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小学校テストが毎回70点くらいの子は要注意!

「小学校の時は今よりももっと取れていたのに…」
「中学の先生は授業が早い」

こんな話を中学校の担任をしている時に保護者の方からよく聞きました。

確かに、小学校と中学校で教える内容が異なりますので、変化があるのは当たり前のことかもしれません。

しかし、中学校の数学は、小学校の算数が理解できている前提で進んでいきます。

中学校の数学が難しく感じるということは、小学校の学習に理解が不十分な部分が多く存在していることを表しています。

今回は、我が子が算数が十分に理解できているかについてご紹介していきます。

小学校の算数テスト

小学校の算数テストは、計算ができればそこそこの点数を取ることができます。

基本問題が多く出るように小学校のテストはできています。
つまり、半分以上はできるようになっているのです。

そして、小学校のテストはきちんと教科書の内容を教えれば、平均点が90点程度になるようにできています。

事実、教師用に渡される解答の中には、『全国平均89.5』などと書かれています。

ですから、内容をきちんと理解できていれば、最低でも80点以上は解けることになります。

ここで注意しなければいけないのは、70点程度のお子さんです。

50点を下回る子どもは、先生も「この子は手助けしていかなければならない」と判断して、積極的に教えていきます。
ここでつまづかないようにするためですね。

しかし、70点程度の子どもは、先生も「だいたいできるだろう」と判断してしまいます。
基本的な考え方が十分にできていないにも関わらず、そこそこの点数をとることで、見落とされてしまうのです。

問題点

なぜこのようなことが起こるのか?

基本問題は、学校の宿題やパターンを暗記することで、きちんと理解できていなくても、正解できてしまいます。

しかし、「なぜそうなるのか」「どのように考えていくのか」を理解しているわけではないので、さまざまな種類の問題が混ざっていたり、少し問題をひねっていたりすると、歯が立たなくなります。

その結果、文章問題ができなかったり、難しい計算ができないことに陥ります。
また、十分に理解していないので、授業が進んでその単元から離れてしまうと、忘れてしまいます。


さらに、30点程度の子どもであれば、「この子は目盛りの問題が苦手なんだな」と先生や親も一目でわかります。

また、子ども自身も「点数が低い=理解できていない」と自覚します。

できない問題をできるように努力することもできますし、「わからなかったことがわかるようになる」喜びも十分に感じることができ、勉強へのモチベーションも湧きやすいです。

そこそこの点数だと、先生も親も本人も「理解できていないな」と感じにくいのです。

多くの単元を70点ほどでやってきた子どもは、知らず知らずのうちにわからないことが多くなって、結果的に「算数が苦手」「算数が嫌い」となってしまいます。

小学校の算数のテストは、90点を切ってしまったら、十分に理解できていないと判断すべきです。

「この程度なら」と考えることが一番良くありません。
復習を十分にして、「わかる」に変えていきましょう。

70点のテストを持って帰ってきたら…

一番残酷な情報かもしれませんが、算数は後から簡単な勉強をしたからといって、追いつくことができません。

ある算数(数学)の研究結果では、小学校の時と高校3年生の時とでは、学力にほとんど変化がない結果が出ています。

将来を見据えても、この現状は見過ごせませんよね。

70点のテストを持って帰ってきたら、「まずい」と考え、勉強を進めていきましょう。

一番いい方法は、授業やテストで少しでも不安を感じたら、
「思い切って戻る」
ことです。

① 苦手な単元が明確な場合

今学習している単元よりも前の単元に戻りましょう。

例えば、
・「立体図形」ができなければ、「平面図形」に戻る
・「割り算」が不安なら、「九九」に戻る

この方法だと、1学年下、2学年下に戻ることがあるかもしれませんが、その思い切りが大切です。

少しずつ戻ると、わからないことが多く、子どもが自信をなくしてしまいます。

思い切って戻ることで、「できる」を実感しながら学年を上っていけるので、逆に自信を持てるようになります。

② 大きく苦手な部分はないけど、あまり点数が良くない場合

良くわかる部分とそうでない部分がある。

苦手がはっきりしない場合もありますよね。

そんな時は、現状を測るために、実力テストをすることがオススメです。
テストをみて、間違えた問題の箇所が苦手なのでしょうから、そこから単元を戻って勉強することができます。

では、どんなテストをするのか?

「算数(数学)検定」がオススメです。

検定問題は、学年に合った級がありますので、その級の問題を解かせてみます(ネットなどで印刷することができますよ)。

算数検定の良いところは、3学年ほどに渡る問題が出ている点です。

例えば4年生であれば、4年生の学習、3年生の学習、2年生の学習が出題されています。

今の学年の苦手がわかるとともに、過去の苦手な単元までわかります。

苦手がわかったら、思い切り戻って、勉強を進めていくとよいです。

勉強は時間が経つと忘れてしまうこともあります。
前回はできたけど、今回はできなかった、なんてこともあります。

その部分は十分に理解できていない部分です。
しっかり復習をして、早いうちに克服しておくと、次の学年でも問題なく進めていけます。

検定問題を解いて、良い成績だった場合は、十分に褒めてあげましょう。

その上でどんどん上の級にチャレンジしてみても良いですよね。
難しいことがわかることは、余裕を持って進める上で、とても大切なことです。

どんどんチャレンジさせていきましょう(子どもが嫌がらない範囲で)。

まとめ

大切なポイントは、思い切り戻って勉強することです。

時間がある限り、子どもと勉強を一緒にやりましょう。

一番始めでも説明しましたが、小学校のテストは平均が90点程度になるようにできています。

中学校になると、中間・期末テストなどは、平均が60点程度になるように作られています。

小学校で70点程度だった子は、中学校で50点程度になることが多いです。

その結果、「算数は苦手」と思って、勉強が進まなくなってしまいます。

そうならないためにも、小学校の勉強を十分に理解していくことが重要です。

今回の記事を参考に、お子さんの勉強を見直してみてください。

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