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僕は玉ねぎに勝ちたい

あなたは玉ねぎというものをご存知だろうか?

そう、あのヒガンバナ科ネギ属多年草の。

ちびまる子ちゃんで言うと永沢くんの形をした。

花言葉は「不死」でお馴染みの。


僕はあいつに弱いのだ。


いや、味が嫌いというわけではない。むしろ様々な料理において欠かせない存在だと認識している。

カレーやシチュー、豚の生姜焼きなどでは脇役に徹し、オニオンスープ、オニオンリングなど、メインでも十分戦える強さを持っている。

あ、焼肉やバーベキューのときの玉ねぎはおいしく焼けたことがないので好きではない。

分厚くて全然火が通らず辛いので、誰も手をつけず最終的に焦げてしまう。そうなるともうトングで網の下にシャシャシャシャシャだ。


…そんな話ではなかった。僕が嫌なのは玉ねぎを切ったときに目が染みるということ。

あれは玉ねぎに含まれる「硫化アリル」という成分が原因らしい。

なんだか最近、よりこの硫化アリルに弱くなっている。

自分で玉ねぎを切っているときはもちろんのこと、妻がキッチンで玉ねぎを切っていると、妻以上にリビングのソファにいる僕の目が痛くなるのだ。

このあいだも、目が染みるなぁと思っていたら案の定妻が玉ねぎを切っていた。その日の夕飯はオムライスだったのだが、一旦チキンライスだけ作って先にお風呂に入ることになった。

娘と三人でお風呂に入り、はぁさっぱりしたとリビングに戻ったらなんと…

目が染みるではないか!

嘘だろ…。どんだけ部屋に滞在しているんだ硫化アリル…。家に来たときの義理のお母さんくらい滞在するやん。

子どもが産まれると涙もろくなると言うけれど、まさかこんなところにまで関係しているのだろうか。

対策として以前どこかで聞いた、玉ねぎを冷蔵庫で冷やしてから切るとか、舌を出しながら切るとかを試しても全然効果がなかった。

目を瞑って玉ねぎを切ったこともあった。(あぶない)


結局何をしても目は痛くなるのか、と絶望しつつ念のため調べてみると、


『硫化アリルは熱に弱い性質を持っており、加熱することで別の物質へと変化します。切る前に皮がついたままの玉ねぎを電子レンジで30秒から1分ほど温めると、目に染みるのを防ぐことができます。』


え、めちゃくちゃ簡単な方法あるじゃん。しかもなんかそれっぽい。染みなそうな雰囲気出てる。

期待できそうだ。今度試してみよう。


今まではずっと泣かされてきたわけだが、電子レンジという新たな武器を携えて、次こそは不死の玉ねぎを倒すとき。


対戦結果を乞うご期待。




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結城 熊雄/Yuki Kumao
いつも読んでいただきありがとうございます。 この文章が、かすかにでもあなたの心を揺らすことができたのなら、僕はとても幸せです。 ぜひまた、いらしてください。