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大阪・千日前道具屋筋と文化をつなぐ料理道具:私が全力で応援している絆具ブランドを少しだけでも知ってほしい

大阪メトロの御堂筋線「なんば駅」から地上に出て、南にあるなんばグランド花月方面に歩いていくと現れる千日前道具屋筋。ここはあらゆる料理道具が扱われている商店街だ。私の中では大阪の料理道具の聖地と思っていて、大半の料理道具はここで揃うと言っても過言ではない大好きな場所だ
ただ、そんな道具屋筋でも取り扱いが無くなったいくつかの料理道具がある。これを復興させようと道具屋筋のプロ達が取り組んでいるのがこの絆具(つなぐ)ブランドだ。

絆具(つなぐ)ブランドは、道具を通して、先人の築いてきた大切な食文化を未来へつないでいくブランドです。

道具があったからこそ残った文化がある

このブランドは2020年10月現在では4つの料理道具が商品化している。
・天然砥石:てんねんといし
・燗銅壺:かんどうこ
・冷香(錫器):れいこう すずき
・砲金鍋:ほうきんなべ

それぞれの商品の詳細はHPに委ねるが、4つとも普段の生活では、少なくとも私は知らないものばかりだった。

例えば、かんどうこは電子レンジではできない熱燗の繊細な温度管理を難なくこなすという。
錫器は削り氷とともに、清少納言が上品さと優雅さの象徴として枕草子に記しているという。

これら4つの道具はずいぶん昔から今まで日本人に愛されてきた。しかし、製造コストの増大や作り手の減少、代替の道具が普及してきて需要も減っていることで、失われる寸前まで来たものばかり。
道具屋筋のプロ達はこの、今忘れ去られようとしている道具と日本の古き良き文化を何とか世に残していこうとしていており、絆具(つなぐ)ブランドは紹介HPからも商品からもその心意気がひしひしと伝わってくる。

私はこの取り組みに非常に感動したのだが、残念ながら私は料理道具の作り手でも料理人でもない。それでも日本人の粋が詰まった道具となれば、ぜひ残したいと個人的に応援している。
何かできないかと考え、私が過去に気付いたように今回も話題に挙げることにしたのである。

更に今回は、私も過去に道具屋筋で見つけた砲金鍋の愛用者だから取り上げたという意味合いも強い。

砲金鍋の特徴と水炊きの例

砲金鍋は銅(86~90%)、錫(7~9%)、亜鉛(3~5%)の合金とのことだが、合金だからこそ銅では実現できない下記3つの特徴を兼ね備えている。

熱伝導:銅の良さがそのまま、火の熱がすぐに伝わる
保温性:銅は低いが、砲金だからこそ持つ高い蓄熱性
耐久性:過去には砲丸に用いられているほど高い耐久性

私が今使っているのは砲金の水炊き鍋である。黄金の輝きは店頭でもひときわ目立つ。

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水から炊き始める水炊きは、沸騰してから長時間煮ることで鶏の肉だけでなく骨からも旨味が溶け出すおいしい鍋料理。

通常は土鍋で作られることが多いのだが、水炊きのスープは別の鍋で作ることを紹介するレシピもある。というのも、土鍋は保温性はあっても熱伝導性が砲金はもちろん、ほかの金属の鍋と比べてもかなり低い。そのため水のままなかなか沸騰までいかず出汁が出にくいのだろう。

その点、砲金鍋は熱伝導と保温性を兼ね備えているから1つの鍋で水炊きが完結する。私個人的には、熱伝導の高さにより鶏に火がしっかり通るから、私の素人の水炊きでも美味しく仕上げることができると思っている。

砲金の天ぷら鍋は職人にとってなくてはならないもの

絆具ブランドで取り上げられているのは天ぷらの砲金鍋だ。天ぷら職人はこの熱伝導と保温性両方を兼ね備えている砲金鍋だからこそ、最高の天ぷらが揚げられるという。
私たちが最高においしいと食べている職人の天ぷらが、砲金鍋の消失とともに2度と味わえなくなってしまうのは本当に避けたいものである。

需要がなければ道具も失われると感じたため、こういった道具に気付いたら私個人でも欲しい!と表明していくことにしたのである。

まとめますと

1、大阪の千日前道具屋筋は料理道具の大半を扱っている商店街
2、その道具屋筋でも取り扱いが無くなる料理道具がある
3、その料理道具が失われることは、それに伴って伝わった日本の文化も失うことになる
4、文化とともにある料理道具を残していくために作られた絆具(つなぐ)ブランド
5、例えば砲金鍋のような絆具(つなぐ)ブランドに取り上げられた道具は、職人はもちろん素人が使っても料理の質を高めてくれる

日本の良き食文化。絆具(つなぐ)ブランドがそれを道具とともに残そうとしていることを少しでも知ってもらえたら嬉しい。私は消費者の立場ではあるが、これからも全力で応援している。

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ゆきみな
サポートいただけるお気持ち非常に嬉しいです。まだまだ修行の身、本などで学んでいこうと思います!