drawing/エッセイ『あのときの自分に400円があったら』
今月の売上は400円だった。
なかなか厳しい売上である。
売上と呼ぶのも躊躇われる。
ゆうてもそれは本屋のこと。
シェア型という本屋の形態。
各ブースにオーナーがいる。
場所代/月は4000円である。
本の仕入れ代もかかってる。
端的に激しい赤字ってこと。
牛丼も買えないねそれだと。
と本業の同僚は言い放った。
400円は牛丼すら食せない。
でも思い返してみてほしい。
百円玉を握り走ったあの頃。
400円なんて、大金だった。
駄菓子屋さんで何を買おう。
あれとこれと、それとそれ。
なんだって買えるじゃない。
よんひゃくえんのうりあげ。
無限大な夢があったあの日。
今だってそう感じれるはず。