「AIがわかる人は組織に2割で良い」テクノロジーと人が協働する次世代の組織とは/ツクチム
「AI時代を勝ち抜く組織には、『当たり前を疑う』姿勢が重要」
こんにちは。株式会社Cの井端（@ibataaaa08）です。
弊社では、AIとスタートアップでの利用率が高いツール（Notionなど）を積極的に融合させ「次世代のHR、人事を作る」ために、ツクチムをはじめとするwithAI HRサービスを展開しています。
ツクチムを支えるエンジニアの二人と自分の三人で、テクノロジーを駆使した組織の在り方や業務改革についてぶっちゃけ座談会を開催してみました。
AIによる業務効率化の成功事例、AI時代に求められる組織文化、そして人が担うべき役割など、AIとの働き方に興味を持っている方々のヒントになれば幸いです。
▶︎前回の記事はこちら
井端 裕輝 | 株式会社C 代表取締役
1991年生まれ。大学卒業後、小学校教諭、リクルート、HR系スタートアップを経て、2020年に株式会社Cを創業。生成AIなどの最新テクノロジーを活用した次世代のスタートアップ人事立ち上げサービス「ツクチム」の事業開発を手掛ける。
https://twitter.com/ibataaaa08
飯森 圭太 | AIコンサルタント／ウェブ・AIエンジニア
1992年生まれ。コンサルティング会社にて業務アプリケーション開発やデータ分析業務に従事し、株式会社Cにも参画。AIを活用した業務自動化システムの開発を手掛ける。ビジネスサイドの全体構想の設計から、技術設計、実装まで幅広く担当し、AI活用を積極的に推進している。
田原 聖悟 | Notionアドバイザー
1987年生まれ。スタートアップ企業でプロダクト開発に従事した経験があり、2024年7月より株式会社Cに参画。Notionのチーム活用のサポートを得意とし、社内Notionの整備やAIと連携したタスク管理システムの開発を主導。
AI利活用におけるお手本企業の具体的なイメージとは
ー前回記事でC（シー）のビジョンや戦略について教えていただきましたが、再度その想いも含めて教えてください。
井端: 我々のビジョンは「次世代のHR/人事を作る」。ミッションとして掲げているのが「中小企業のAI利活用のお手本企業」となることです。
どちらも労働人口が減少する社会において、「AI利活用・人とAIの協働」がキーワードになると思っています。
これまでの仕事の在り方を疑い、業務バリューアップや効率化を図ることで、人やキャリアの課題、具体的には組織づくりや採用、人事、人材不足などに対するソリューションを提供していきたいです。
ー 中小企業にとってAI活用は大きなチャンスですが、一方でハードルの高いチャレンジだと考えられがちですよね。
井端: まさにその通りです。自分も支援する立場として感じますが、やはりとっつきづらさがあるかと思います。
例えば、自分が常に一緒に過ごしている家族に対して、AIの話をしたとしても、パッと理解してもらうのは難しいです。
そもそもAIが多義語であることもあり、聞き手としては、そのAIは人工知能（Artificial Intelligence）としての基本的な意味なのか、製品やサービスとしての意味なのか、具体的な技術やシステムとしての意味なのか。
より具体的な意味として伝えるには、使用する文脈も考慮して伝えていく必要があるなと感じています。
また、ユースケースがまだまだ乏しいのも要因の一つだとも感じています。
幸い、弊社にはAIを使うのが好きなメンバーがさらに集まりつつあるので、自分達がどんどん使ってみて、中小企業のAI利活用のお手本になれるよう検証を重ねたうえで、サービス化・事業化してご支援していきます。
ーありがとうございます。井端さんが考えられている事業展開や会社運営の未来像を具体的にもう少し教えていただけますでしょうか?
井端: はい、大きく二つあります。
一つは、 今のAIをはじめとするテクノロジーを組み込んだ組織運用を愚直に進めていき、適切なタイミングで仮説を立て続けることです。
AIの進化は我々が想定している以上のスピードで進んでいます。
「この使い方が正解だ」と今は確信してご提供していても、スピードが早いために、その答えはその時の切り取りでしかない部分もあるんです。
実際に社内で使ってサービスにも反映していく中で、AIのアップデートの理解を含めた上で運用し続けるというのが解の一つかなと思っています。
二つ目は、ワークフローに積極的にAIを入れていくことだと思っています。 今私たちは、初期のスタートアップ企業様を多くご支援していますが、その多くは基本的なリソースの不足を感じています。
一方で、会社を伸ばしていくために、具体的にはこういうことをやりたいという思いを持っているなかでやりきれていないことに悩んでいる経営者の方も多いです。
そもそもの仕事の在り方として、AIを絡めたワークフローに置き換えていくことで、そうした経営者の方の課題を解決するための価値になるのではないかと考えています。
現状では正直、AIだけでそうした価値提供をしきるのは難しく、人が介在しないとなかなか提供したいクオリティまで達していないのですが……。そのあたり、もう少し検証が回ればAIだけで完了できる仕事も増えていくと考えています。
ー AIだけで完結する業務が増えたら、リソース不足に悩む企業様の大きな助けになりそうです。
井端: そうですね。もう一点、AIを活用すると、組織の在り方自体を見直す必要があると考えています。
現在もリサーチ業務などを中心に、既に変化してきていますが、将来的には多くの業界で、これまで人が担ってきた役割の一部をAIが代替できる可能性が高いわけです。
AIの方が得意な分野は積極的にAIに任せていく。そうすることで人間は創造的な業務により注力できるようになります。
つまりこれまでの組織図を見直し、AIを組み入れた新しい組織体制を構築することが重要です。そのためには、AIを含めた組織マネジメントができる人材の確保が不可欠になってきます。
ー 人とAIの役割分担を適切に行うことで組織を最適化していくとすると、井端さんが「絶対人が担うべきだ」と思っているところはありますか?
井端: このような当たり前を疑っていくので、絶対とは言い切れないですが、現状人の方が向いていると感じる分野は多くあります。
例えば、「誰が言っているか」が重要な仕事などですかね。
会社のビジョン・ミッションを語ることなどは人間の方が向いていますし、課題を伺って次のタスクに落とし込むのはAIにもできますが、実際にそのタスクの重要性を説いて行動させるところは、人側の方が今は良さそうだななど。単なる数値の指標だけでは測れない、人間同士のコミュニケーションの大切さは変わらないと考えています。
フロント業務やお客様対応など、人間らしい対話が求められる場面は当分の間、人間が担う必要があると考えます。
人とAIがいい相棒になれたらいいですよね。
当たり前を疑う。Cの社内開発の現在地
ーそれでは、前回伺った社内開発の現状について教えて下さい。AIやNotionの活用で、どのような成果が出ていますか？
井端: まず社内全体で新しい技術を積極的に取り入れようという雰囲気になってきたことが大きな成果だと思っています。新しいツールや技術を試し、みんなでフィードバックを共有する文化が根付いてきましたからね。
飯森さんと田原さんが入ってくれたのも本当に良かったです。お二人それぞれの得意分野を存分に発揮してくれて、業務効率化が驚くほど推進できたんじゃないでしょうか。
飯森さんは新しい技術への関心が本当に高くて、常にAIの最新情報をキャッチアップしながら、社内でAI活用を熱心に進めてくれています。一方の田原さんはNotionのエキスパートで、AI×Notionを連携させたタスク管理システムの開発を主導してくれましたからね。
このメンバー構成が実に上手く機能したことで、社内の業務効率化を大きく前進させることができました。
飯森: 議事録作成やタスク管理の自動化は、既に実用段階に入っています。これにより、業務効率化だけでなく、情報共有の促進にもつながっていると感じています。
田原: AIとNotionの連携によるタスク管理システムも、徐々に効果が出始めています。タスクの抜け漏れが減り、プロジェクト管理がスムーズになったという声も上がってきています。また、会社の風土として、どんどんこうしたツールを使っていこうという姿勢が、他の企業にはない強みになっていると感じています。
ー素晴らしいですね！一方で、課題に感じている部分はありますか？
飯森: データ管理や設計の部分には、まだ改善の余地があると感じています。
例えば、Notionで管理しているデータと他のシステムとの連携がスムーズにいかないケースもあるので、その部分を改善していく必要があると考えています。そもそも、個人の裁量が最小化されるのがAIだと思ってるので、社内としてデータ管理のルールを決めていけば、そこも改善できるのではないかと。
田原: クライアントに提供できるレベルのツール開発はまだこれからです。社内での活用を通してノウハウを蓄積し、より質の高いサービスを提供できるよう開発を進めていきたいです。このメンバーでなら、実現できるとも思っています！
井端:課題は2点あると思ってます。
1つ目は、社内に溜まった大量のデータをどう活用していくかという点ですね。正直まだこの辺のルールが確立できていないんです。この先AIの活用をさらに進めていく上で、どんなデータを残していけば良いのか、保存のルールをしっかりと決めておく必要があります。
それからもう1点、クライアント企業への提供サービス（ワークフロー）の開発が課題だと感じています。社内で活用しているワークフローはいくつかありますが、より多くの企業に提供するにはまだまだレベルを上げていきたいなと。
まずは社内活用からノウハウを蓄積し、さらに質の高いサービスを提供できるよう、開発を重ねていかなければなりません。
今後はこのデータ活用のルール作りとより実用的なワークフロー開発、この2点を重点課題として取り組んでいく必要があると思っています。
ーここからは、少し視点を変えた質問をしたいのですが、AI活用を進めていく上で組織に携わる人たちに必要なスキルやリテラシーとは何だとお考えですか？
井端: 既存のやり方に囚われず、「なぜ？」と問い続ける姿勢が重要だと考えています。AIに任せたほうがいいところをどんどん任せて、他にやるべきことに人がコミットしていくのがすごく重要なのかなと思っています。
飯森: 新しいもの好きであることが重要かなと。新しい技術に対する好奇心や探究心ですね。ただ、正直僕としては、例えばAIを導入する会社があった時に全社員がAIを使う必要はないと思ってます。
ーそうなんですか？
飯森:新しいものに興味のある2割位の人をとりこめればそれでいいとも思うんです。経営者は当然興味持ってないといけないと思うのですが。 その興味ある人が興味ない人たちに 熱量をばらまいていくというやり方が良いのではないかと思っています。
田原:私も、飯森さんと似た思いを持っていて。AI活用について興味を持って自発的に調べてくれるような人はすごくありがたいんですけども、全員が全員それができるとは思っていません。
だからこそ、私はエンジニアっていう目線でAIツールを使いやすくするための工夫も重要だと感じています。例えばボタン一つでAI活用ツールが直ぐ立ち上がるとか。そういう、ハードルを下げるような仕組みを考えていきたいです。
ー最後に、テクノロジーを活用していく企業の未来像について、どのようにお考えですか？
井端: AIやNotionのようなテクノロジーの進化は早いので、働き方やテクノロジーの活用方法はどんどん変わっていく形になるでしょう。
我々としては、そうした変化にキャッチアップし続けることが最低条件です。テクノロジーを活用することで、人間がより創造的で人間らしい仕事に集中できる環境を実現したいと考えています。
飯森: 情報のオープン性も重要だと考えています。AIを活用することで、これまで可視化されていなかった情報が見えるようになり、新たなイノベーションが生まれる可能性が高まります。
そのためには、個人の裁量を最小化し、社内でデータ管理のルールを決めていく必要があります。そうすれば、AIの力を最大限に活用できるはずです。
田原: AIを単なるツールとしてではなく、人の感情に働きかけるサービスの一部として活用していきたいと考えています。
具体的には、クライアント企業の皆さんを感動させるようなサービスを提供したり、社内でお互いを称賛し合う文化を醸成したりすることです。AIの力を借りながら、人と人とのつながりを大切にする、そんな豊かな社会を実現していきたいですね。
C,Inc.にぜひジョインしてください！
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
今の弊社のタイミングは、山を登り始めたフェーズです。先々週に経営会議を行い、今後3年間の進み方についてメンバーの目線を合わせているぐらいのタイミングです。
「次世代のHR、人事をつくる」というミッション、「中小企業のAI利活用のお手本の企業になる」と言うビジョンに興味がある方
HR×AI（デジタルワーカー）に興味がある方
小規模から人事としてジョインして企業の成長を後押しすることに興味がある方
これらに興味がある方、ぜひお話ししましょう！（業務委託・副業OK）
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