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第92回 夢の値(ラグジュアリー度)を出す計算式は「認知度―普及度」

『夢と金』に書いたのは全て「2023年の仕事の現場で起きていること」です。

さて、「たくさん売ることで失ってしまうもの」とは?

「プレミアム」と「ラグジュアリー」は全然違う


環境のせいにするのは好きではありませんが、「環境がモノを言う」というのは確実にあって、その中でも「先生ガチャ」のようなものはあると思っています。

良い先生に出会えるかどうかで、その後の人生の開き方が変わってくる。

ちなみに僕の中で「自分の学校にいて欲しい先生ランキング」の1位は、リクルート出身で、杉並区立和田中学校校長、奈良市立一条高等学校校長を務められた教育改革実践家の藤原和博さんです。

藤原先生の「『100万人に1人』の存在になる方法」というのが超面白いので、是非、調べてみてください。

これ、堀江さんとかも影響を受けていたと思います。

その藤原大先生が僕の最新刊『夢と金』を読んでくださったみたいで、先日、こんなツイートをしていたんです。

「西野亮廣『夢と金』。
これは『新時代の経済改革ルール』の書だ。
高校生は実体経済を知らない先生から公共で教わるより、こっちを読んだ方がいい。
私立では遠慮なく教科書として使っていいし、東大の経済学部でも『夢と金』講座あるべし。

教育改革実践家・藤原和博」

本当にありがたく、身に余るお言葉ですが、ただ自分で言うのもアレですけども、僕が『夢と金』に書いたのは全て「2023年の仕事の現場で起きていること」なんです。

今日は、先日発売となった『夢と金』の第1章「富裕層の生態系」から、「ラグジュアリー」について書いたページをピックアップして、深掘りしたいと思います。

本に書いたのは「プレミアムとラグジュアリーの違いを言語化して、頭に叩き込んだ方がいいよ」ということ。

おそらくほとんどの人がこの違いを言えない。

結論、「プレミアム」と「ラグジュアリー」というのは全然違って、「プレミアム」というのが「競合がいる中のNo.1商品(上位商品)」で、「ラグジュアリー」というのは「競合がいない商品」のこと。

この違いはそのまま価格にも表れていて、「競合がいる商品」はお客さんが他の商品と比較して選ぶわけだから、結論、商品の値段を決めるのはお客さんになる。

一方で、「競合がいない商品」というのは、お客さんが他と比較しようにもできないから、極端な話、売り手の言い値になるわけですね。

「プレミアム商品」の値段を決めているのはお客さんなんだけど、「ラグジュアリー商品」の値段を決めているのは売り手なんです。

だから、ここに価格の差が大きく出る。当然、「ラグジュアリー」の方が高くなる。

「価値をつけて売る」ことを考えなくてはならない


ここから「ラグジュアリーの作り方」の話になるわけですが(詳しくは本を読んでください)、『夢と金』では、「ラグジュアリー=夢」としているんですね。


で、夢の値(ラグジュアリー度)を出す計算式というものを紹介しているんですけども、それが「認知度―普及度」です。


この値が大きければ大きいほど、夢(ラグジュアリー)と呼ばれるものになる。


計算式でピンとこない人に向けて、言葉で説明すると、夢(ラグジュアリー)というのは「誰でも知っているけど、(ほぼ)誰も手に入れていないモノ」です。


『夢と金』の深堀りはココからです。


たとえば、3000人のファンを抱えているアイドルがいたとする。

そのアイドルは、CDを出せば毎回確実に1000枚は売れる。

すんごいドンブリ勘定ですが、そのCDの販売価格が1000円で、制作にかかるコストが500円だとする。

つまり、1枚売れたら500円の利益が出る。

そうすると、CDを1000枚売ったら、「1000枚×500円」になるので、このアイドルがCDを出した時の利益は「50万円」。

大体、みんな、コレをやっちゃう。

ここにラグジュアリーの考えを入れるとどうなるかというと、CDは1枚しか作らないんです。

音源はYouTubeで全編流すけども、CDは1枚しか作らない。

3000人がそのCDのことを知っているんだけど、持っているのは一人だけ。

つまり、「誰でも知っているけど、(ほぼ)誰も手に入れていないモノ」です。

このCD、いくらで売れると思います?

60万円で売れるかもしれないし、下手すりゃ、100万円でも売れるかもしれない。

このアイドルに将来性があったら、投資家なら秒で買うでしょう。

「買っといて、価値が上がった時に売る」と考える。

ちなみに、1000枚売ってしまったら、投資家の好物である「転売価値」は生まれない。

アイドルとして活動を続けていくには予算が必要です。

今、自分達が置かれている状況(ファンが3000人)の場合、「1000枚売った方がいいのか?」それとも「1枚だけ売るのがいいのか?」…ここを考えられるようになった方がいい。

多くの日本人は「たくさん売ること」しか頭にないけど、これからは「価値をつけて売る」ということも考えていかなきゃいけない。

『夢と金』の第1章では、「富裕層はどんな生き物で、何を望んでいるのか? それに対して僕たちはどうサービスを提供していくのか?」ということを事細かに書いています。

生きていく上で絶対に必要になってくる知識なので、まだ『夢と金』を読まれていない方は直ちに読んでください。

そして、読まれた方は大切な人(守りたい人)にこの本をプレゼントしてください。

今日は「たくさん売ることで失ってしまうもの」というテーマでお話しさせていただきました。

西野亮廣

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