののけ姫』に変更したそうです。
#絶対にもののけ姫の方がイイ

詳しい理由は分かりませんが、僕らは細胞レベルで「相反する言葉が並んでいるのに、シックリきてしまう違和感」に反応してしまうのでしょう。
#シックリくる違和感

もうお気づきかもしれませんが『夢と金』も、この技法です。

つまり、思いつきでつけたタイトルではなくて、“ネーミングのセオリー”に乗っ取ってつけたタイトルが『夢と金』だったんです。

タイトルの決め方 ②

「タイトル(商品名)の決め方には、こんな方法があるよ」の二つ目は、『タイトルで商品の説明をしちゃう』です。

有名なところだと…

『もしな高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』や、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』や、『転生したらスライムだった件』など。

『キンコン西野のサイン本屋さん』もそう。

もともとは『おとぎ商店』だったのですが、『キンコン西野のサイン本屋さん』に改名した瞬間に売り上げが2〜3倍になりました。

タイトル(商品名)を付ける時に僕らはついつい「シュッとした名前」をつけてしまいますが、それはやっぱりサービス提供者側のエゴでしかなくて、お客さんからすると「それって、どんな商品なの?」でしかありません。

おかげで都度都度商品説明をしなきゃいけなくて(このコストはハンパねぇ)、挙げ句、「説明している間にお客さんを逃がしてしまう」が多発している。

ならばいっそのことタイトルで商品内容を全部言っちゃった方がイイ。

…この「教え」は部屋に貼り紙をするか、おでこにタトゥーを入れて、“オシャレな名前をつけようとする自分”を常に牽制しておいた方がイイと思います。

ちなみに、先日「健康と美容とダイエットのオンラインコミュニティーを作りたい」という話をしていましたが、

そのオンラインコミュニティーの内容を説明しているうちに、「いや、この説明を都度都度やらなきゃいけないコスト、エグいな!」となり、

健康と美容とダイエットのオンラインコミュニティーの名前を…

『みんなのダイエット報告部』

にしました(笑)。

活動内容が明確でしょ?

皆さんがタイトルを付ける時の参考にしてみてください。

ちなみに、『みんなのダイエット報告部』はスタートしています。
#思い立ったが吉日

現場からは以上です。

西野亮廣

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