
「若者よSNS動画で満足するな!ハリウッド映画へ挑戦せよ!」ハリウッド見学ツアー(1)
小さなSNS動画で満足してしまった日本のクリエーター。世界に通用するクリエーターを目指すためには、多数のプロ集団が集まるハリウッドから学ぶべきことは大きい。初めてスタジオをみる日本の学生にガイドがドラマ風会話で描きます。ハリウッドの大規模撮影現場ツアー!今回はカメラ周りのスタッフの役割の違いを見学。監督のお話は次回
映画の撮影現場に到着!
学生:「すごい…!これがハリウッドの撮影現場か…カメラの周りだけでもめちゃくちゃ人がいる…!日本だったらカメラマンとカメラ助手くらいだよね」
ガイド:「そうだろう?ここにいるのは、カメラの動きを完璧にするためのプロフェッショナルばかりだ。さあ、彼らの仕事を見てみよう!」
カメラチームの中心部DPと周囲のスタッフ役割の
ガイド:「まずは撮影監督(DP)から紹介しよう。彼が、映画のビジュアル全体を統括する責任者だ。」
撮影監督(DP):「君たち、よく来たね!僕は監督のビジョンを映像として実現するのが仕事だ。カメラのフレーミングや照明の調整を決めて、観客がどんな映像に注目するのか、感動するのかなど映像を考えコントロールしている。」
学生:「すごい…!映画の画面を決める人なんですね!」
ガイド:「そして、実際にカメラを操作するのがカメラオペレーターだ。」
カメラオペレーター:「俺が動かさないと映画は始まらないぜ!監督やDPの指示に従って、カメラを動かすのが仕事さ。パン(左右の動き)、チルト(上下の動き)、ドリー(前後の動き)…どんな動きでもやる!」
学生:「えっ!日本ではカメラマンと呼びますよね。監督が映像イメージを作ってカメラをのぞくのがカメラマンとい聞いていたけど。映像を決めるDPの権限が強いのか、カメラ操作と別れてるのか。全部手動でやってるんですか?」
カメラオペレーター:「そうさ!カメラの重さは20kg以上あることもあるけど、手ブレさせたら台無しだからね!」
フォーカスを操るのはカメラ助手ではないフォーカス職人のプロだ
ガイド:「この映画の映像がぼやけないようにするのがフォーカスプラー(1st AC)だ。」
フォーカスプラー(1st AC):「君たち、ピントがズレた映画なんて見たくないだろ?僕は俳優の動きに合わせてミリ単位でピントを調整する。」
学生:「俳優が動いても合わせるんですか?」
フォーカスプラー:「もちろん!例えば、俳優がカメラに向かって走ってきたとしよう。その間に僕は、ピントを1秒ごとに調整しなきゃならないんだ。」
ガイド:「そして、彼をサポートするのが2nd AC(セカンドアシスタントカメラ)だ。」
2nd AC:「俺はカメラの準備を担当するぜ!レンズの交換、フィルターの取り付け、カチンコ(スレート)でのテイク管理…全部任せろだ!」
学生:「カチンコってカメラチームの仕事なんですか?日本では助監督がやってることが多いですよね?」
2nd AC:「そうさ!アメリカではカチンコはカメラチームの仕事なんだよ。」
ガイド:「日本とハリウッドでは、カチンコを担当する部門が違うんだ。日本では助監督がやることが多いけど、アメリカでは2nd AC(セカンドアシスタントカメラ)がやるのが基本だ。」
カチンコの担当は日本と異なりカメラスタッフの仕事、種類も使い方も違う
① そもそもカチンコ(スレート)って何をするの?
学生:「でも、カチンコって何のために使うんですか?」
2nd AC:「いい質問だ!カチンコ(スレート)は、映画の映像と音を正しく同期させるために使うんだ。特に今の映画は映像と音を別々に録音するから、編集でぴったり合わせないといけない。」
カチンコの役割
映像と音の同期
カメラとマイクは別々に録画・録音しているため、「カチン!」の音とカチンコが閉じる瞬間を一致させることで編集時に同期させる。
撮影情報を記録
シーン番号、テイク番号、日付、監督名、撮影監督名などが書かれていて、編集時にどの映像なのかすぐ分かる。
編集のスムーズ化
何百、何千ものカットを編集する際に、どのカットがどのシーンかを識別しやすくする。
② 日本とアメリカの違い – なぜ担当が違うのか?
学生:「でも、どうして日本では助監督がやって、アメリカではカメラチームがやるんですか?」
ガイド:「それは、映画制作の組織構造の違いから来ている。」
🔹 日本の映画業界
助監督(AD)がスレートを担当することが多い。
助監督が撮影進行を管理する役割が強いため、カットごとの管理も担当。
日本の撮影では、監督と助監督が撮影現場で密接に連携する文化があるため、助監督が「カチンコ!」と声を出してリズムを取ることが多い。
🔹 ハリウッド(アメリカ映画業界)
カメラチーム(2nd AC)が担当。
アメリカの映画では、助監督はスケジュール管理やエキストラの指導が主な役割。
そのため、撮影中の技術的な作業(スレートやカメラ設定の調整)はカメラ部門が管理する。
映像データの整理と管理はカメラチームが一括して担当するため、スレートもその一環として扱われる。
2nd AC:「つまり、カメラのことはカメラチームが全部やるってことさ!」
学生:「なるほど!日本の助監督は撮影の流れを管理するのが仕事で、アメリカではカメラチームがすべてカメラに関わる仕事をやるんですね!」
③ カチンコ(スレート)の種類
ガイド:「実は、カチンコにもいくつか種類があるんだ。」
ハリウッドで使われるカチンコの種類
種類特徴使用例
◯クラップスレート(Clapperboard)伝統的な木製カチンコが特徴。白黒の板に手書きや黒板で情報を書く。使い方:昔ながらのフィルム撮影
◯デジタルスレート(Timecode Slate)LEDディスプレイ付き。カメラと音声レコーダーのタイムコードを同期できるのが特徴。使い方:最新のデジタル撮影
◯インサートスレート(Mini Slate)小型のカチンコ。狭い場所やクローズアップ撮影に使用のが特徴。使い方:俳優の顔のアップなど
◯ソフトスレート(手書きスレート)カチンと鳴らさない、手書きのスレート。音を立てたくないシーンでの仕様が特徴。使い方:ホラー映画や静かなシーン
学生:「デジタルスレートってすごいですね!カメラと音声のタイムコードを自動で合わせるなんて…!」
2nd AC:「そう!でもクラシックなカチンコもまだまだ使われてるよ。特に監督によっては『あのカチン!って音がないとダメだ!』ってこだわる人もいる。」

④ 実際のカチンコの使い方
ガイド:「じゃあ、実際にカチンコを使う流れを説明しよう!」
2nd AC:「まず、撮影前にカチンコの情報を記入する。シーン番号、テイク番号、日付、監督名、撮影監督名を確認して…」
ガイド:「そして、カメラが回り始めたら、『スレート!』と声をかける。」
2nd AC:「スレートをカメラの前に持っていき、読み上げる。」
2nd AC:「シーン24、テイク3!」
2nd AC:「次に、カチン!と鳴らして、手をスッと引く。」
ガイド:「この『カチン!』の音が、映像と音を合わせる重要なポイントなんだ。」
ハリウッド映画の音声チーム – マイク&サウンドミキサーの秘密
学生:「映画って、役者さんがどんなに動いてもセリフがちゃんと聞こえますよね?マイクはどこにあるんですか?」
ガイド:「いい質問だね!映画の音声を録るために、ブームマイクとラベリアマイク(ピンマイク)の2種類のマイクが使われることが多いんだ。」
① ブームオペレーター(Boom Operator) 空中から狙う職人技がすごい
ブームオペレーター:「ようこそ!俺の仕事は、役者のセリフをブームマイクで拾うことだ。」
学生:「ブームマイクって、あの長い棒の先についてるやつですよね?」
ブームオペレーター:「そう、それがブームポール(Boom Pole)だ。マイクはショットガンマイク(指向性マイク)になっていて、役者の声だけを狙って拾うんだ。」
学生:「でも、カメラに映り込まないようにしなきゃいけないですよね?」
ブームオペレーター:「その通り!だから、俺たちは常に腕を上げっぱなしで、正確にマイクをコントロールしてる。長時間の撮影はめちゃくちゃキツいぞ!」
学生:「腕がプルプルしそう…!」
ブームオペレーター:「しかも、俳優が動けば、それに合わせてマイクも動かさなきゃいけない。例えば、このシーンみたいに二人のキャラクターが会話してる場合、マイクを左右にスムーズに動かしながら、それぞれの声を拾うんだ。」
学生:「そんなに細かく動かしてるんですね!」
② ラベリアマイク(Lavalier Mic) – 服に隠れた秘密兵器!
ガイド:「でも、ブームマイクだけじゃ対応できない場合もある。例えば、カメラが広い範囲を撮影するときや、アクションシーンで役者が走り回るときだ。」
学生:「そういうときはどうするんですか?」
サウンドミキサー:「そこで活躍するのがラベリアマイク(ピンマイク)だ。」
学生:「えっ!?役者さんがマイクをつけてるんですか?」
サウンドミキサー:「そうさ!服の内側に小さなマイクを仕込んで、ワイヤレスで音を拾ってるんだ。」
ブームオペレーター:「例えば、時代劇の武士の着物の襟元とか、スーツのネクタイの裏に隠してることが多いぞ。」
学生:「えぇ~!?でも、布がこすれる音とか入らないんですか?」
サウンドミキサー:「いい質問だ!それを防ぐために、マイクを特殊なスポンジやガーゼで包んで、衣装と擦れないようにしてる。あと、ワイヤレスの送信機を役者の腰や背中に小さく装着してるんだ。」
学生:「そんな裏技が…!」
③ サウンドミキサー(Production Sound Mixer) – 音を操る指揮者!
ガイド:「さて、現場の音をリアルタイムで調整してるのが、サウンドミキサーだ!」
サウンドミキサー:「俺の仕事は、現場で録音されたすべての音をバランスよく調整すること。ここにあるのがフィールドミキサー(Field Mixer)っていう機材だ。」
学生:「めちゃくちゃボタンとスライダーがいっぱい…!」


サウンドミキサー:「例えば、ブームマイクとラベリアマイクの両方を同時に録音して、どちらの音がよりクリアに聞こえるかを調整する。もし、ラベリアマイクの音が小さすぎたら、ここで音量を上げるんだ。」
学生:「現場でそんなに細かく調整してるんですか!?」
サウンドミキサー:「もちろん!監督が『アクション!』って言った瞬間から、役者の声、背景音、環境ノイズまで、すべてをコントロールする。音のクオリティが低いと、編集で使えなくなるからね。」
学生:「映画って、音のクオリティもめちゃくちゃ重要なんですね…!」
④ 音響スタッフの動きと機材
ガイド:「さて、音声チームが実際にどんな風に動いてるのか見てみよう。」
🔹 サウンドチームの典型的な配置
ブームオペレーター → カメラの外で、腕を伸ばしてマイクを構える。
ラベリアマイクオペレーター → 役者の衣装にマイクを仕込む。
サウンドミキサー → モニターを見ながら音量やノイズを調整。
サウンドアシスタント → 予備マイクのチェック、録音データの管理。
🔹使用機材
ショットガンマイク(Sennheiser MKH 416, DPA 4017B など) → ブームマイク用
ラベリアマイク(Sanken COS-11D, DPA 4060 など) → 役者の衣装に仕込む
フィールドミキサー(Sound Devices 833, 888 など) → 現場で音を調整
ワイヤレス送信機(Lectrosonics, Zaxcom など) → ラベリアマイクの音をリアルタイムで送信
モニターヘッドフォン(Sony MDR-7506 など) → 音声のリアルタイム確認
映画の照明チームを探検! – 光を操る職人たち
学生:「映画の現場って、昼間なのに大きなライトがたくさんありますね!太陽の光だけじゃダメなんですか?」
ガイド:「いいところに気がついたね!実は、映画では太陽の光だけじゃなく、人工の照明をコントロールして理想の映像を作ることが大切なんだ。」
ガファー(照明部門の責任者):「その通り!俺たちは監督と撮影監督(DP)の指示に従って、シーンの雰囲気や感情を照明で表現する。」
① 昼でもライトを使う理由
学生:「でも、昼間なら太陽が光ってるし、ライトを使わなくてもいいんじゃないですか?」
ガファー:「いやいや、太陽ってコントロールできないだろ?例えば…」
🔹 太陽の光は時間とともに変化する
午前中と午後では太陽の位置が違うため、光の角度や強さが変わる。
もし朝に撮ったシーンと午後に撮ったシーンが繋がっていたら、光の違いが目立って不自然になる。
🔹 俳優の顔に影ができる
強い太陽の光は、鼻や目の下に濃い影を作ってしまうことがある。
だから、レフ板やソフトライトで光を補い、自然に見せる。
🔹 屋外でも明るさを調整する
例えば、『ラ・ラ・ランド』のようなカラフルな映画では、鮮やかな色を出すために昼でもライトを当てる。
学生:「へぇ~!映画の昼のシーンが自然に見えるのは、照明のおかげなんですね!」
② 照明チームの役割
ガイド:「映画の照明チームは、大きく分けて3つのポジションがある。」
① ガファー(Gaffer) – 照明部門のリーダー
監督・撮影監督と打ち合わせをし、どんな雰囲気の光を作るか決定する。
照明の機材選びや設置の指示を出す。
② ベストボーイ(Best Boy) – 照明機材の管理
照明チームのサブリーダーで、機材の準備や電源の管理を担当。
「次のシーンではライトを変える!」と指示が出たら、すぐに調整する。
③ 照明アシスタント(Electrician / Lighting Technician)
実際にライトを設置し、光の向きや強さを微調整する。
時には、高所に登ってセットの上からライトを当てることも!
学生:「高いところに登ってる人、よく見ますね!あれって危なくないんですか?」
ベストボーイ:「危ないよ!だから安全ハーネスを着けて、慎重に作業してる。映画の光を完璧にするためなら、どんな高所作業もやるぜ!」
③ 映画のシーン別 照明の使い方
ガイド:「映画の照明は、シーンによって使い分ける。例えば…」
🔹 ① ロマンチックなシーン(ソフトな光) 例:『ラ・ラ・ランド』
俳優の顔が柔らかく見えるようにディフューザー(拡散フィルター)を使う。
温かみのあるオレンジ系のライトを当てることで、心地よい雰囲気を演出。
🔹 ② ホラー映画(コントラストの強い光) 例:『IT/イット』
キャラクターの顔に影を作ることで、不気味な印象を強調。
下から光を当てて、普通の人間が異様に見えるようにする。
🔹 ③ SF映画(青白い未来的な光) 例:『ブレードランナー2049』
ブルーやグリーンの照明を使い、冷たい未来世界の雰囲気を作る。
学生:「照明でこんなに雰囲気が変わるんですね!ホラー映画の怖さって、音だけじゃなくて光の当て方にもあるんだ…!」
④ 照明の種類と機材 映画でよく使われるライト
ライト名特徴用途
HMIライト:強力な白い光が特徴:太陽の代わりとして使用する
タングステンライト:温かみのあるオレンジ系が特徴:室内の光や夕焼けの演出にLEDパネル:色温度を自由に調整可能が特徴:どんなシーンにも使える万能ライトソフトボックス柔らかい拡散光が特徴:俳優の顔をきれいに照らすときに使用
スポットライト(Fresnel):集中的に光を当てられるのが特徴:シーンの一部を強調ときに使用
ガイド:「例えば、昼間の屋外シーンでもHMIライトを使えば、太陽と同じような光を作れる。逆に、夜のシーンではタングステンライトを使って温かみのある光を作るんだ。」
学生:「映画の光って、ただの電球じゃないんですね…!」
ガファー:「そうさ!俺たちは『光の職人』なんだよ!」
映画の裏側ツアー VFX(視覚効果)の魔法 これがVFXの現場だ!
学生:「うわぁ…なんか映画のセットって思ってたのと違う!全部グリーンの壁じゃないですか!?」
ガイド:「そうだろう?今、君たちが立ってるこの場所は、実は宇宙船の中なんだ。」
学生:「えぇぇ!?宇宙船!?全然そんな感じしませんけど…」
VFXスーパーバイザー:「そう思うよな。でも、これがVFXの力だ。あとでこのグリーンスクリーンを最新のCG技術で豪華な宇宙船の内部に置き換えるんだ。」
学生:「へぇ~…でもなんで緑なんですか?青とかでもいいんじゃないんですか?」
グリーンスクリーンの秘密
VFXスーパーバイザー:「実は青いスクリーンも使うことはある。でも、俳優の服や目の色が青だったらどうなる?」
学生:「えっ…まさか…」
ガイド:「その部分も消えちゃうんだよ!例えば青いシャツを着てたら、編集で削除するときにシャツも一緒に消えちゃう。」
学生:「わぁ…ホラー映画みたいに幽霊になっちゃう!」
VFXスーパーバイザー:「その通り!だから、俳優の衣装と被らない鮮やかな緑色がよく使われるってわけさ。」
学生:「なるほど…でも、役者さんは何もない場所で演技するのって大変そうですね。」
ガイド:「では、VFXがどんな風に使われるのか、実例を見てみよう!」
① 映画の世界を作る(背景の合成)
VFXスーパーバイザー:「例えば、『アベンジャーズ』のニューヨークの戦闘シーン。実は、ほとんどがグリーンスクリーンで撮影されてるんだ。」
学生:「えっ!?ニューヨークの街中で爆発とかしてないんですか?」
VFXスーパーバイザー:「そんなことしたら大ニュースだよ!(笑)現実世界で大爆発なんてできるわけないだろ?だから、CGで街を作って、爆発や瓦礫も全部デジタルで追加するんだ。」
学生:「すごい…!本物にしか見えなかったのに…」

② 空を飛ぶ!ワイヤーアクション
VFXスーパーバイザー:「スパイダーマンのシーンも面白いぞ。実際に俳優がビルの間を飛び回ってるわけじゃない。ワイヤーで吊るして撮影してるんだ。」
学生:「えっ!?スパイダーマンって自力で飛んでないんですか!?」
ガイド:「映画だからな!(笑)実はこんな感じで撮ってるんだ。」
学生:「えぇぇぇぇ!!俳優さん、めっちゃ大変そう!!」
VFXスーパーバイザー:「しかも、ワイヤーの位置を細かく計算して、背景と完璧に合成できるようにしなきゃいけない。ワイヤーはCGで消して、背景にニューヨークの街を追加すれば、スパイダーマンの完成だ。」
学生:「うわぁ…この映画作り、想像以上に手間がかかってる!」
③ 怪物やロボットを作る!
VFXスーパーバイザー:「じゃあ、『ジュラシック・ワールド』の恐竜シーンを考えてみよう。実際に巨大な恐竜が走ってると思うか?」
学生:「うーん…まさか、本物じゃないですよね?」
VFXスーパーバイザー:「当然だ!でも、俳優は何もないところで『うわー!助けてー!』って演技しないといけない。」
学生:「確かに…何もない場所でリアクションするのって難しそう。」
ガイド:「だから、こうやって撮影するんだ。」
学生:「えっ!?恐竜じゃなくて、ただの棒とボールじゃないですか!!」
VFXスーパーバイザー:「(笑)そうだろう?でも、俳優はそこに本物の恐竜がいるつもりで演技するんだ。そして、後でCGの恐竜を合成すれば、まるで本当にそこにいるみたいに見える。」
学生:「役者さん、めちゃくちゃ想像力が必要ですね…」
VFXの仕事の流れ
ガイド:「じゃあ、VFXがどのタイミングで作られるのか見てみよう。」
VFXスーパーバイザー:「VFXの仕事は撮影前・撮影中・撮影後(ポストプロダクション)の3つの段階に分かれる。」
🔹 ① 撮影前(プリプロダクション)
どのシーンでVFXを使うか計画する。
何を実際に撮影し、何をCGにするか決める。
CGキャラクターや背景のデザインを作成。
🔹 ② 撮影中(プロダクション)
グリーンスクリーンで撮影。
俳優にCGキャラとどう絡むかを指示。
ワイヤーアクションの調整。
🔹 ③ 撮影後(ポストプロダクション)
3Dモデリング、アニメーション、合成処理。
色調整をして映像を完成させる。
学生:「VFXって、撮影の前からしっかり計画しないとダメなんですね!」
ガイド:「そう!VFXは映画の魔法だけど、緻密な計算とチームワークがなければ成り立たないんだ。」
学生:「めっちゃ面白い!映画を観るときに、VFXのことも意識してみます!」
ガイド:「そうこなくっちゃ!次はVFXアーティストの仕事を見てみようか!」
映画の裏側ツアー 俳優の変身を支えるメイク&衣装チームの世界へ
学生:「うわぁ…!この俳優さん、さっきまで普通の顔だったのに、今はゾンビみたいになってる…!」
ガイド:「そうだろう?特殊メイクのプロが手を加えると、まるで本物の怪物や傷だらけの戦士に見えるんだ。」

メイクアップアーティスト:「君たち、よく来たね!映画のメイクには、ただのファンデーションや口紅だけじゃなくて、傷跡や老化メイク、異星人の顔まで作る技術があるんだ。」
学生:「えぇっ!?そんなに細かいこともやるんですか?」
特殊メイクアーティスト(SFXメイク):「もちろんさ!例えば、この俳優をゾンビにするのに、シリコン製の肌のパーツを貼り付けたり、血のりを塗ったり、3時間くらいかけて作り込んでるんだ。」
学生:「3時間も!?それにしても、この傷、本物みたい…」
特殊メイクアーティスト:「ハリウッド映画ではリアルなメイクが求められるからね。日本のアーティストもたくさん活躍してるよ!例えば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の海賊たちの特殊メイクには、日本の職人も関わってたんだ。」
学生:「そうなんですか!?すごい!」
衣装チーム – 時代劇やSFの世界を作る
学生:「この映画、未来の話なのに、衣装がすごくリアル…どうやって作ってるんですか?」

衣装デザイナー:「未来の話でも、衣装はゼロから作るわけじゃないんだ。実際の服を参考にしながら、生地の質感や縫製方法を決めるんだよ。」
学生:「えっ、この鎧、本物の鉄でできてるんですか?」
衣装デザイナー:「いや、これは軽いプラスチックに塗装を施して、本物の鉄に見えるようにしてるんだ。俳優が動きやすいように軽量化するのも衣装チームの仕事さ。」
時代劇衣装デザイナー:「時代劇の場合、着物の生地や帯の模様も重要なんだ。例えば、侍の衣装なら、日本の伝統的な織物の職人に頼んで特注することもあるよ。」
学生:「へぇ~!リアルな時代劇を作るために、日本の技術も生かされてるんですね!」
美術&セットデザイン – 映画の世界を作る人たち

ガイド:「そして、映画の世界を支えてるのが、美術チームのプロたちだ。彼らがいなかったら、俳優が演じる場所がない!」
プロダクションデザイナー:「俺たちの仕事は、映画の舞台を作ること!例えば、このホラー映画のセットは、古い廃墟のように見えるだろ?」
学生:「たしかに…崩れかけた壁とか、ホコリっぽい感じがリアル…」
プロダクションデザイナー:「実はこれ、すべて作り物なんだよ。新しい木材をわざと削ったり、塗装で汚したりして、『使い古された感じ』を出してる。」

ガイド:「映画はカメラの周りだけでなく、見えないところでも何百人ものプロが働いてる。すべての職人が映画の魔法を作るがわかりましたか」 「さぁ、君たちもこの世界に飛び込んでみないか?」