湖畔のヒュッテ【ゲーム感想】
久しぶりに感想を残しておきたいなぁというゲームを遊んだので早速。
karoooome games様の湖畔のヒュッテというゲームです。
どんなゲームかというと公式の紹介文は下記の通り。
避暑地での自由な時間!素敵な景色!なんだか癒されそうですね。
でもちょっと待って欲しい。
紹介文と一緒に掲げられてるキービジュアルを見て欲しい。
なんか不穏なもの(ロープ)がある…。
この時点でのんびり過ごすだけのゲームじゃないかもしれないと身構えました。
※以下、ネタバレも含みますのでご注意ください。
ドット絵風の綺麗な映像にお出迎えされながら避暑地に着いた時の景色がこれです。
怖い。
素敵な景色ってホラー的な意味じゃないよね、と既に心がザワザワしています。
恐る恐る調べてみると。
ロープはヒュッテが湖の景色を見渡すために木に登る用のものらしい。
本当か……!?
だとしても形状もっと考えてくれ。びっくりしちゃうので……!
ザワザワした気持ちのままログハウスに移動。
こちらのゲーム、現実世界の時間帯とゲーム内の時間帯が連動しているようで、その時間に起こっている景色を楽しむことが出来ます。
ゲームとしては不便なのかもしれないけど、なんだろう、この感じ。
誰かに会うのに時間を取って会いに行く感じ。
最近久しく人と待ち合わせをする機会が減ってたことを思い知ったような、そんな感じもあり。
出会える主なキャラクターは画家のヒュッテを中心に、彼と一緒にいるロッヂや、湖を散策に来たひとたちや地元の石ころ(!?)諸々です。
出てくるキャラクターはグラフィックも台詞回しも独特でかわいいので微笑ましい気持ちになります。
そして結論から言うと、素敵な景色についてはホラー的な意味じゃありませんでした。
良かった……!
ヒュッテと並んで素敵な景色を眺めながら、エンディングを迎えます。
なら、このゲームに漂う不穏な雰囲気はあくまでびっくり要素だったのでしょうか?
個人的には違うと思っていて、自分はエンディングムービーを見た時に綺麗だなと思う気持ちよりもさみしさを強く感じました。
なぜか。
それはヒュッテが湖畔で過ごしていたのが過去のことだから。
過去の出来事とわかる理由としては、
・タイトル画面でスペシャルを選択すると亀のお爺さんから昔話が聞ける
・OPの「This is a story from a long time ago…」
・一部のキャラクターのその後がエンディングや他のkaroooome gamesシリーズに出てくる
亀のお爺さんの話によると、現在の時間軸では、ヒュッテが居た湖畔は開発で無くなってしまったとのこと。
ヒュッテは湖の景色をとても愛していて、毎日何十枚も何百枚も湖の風景を描き続けていたらしいです。
自分も短い間でしたがヒュッテと過ごしていたのでそれが事実であることはすんなり理解できました。
現在、ヒュッテがどうなっているかは、ゲーム内では語られていません。
だけど、彼のその後を想像した時、あのロープや日記や湖への愛がどうしても引っかかってしまうのです。
杞憂であることを祈りたい……。
また、彼と過ごしていたロッヂというキャラクターについても、深くは語られていません。
かろうじて自分が読み取れたのは、ヒュッテに対して特別な感情を抱いているんだろうか、という点。
おれのこと描いてと言うロッヂに、風景画しか描けないと謝るヒュッテ。
なんか切ない会話です。
ヒュッテの感情は湖のみに注がれていてロッヂに向けられることは無いって事でしょうか……?
色々深読みしてしまう。
語られていることは少ないのに、そのわずかな情報から想像が膨らんで自分の想像にゾッとしたりハッとしたり、不思議な体験が出来るゲームでした。
まとめると、ヒュッテのその後について、ヒュッテとロッジの関係性について、さみしい余韻が残るなぁという感想でした。
ぜんぶ過去の話だと思うと、スペシャルムービーの最後の一文が哀しいです。
めちゃくちゃ個人的な好みでヒュッテのその後を考えるとしたら、現実に存在しないものも描けるのが画家の可能性だと思うので、ヒュッテが今でもあの頃の湖の景色を描き続けていたらいいなぁ……と思います。
というわけで、あくまで自分が感じた感情を残した記録でした。
ここまで閲覧いただきありがとうございました。