青森県田子町に移住して思うこと①
田子町に移住してきたのは2020年3月。
今年で4年目です。
だんだんと田子町の文化・慣習にも慣れてきたので、移住してきた時の初心を忘れないために、ここがすごいよ田子町と私が思うところを書き連ねていこうと思います。
もし北東北に移住を考えている方がいたら、田子町は本当におすすめです。
読んでいただけたら伝わるかなと思いますので、ぜひご一読を。
その前に、私が今までどういった環境で育ってきたか、どんな場所で生活してきたかというバックグラウンドを少しご説明します。
幼稚園の年少までは秋田にいましたが、その時の記憶はほとんどないので割愛。
年中から大学卒業まではずーっと岩手県盛岡市に住んでいました。
自宅は盛岡市郊外の住宅地にあり、畑も田んぼも一切ないニュータウン。
あるのは空き地と公園と、ダム。笑
山もすぐ近くにあるので、意外と遊びは野性的。
秘密基地ごっことか渇水してるダムに降りて探検したりとか。
あとは道路で鬼ごっこしたり自転車で競争したり、アリの巣に水を流し込んだり公園の水道で水風船をしこたま作って遊んだり。
(今考えるとぞっとするような遊びばかりで、寛大な親が多かったなぁと思います😅)
小学校は私が1年生として入学する際に開校され、当時は全校生徒1000人を超えるマンモス校。
中学校もすぐ近くにあり、小学校のメンバーがそのまま持ち上がり。
盛岡市内の高校へ進学。
なんやかんやあった大学も盛岡市内でした。
青春時代の20年以上をずーっと狭い世界で生きてきたのであります。笑
就職後は4年間岩手県奥州市の水沢という所に住んでいました。
野球に詳しい方ならピンとくるかもしれませんが、そう!あの大谷翔平選手の地元なんです。
当時仕事を辞めずにいたら、我が子は大谷選手の後輩になっていたことでしょう😆
こんな人生の背景を持つ私が感じる田子町のいろいろを書いていきたいと思います。
移住してびっくりしたこと7選
まずはこの話題から。
移住して驚いたこと!!厳選7つ!!
①ケーブルテレビ
秋田県ではテレビのCMだかで、地元の小中学生が修学旅行に行くと「今日は○○を訪問して○○という活動をしました」みたいな内容が放送されると聞いたことがありますが、その比ではありません。笑
ほぼ毎日、田子町民の、田子町民による、田子町民のためのテレビ放送があるんです!!笑
最初は何だこの番組??と思っていましたが、4年も住んでいるとだんだんとケーブルテレビに映る人にも知っている人の数が多くなり、「大久保さんこないだテーシーブイさ入ってらよ!(テーシーブイ=TCV=田子ケーブルテレビ。入ってる=映ってる)」と声をかけられたり、自分の子が映っているのを見たり。
気づいたら毎週録画にして保存してたりするんですよね。笑
保育園のちょっとした行事にも取材に行ってくれるので、子供が映ってるのを探すのが楽しい楽しい。
「○○保育園うんどうかい」とか「○○小学校1年の歩み」とか、1~2時間の枠でがっつり放送してくれたりして。
学年の違う他所の子供たちの成長も見れるので、「あの時年長さんだった子がもうこんなに大きくなってる」などと勝手に成長を喜べたりします。😁
卒園の時期には「小学校でなにを頑張りたいか」を園児一人一人にインタビューしたり、成人式の時期には成人一人一人に抱負をインタビューしたり。
町の情報も多く放送していますが、子供たちのトピックが多いのを見ていると、子供たちの成長を町民みんなで喜び見守る文化があるのだと思いました✨
もしかしたら、よく言えば「見守られている」、これを窮屈に感じるタイプの人もいるのかもと思ったりもします。
住んでいる場所や年齢、名前も顔もばっちり分かってしまうので、プライバシーがないと思う人もいるかもしれない。
私は、町民一人一人にスポットが当たっていいなぁと思うんですけどね😊
誰でも主役になれる、とまではいかないかもしれないけど、「誰ともかかわらずひっそりと暮らし誰にも知られず死んでいく」みたいな状態にはなりづらいのかなぁと。
私が小中学生の時は、テレビに映ることなんて自分でも同級生でも経験がないし、それこそ映ったら録画してダビングして皆に配るくらいのお祭り騒ぎになっていたと思います笑
田子町の子供たちは、テレビに映り慣れていて、みんなカメラが来ても堂々としています😁
…それにしても、町の話題だけで1週間持たせられるのがすごいよ、TCV!
②役場や図書館の職員の方が名前と顔を覚えてくれる
1回訪問するだけで顔と名前を覚えてくれます。笑
これに関しては、田子町出身の夫の同級生やその親など、近しい関係の方が職員として働いていることが多く、「大久保さんの奥さん」みたいな紐づけで覚えてくれたところもあると思うのですが。
(いやそれでも夫も中学生までしか田子にいなかったんだけど…笑)
名乗る前に「大久保さーん」と呼ばれたりして、びっくりしますが結構便利(?)です。
用事を済ませるために立ち寄ると、「この間の書類できましたよ」という具合に違う課の職員さんが話しかけてきてくれたりして。
人口5000人の町だからこそできる対応だと思います✨
町の職員と町民の距離感が近いのもいいなぁといつも思います😊
③星空がいつ見ても綺麗すぎる
これは写真を見てもらえれば納得だと思うのですが。
この写真、よく合成だと間違われるんですよねー。笑
合成でも何でもない、takko photoさんに撮ってもらった家族写真です。
星空指数が高い夜に撮りに行けばこの通り。
写真屋さんに撮っていただいたものなので露出とかその辺は多少いじってあるとは思いますが、こんな感じに見えます。
天の川は晴れていればいつでも見えます!
この撮影場所のロッジカウベルも、光源がなくて星空がよく見える場所なのですが、町内でも普通に!綺麗に!星空が見えちゃうんですよ。
そこがすごい。
仕事の帰り道や家の窓から、毎日満天の星空を満喫できます。
新婚旅行でハワイに行ったとき、マウナケア山頂(すばる望遠鏡があり天体観察に適した場所)での星空観察ツアーに行ったんですが、正直に言うとその時のツアーと同じくらい星が見えるんじゃないかっていうくらい。
あの時の高額ツアーは何だったの?と後悔させるくらいの田子町の星空。笑
定期的に星空観察会が開かれているものの、もっとこの星空が評価されてもいいのではと思ってしまいます😂
(以前、星空日本一に選ばれていました)
ハワイやオーストラリアで行った星空ツアーに負けてないぞ!!
田子町でも星空だけで人を呼べないかなぁ。
おまけでもう一枚。
ロッジカウベルの後ろに映るのは大黒森です。
この大黒森、昔からUFOがよく目撃されてるらしくて。
この写真を撮った時、ちょうど流れ星が撮れたねって喜んでいたのですが、現像して大きな写真にしてもらった時にびっくりしました…
④意外と雪事情で困らない
青森県と言えば豪雪地帯。
そんな中でも田子町なんて、いかにも雪深そう!雪事情が大変そう!
そういうイメージを持つ方も多いと思います。
で す が !
盛岡出身の私からすると、田子町の雪は全然余裕です。笑
(全町民を敵に回しそうで怖い…)
なぜ余裕なのかを、盛岡の雪事情と比較しながら詳しく説明していきたいと思います。
この雪事情の詳しい説明は、雪の降らない地域から移住を考えている人にとってはなかなか想像しづらい点ではあると思いますが、移住を考える上では超重要ポイントかと思いますので、ぜひ一読いただければと思います。
まず第一に、田子町は除雪作業が早い&上手いです。
雪が降ったら、朝の通勤通学時間には道路に雪がないように除雪していてくれます。
なので、雪にタイヤを取られて進めなくなっている車などに遭遇することはありません。
少なくともこの4年間ではそういった場面に出くわしたこともなければ、そういう危険がありそうな路面状況もありませんでした。
田子町は林業やブロイラーなどの大型トラックが行き来することが多く、そういった関係もあって除雪が早い&上手いのかなぁとも思ったりします。
車も多くないので、除雪作業を妨げるものがないことも除雪が早い一因かもしれません。
雪が降るたびにきれいに除雪してくれるので、道路の雪が解け切って道路が見えていたり、アスファルトが乾いていたりなんていうこともよくあります。
田子町内を運転していて雪や氷でスリップしたことはないですね。
除雪業者さんも田子町の道路に精通しているのか、道路のキワまで攻めて除雪してくれるので、歩行者の幅も確保されているしとっても運転しやすいです✨
盛岡ではこうはいかないんですよぉぉぉ😭
まず盛岡市が広すぎて、自分の家まで除雪車が来るまで時間がかかる。
除雪車が来るまでに通勤通学の車が雪の上を通るので、道路の雪が圧雪される。
車に踏まれて圧雪された雪はつるつる滑ります。
車が多くて毎朝毎晩渋滞するので、ノロノロ運転の車の熱で圧雪された雪が解け、夜に凍ってブラックバーンになる。
翌朝、車やバスがブラックバーンで横滑りして道路封鎖、さらに渋滞、また車の熱で雪解けて、表面だけ水で下は氷という最も滑りやすい路面になり、アクセル踏んでもブレーキを踏んでもタイヤが滑って、周りの車も横滑りや坂を登れず立ち往生、交差点ではブレーキ踏んで滑ってそのまま反対車線に突っ込む、という地獄絵図になるんです。
毎年毎年、この地獄絵図を1回は見ます。
(私もブラックバーンになる時期に、下り坂の緩いカーブでブレーキを踏んで1回転、街路樹に激突して車を大破させたことがあります…)
そして忘れたころに除雪車がやってきて、除雪してくれるのはいいものの、氷を削り取っていくのでまたツルツルになるんです😭
そしてその削り取られた氷の塊が道路の脇や家の駐車場の前にこんもりと…。
歩行者には邪魔だし危ないし、老人世帯には氷の塊を移動するだけでも大変そうです。
一度大雪が降るとそのシーズンずっと路面状況が安定しない盛岡…。
この路面状況を何年も経験して痛い目にも合っているので、これに比べたら田子町の路面状況は全然余裕で、本当に助かっています✨
そして第二に、田子町の雪はパウダースノーなので雪かきがラク!!
これは移住前はまったく予想していなかったポイントでした。
冬はほとんど毎日雪かきをしなければいけないのですが、さらっさらの雪なので力仕事に入らない。笑
ほうきで掃けるような、軽い雪なので毎日雪かきしても疲れません。
スノーダンプを押して歩けば、はい雪かき終わり。
風に吹き飛ばされて雪かきする必要がない日もあります。
さらさらすぎて、雪合戦をしたりかまくらを作ったりできないのが難点です。
盛岡は雪重いんですよね~😭
青森でも日本海側は重い雪なのではないでしょうか。
盛岡はどちらかと言えば太平洋側の気候ですが、雪は重めです。
なので、雪かきは本当に重労働です。
スノーダンプなんてすぐに重くなって動けなくなるので使ったことがありません。
スコップでえっさほいさとかき分けていくのですが、30分もやったら翌日は筋肉痛、関節痛です。
湿った雪なのでかまくらや雪だるまづくりには最適。笑
豪雪地帯と言われるところに移住を考えている人は、雪の量だけでなく雪の質もぜひチェックしていただければと思います。
⑤風がものすごく強い
パウダースノーが吹っ飛んでしまうほど、風が強いです。笑
特に冬から春にかけての風はヤバい!
牛舎のある場所が特に風が強くて、牛舎から外に出るのに命の危険を感じるほど。😅
目も開けられないくらいの強風の日が1週間に1回くらいあります。
春も、5月のGWが過ぎるまでは風が強いです。
畑や家庭菜園で野菜の苗を植えるのも、5月の中旬以降でないと苗が風で折られてしまいます。
この風の強さも、移住前は予想していませんでした!
6月に入るとあらびっくり。
厳しさむき出しだった風が、暑さを和らげる優しいそよ風に。
11月くらいになるとまた厳しさを見せてきます。
⑥花を綺麗に植えている家が多い
ただ植えているんじゃないんですよ、これが。
皆さん花の時期を熟知していて、一つの花の時期が終わる頃には次の花が咲くように植えてるんです。
家の周りだけでなく、畑の横とか道路沿いに綺麗に植えています🌸
移住してすぐの頃、フクジュソウから始まり、チューリップ、スイセン、サクラ、藤の花、アヤメ、ツツジ、ユリ、ヒマワリ…と一つの庭の一角から次々に途切れなく様々な花が咲くのを見てとても感動しました。
これが特定のお家の庭でなく、町中の庭や畑で見れる光景であることにさらに驚きました!
長い冬を越えてやっと春が来た!と、春から夏にかけての季節をめいっぱい楽しんでいる感じがしていいなぁと思います。
私も毎年楽しませてもらっています♪
⑦謎に国際色豊か
英語を話せる人が多くてびっくりしました。
にんにくつながりで(?)アメリカのギルロイ市と姉妹都市になっているようで、ギルロイ市との交流がよくあるみたいです。
町主催の英会話教室が子供向け・大人向けに開催されていたり、コロナで縮小されているものの交換留学があったり、オンラインでギルロイ市の学校との交流があったり。
姉妹都市との交換留学、これは私がいた盛岡の中学校でもありました。
ただ、留学に行ける生徒の枠が狭すぎて、私は留学に希望していたのに行けなかったんですよね~😭
まず倍率が高い。
1学年200人弱の生徒で、その中で行けるのは5人ほど。
5クラスなので、暗黙の了解で1クラスに一人です。
志望理由書を書かされるのですが、「なぜ英語を学びたいのか」「将来英語をどう仕事に生かしたいか」など、事細かに聞かれます。
今なら「獣医師として海外でも知識や技術を習得したい」なんて口から出まかせがすぐに思い浮かぶのですが、笑
当時中学生の自分は今では考えられないくらいマジメだったので、志望理由書に適当なことを書くなんてできません。
中学生の時には獣医になりたいという目標があったので、「将来、英語を絶対に使う職業に就かないと留学希望なんてしてはいけないんだ」と勝手に決めつけ、断念。
どんな職業に就くかなんて、中学生の時点で分かりっこないのにね。
親が英語話者とか、英語関係の職業を目指している生徒に優先的に留学の権利を回しているようで、先生たちもそういう生徒にこっそり声をかけたりしていて、なんだかすごくがっかりして、自分には初めから道はなかったんだと悲しくなった思い出があります。
その頃の自分に「大丈夫。あなたも留学したいって言っていいんだよ」って言ってあげたい😭
あと、「日本で獣医やるにもまあまあ英語使うよ」って言ってあげたい…笑
一方で田子町の留学制度はというと💡
夫の記憶によると、学年の半分くらいは行っていたとのこと😂
マジか!笑
ちょっとした修学旅行じゃん。いいなぁ。
令和5年度のまちの仕事帳によると、中学生海外派遣事業として、20名程度を8日間、ギルロイ市に派遣してホームステイさせており、自己負担3万円で生徒が参加できるように町が負担(700万弱!)しているそうです。
こういう田子町の教育にお金使うところ、すごくいいと思うんですよね~✨
すばらしい!!👏
他にも、国際交流推進事業、語学検定支援事業(英検TOEIC無料で受けれる)、外国語指導助手事業、グローバル人材育成事業、姉妹都市交流事業など、たくさんの支援事業がありとにかく国際教育に熱心です。
今は廃校になってしまったのですが、田子高校では修学旅行が海外だったとか。
盛岡では海外に修学旅行に行けるのは私立高校だけだったので、リッチだなぁって思ってしまいます😁
こういった土壌があるからなのでしょう、田子町で英語話者が多いのは。
町民5000人に対するバイリンガル率で行ったら、日本でもトップに入れるんじゃないでしょうか。笑
田子町の一大イベントである「にんにくとべごまつり」には、三沢基地から来たと思われるファミリーもたくさんいるので、より一層国際色豊かになります。
青森県田子町に移住して思うこと②に続きます。