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星へ恋した日

自然の空はいい
息を深く吸えば
瞬間を凝縮したような香りが
身体を巡る
吐き出す息が
いつもより色めきたつような
温度を持つようにも感じる

幾晩も見上げる夜空に
時を重ねても同じ瞬間はなくて
近しくも異なる景色

けれど、見上げる度に
昔見た満天の星降る夜を
何処か探し続けてる気がする

細かな粒子みたいに
寝転んで見ても途切れない星の宴
ぽっかり浮かぶ猫の爪のような
二日月も賑やかに囲まれていた

お土産でもらった星の砂
少し似ている気がして
眺めるのが楽しくて気に入っていた
大事に仕舞込んだオルゴールごと
海へ帰ってしまったけれど

あの時見た星の幾つかは
もう飛行線を描いて流れたんだろうか
一緒に見た小さな温もりが
はしゃぎ回る様子もとても愛しかったんだ

街の灯火 視力 夜の深さ 風の向き
心の在り方
色んなものが変化して
全く同じ夜空には きっと 逢えないんだろう

だけど、何処かで
期待が滲んで探してしまうんだ
見上げる夜空に
あの日の夜空が重なる瞬間を

とても幻想的で心の奥底まで
深呼吸の歌すら静かに
自分は自分でしかなくて
安堵するような
温かな時間

あの時間をとらえたプラネタリウム

いつかまたこの瞳いっぱいに
散らばる星空を見つめる日がくるのを
心の何処かで 淡く信じているんだ




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お借りした写真:
夜空・夜   見出し画像
出典:
mania-note様
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