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ユキ先生の「大人のための授業」part35-「ポジティブにならなきゃ病」とサヨナラしよう! 最新のセルフケア、ACTの概略説明(前編)

こんにちは、ユキ先生です。
今日は、保健体育の授業(という名目)で、最新にして最強の心理療法、ACTについて、皆さんと一緒に学びたいと思います。

みんなポジティブになろうとして苦しんでいる

今まで、なんとなく「ポジティブはよいこと、ネガティブはダメなこと」といった概念がありました。そして、それを誰も疑うこともありませんでした。
で、Twitterを見ると、「あー最近ネガティブだ! ポジティブにならなきゃ!」といったツイートをたくさん見かけます。小見出しにある通り、みんなポジティブになろうとして苦しんでいます。
実際、ポジティブになる方法はずーっと研究されており、脳科学においては
「ネガティブなときでも、無理やり笑顔を作れば、脳はそれにつられてポジティブになります!」
といったことを教える講師がたまにいます。一応、これ自体は事実ではありますが、実はこの実験には続きがあります。簡単にいうと、
「確かに無理やり笑顔を作ることで、一時的にポジティブになるが、その後反動でよりネガティブになってしまう」
ことが、追跡調査で判明しています。つまり、効果的な方法ではないのです。
<追記>
「ポジティブにならなきゃ病」は私が勝手につけた名称であり、正式な疾患名ではありません。

ACTのベースとなっている「マインドフルネス」概略

「じゃあどうすればいいんだ、ネガティブなまま生きろというのか! 絶望した!」という人のために、マインドフルネスをベースとしたACTという、最新にして最強の心理療法が話題になっています。
で、多くの方が「そのベースとなっているマインドフルネスとはなんぞ?」ということで、マインドフルネスに関して超ざっくり説明します。
マインドフルネスとは、瞑想により、「今、この瞬間に集中する」ことを目指す、セルフケアの一種です。
瞑想ときくと宗教っぽくきこえますが、マインドフルネスは各宗教で行われている瞑想から、宗教色をバッサリ抜いたものです。
一時はあのGoogleが研修に取り入れているということで、各企業の健康管理部門において注目されました……が、少なくとも、現時点において普及はしておりません。
これは「単純にわかりにくい」「なんか宗教っぽくてやだ」という理由もありますが、効果を得るのに累計にして数十時間の瞑想が必要というのが、イマイチ普及しなかった理由と思われます。要するに即効性に欠けるのです。

最新にして最強のセルフケア、ACT

そこで今、注目を浴びかけているのがACTとなります。
ACTは、宗教色をとっぱらったマインドフルネスのさらに核となる部分を系統的に組み立て、再構築したものになります。
マインドフルネスと比べて学ぶ量は多くなりますが、即効性はACTの方が上です。で、この記事は、そのACTのさらに先っちょだけを解説するものになります。
ちなみに、ACTの提唱者、ラス ハリス氏の書籍はこれです。この記事も、当書籍を参考に書かれています。

「ポジティブにならなきゃ」という考えを今、捨てよう

ACTは、ポジティブになることを目的とした心理療法ではありません。むしろ、「無理にポジティブにならなくてもよくね?」という考え方がベースとなっています。
これは、「無理やりポジティブになろうとしても、誰もができるわけじゃないよね」と考えられているためです。理由は、前述の実験でお分かりのとおり、ほとんどの人にとって無理やりポジティブ思考になるのは「利益的ではない」ためです。
なお、ACTはポジティブ思考を全否定しているわけではなく、「それでやっていけるのであればACTやらなくてもいいよ」とされています。これを、ACTでは「有効性がある」と表現しています。
ただし、この後に紹介する設問のうち、一つでも当てはまるのであれば、ACTを活用すべき、としています。そして、その設問がなんと15個もあります。すべての設問に当てはまらない人は、たぶん日本全国に100人もいないと思いますあまりに長いので、改行を入れずに書きます。

あなたにとってACTが必要かチェック(15の設問)

1.自分は感情のコントロールがうまい、2.不安はよくないと思う、3.ネガティブ思考は消さないと悪影響になる、4.自分の強い感情を恐れている、5.疑いの心は振り払うべき、6.ネガティブな感情はすぐに振り払うべき、7.ネガティブな感情は分析して対応すべき、8.ネガティブを追い払うスキルを高めれば幸せになれる、9.ネガティブをコントロールできないのは自分自身の弱さが原因である、10.ネガティブな思考があるのは心理的に不健康である、11.人生をコントロールしている人は、自分の感情をコントロールしていると思う、12.不安を感じるのは悪いことだ、13.ネガティブになるのは自分に問題があるからだ、14.重要なことをするときは気分をよくしなければならない、15.気に食わない思考や感情は考えずに抑えるべき

結論→ほとんどの人にACTが必要

設問を打つだけで疲れました。さて、皆さんいくつ該当しましたでしょうか? まぁ一つでも当てはまればACTやっとけなので、該当数はあんまり関係ありません。
それより、設問のほとんどが「今まで常識だと思っていた」と驚かれたのではないでしょうか? そうです、すべての設問はACTにおいて「誤った考え方」になるのです。

後編に続きます

さて、本来一つの記事で治める予定だったのですが、あまりにも長くなってしまったので、ここでいったん区切りたいと思います。
なるべく早急に後編を書きたいと思いますので、ぜひ期待してお待ちください。
今回は、今まで私が書いてきた記事の中で本気で重要な記事になるものと自負しています。私はACTの提唱者ではありませんが、ACTといった心理療法を伝える役目として、よりわかりやすい記事にします。
もし続きが気になるようであれば、フォローなど、よろしくお願いします!


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