【ロータス・ランプ】ロータス・コンボをランプデッキにしてみた(MTGAエクスプローラー)
こんにちは、「ひらこ」と申します。
今回はエクスプローラー環境で《睡蓮の原野》を活躍させる叩き台のデッキ「ロータス・ランプ」を解説します。
昨年、エクスプローラーに《森の占術》が実装され、パイオニアの「ロータス・コンボ」が組めるのではないかと当時話題になりました。
しかし蓋を開けてみると、「ロータス・コンボ」はエクスプローラー環境の上位デッキとはなりませんでした。
私自身、2024年1月からアリーナで「ロータス・コンボ」を組み実験をしています。
その中で「やっぱり無理があるなぁ」と考えるようになりました。
きっと同じように考え、諦めて他のデッキを作っているのではないでしょうか。
今回解説するのは私が1ヶ月テストしている「ロータス・ランプ」というデッキです。
「なんや、コンボちゃうんかい!」という声が聞こえてくるかもしれません。
しかし《睡蓮の原野》を主体に土地を伸ばし、フィニッシュカードを唱えると、相手は勝手に投了してくれます。相手の心を折れるため、このデッキはコンボデッキと言っても差し支えないでしょう。
「ロータス・コンボ」同様、構築はフィニッシュカードに向かうための道標で構成されています。全ての採用カードに理由が無ければコンボデッキは弱い自己満足デッキと成り果てるでしょう。
そのため、オレはどうしても「ロータス・コンボ」で頑張りたいんだ!
オレは、他のコンボデッキでチャレンジするんだ!
オレは、このデッキを参考にしてオリジナリティを出すんだ!
という方には、この解説は考え方だけでも参考になると思います。
初めに、なぜロータスコンボがエクスプローラー環境で戦いにくいのかを説明します。
次に、ロータスコンボの代替案である「ロータスランプ」に際し、ランプデッキにした理由と《睡蓮の原野》を組み込むメリットを説明します。
デッキ方針を明確にしておきたいんですよね。
そして、「ロータスランプ」のデッキ解説に移ります。ここでは、メイン戦略のみを解説します。まだサイドボードが固まっていないため、この記事ではなく後日まとめようと思います。
ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。
◆ロータス・コンボが難しい唯一の理由、糸が無い
ロータスコンボがエクスプローラーで戦いにくい理由は1つしかありません。
《見えざる糸》が無いんです。失って分かるこのカードの強さ。無いことで下記の4つの弊害が起こることが分かりました。
《時間停止》が使いにくい
4ターン目にコンボ始動しにくい
《溺神の信奉者、リーア》が使いにくい
《全知》が唱えにくい
順番に解説していきます。
《時間停止》が使いにくい
《時間停止》は6マナで相手ターンを終了させる一方、2マナで自分のターンを終了させる効果を持っています。
自分のターンを終了させる最大のメリットは、自分のデメリットを打ち消すことです。つまり《睡蓮の原野》が戦場に出た時の「土地を2枚生贄に捧げる」効果を打ち消すことができます。なぜ、打ち消すことが嬉しいかというと、次ターンにコンボを決められるからです。
エクスプローラーでは《見えざる糸》が無いため、《時間停止》はマナジャンプするだけのカードになりました。役割の範囲が狭く、採用しにくいのです。
4ターン目にコンボ始動しにくい
先の《時間停止》も含めたコンボ始動だけでなく、《見えざる糸》を絡めた4ターンキルルートは多数あります。それを全て無いものとして戦うため、一方的なハンデを課すことになります。
《溺神の先導者、リーア》が使いにくい
《溺神の先導者、リーア》は、呪文が打ち消されない効果とフラッシュバックできる効果を持っています。特に「フラッシュバックできる効果」のおかげで《見えざる糸》は都合8枚の4マナ加速カードに化けるわけです。
《溺墓の先導者、リーア》のおかげで《全知》を無理矢理唱えたケースはパイオニアにおいて少なくありません。
《見えざる糸》が無いと《溺墓の先導者、リーア》の有効札は《熟読》しかなくなります。さらに《熟読》自体は5マナを要するカードのため、《出現の根本原理》後のマナ加速にとって重いカードになります。
《全知》が唱えにくい
上記、3点の理由により、そもそも《出現の根本原理》が唱えづらく、《出現の根本原理》で相手が《全知》を弾いたときのリカバリー手段が限られるため、《全知》が唱えにくくなります。
《見えざる糸》が無い「ロータス・コンボ」は本当に脆弱な動きしかできなくなります。そこで、《睡蓮の原野》や《時間停止》系のカードを強く使える別の道を探しました。
それがランプデッキです。
◆ランプにしてみた理由
《睡蓮の原野》をランプデッキのマナ加速として使います。
試みても良いかなと判断した理由は下記の4つです。
アグロに弱いのは変わらない
ミッドレンジにより強くなる
打ち消しを跳ね除けるカードパワーがある
「ロータス・コンボ」より上位に他のコンボデッキがない
順番に解説していきます。
アグロに弱いのは変わらない
元々「ロータス・コンボ」は短期決戦を求めるアグロデッキが苦手です。コンボの準備中は無防備なのでその間にライフを削り切られるんですね。
同様にランプデッキもアグロデッキが苦手です。フィニッシュを務めるカードを唱える前に勝負を決められてしまうんですね。
つまり《睡蓮の原野》をコンボデッキからランプデッキへ換装しても弱点が変わりません。
ミッドレンジにより強くなる
一般的にランプデッキでフィニッシュを務めるカードはミッドレンジデッキが使用するカードよりも強力です。そのため唱えることができれば、パワーで押し切ってそのまま勝ちやすくなります。
昔の話で申し訳ないのですが、モダンフォーマットにおいて緑トロンはジャンドに強く出られました。緑トロン側はジャンドのためにサイドボードをとっていませんでしたが、ジャンド側は《大爆発の魔導士》を3枚とり《コラガンの命令》で回収して何度も土地を破壊していました。それくらいの相性差です。
この歴史を考えると、元々ミッドレンジデッキに微不利であったコンボデッキから比較的有利になるランプデッキに移るのは悪くない選択です。
打ち消しを跳ね除けるカードパワーがある
ランプデッキのフィニッシュカードは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》です。このカードは唱えたときに相手の場のカードを2枚追放する効果を持っています。土地も追放できるため、唱えられた段階でアドバンテージが得られます。
また《約束された終末、エムラクール》もランプにおけるフィニッシュカード。こちらは唱えたときに相手のコントロールを1ターン奪います。相手のデッキを1ターンだけ自分が操作して、自爆させたり意味もなくカードを消費させたりして、コントロールデッキが貯めたリソースを浪費してしまいます。
そのため、唱えられた相手は投了することが多いです。
一方で「ロータス・コンボ」の場合はフィニッシュカードが《出現の根本原理》などのため、相手に悟られやすく、打ち消すカードの種類が増えてしまいます。
《喝破》《否認》《ドビンの拒否権》《軽蔑的な一撃》が代表な4種です。
「ロータス・コンボ」では、これらが全部刺さってしまいます。ランプデッキであれば、クリーチャー呪文や追加マナを支払ったりすることで多少カバーできます。
以上、打ち消しが効きにくいフィニッシュカードがあり、打ち消せるカードが少なくなるという点から、対コントロールも少し強く出られます。
ロータスコンボより上位に他のコンボデッキがない
ランプデッキの弱点はコンボデッキです。ランプデッキは妨害を積まない上、勝負を決めるスピードがコンボデッキよりも遅いからです。つまりランプデッキの天敵がパイオニア環境よりも少ないのでランプデッキも活躍できるであろう、という作戦です。
ただし他のコンボデッキがいないわけではなく、《奇怪な具現》や《不屈の独創力》、《霊気池の脅威》などを使用したコンボデッキ、《魂剥ぎ》系カードを使用したコンボデッキ、オリジナルのリアニメイトデッキなどもあります。私が見ていないだけで「パルヘリオン・シュート」もいるかもしれません。
全くいないわけではないので対策は必要ですが、気にすることがアグロデッキとコンボデッキに限られたので精神衛生上には優しくなりました。
これら4点の理由により、《睡蓮の原野》をコンボデッキよりもランプデッキとして運用する方がエクスプローラー環境により適用できると言えるでしょう。
しかし注意すべき点は、絶対的な立ち位置が上位にいるわけではないということです。
エクスプローラーの「ロータス・コンボ」は《見えざる糸》が無かったために、他のエクスプローラーの上位デッキに一方的にハンデを課していました。このハンデを解消するために、他カードの運用でコンボデッキを貫くのではなく、アーキタイプを環境に適応できるように替えました。
そのため「勝てないから他のデッキに鞍替えした」と言われても「はい、仰る通りです」が、替えたからといって35対65だった相性差が50対50になるとは思っていません。45対55くらいになったかな?という認識で以降を読んでもらえると幸いです。
◆《睡蓮の原野》を使う理由
《睡蓮の原野》をコンボではなくランプで運用してみるのですが、大切なことがあります。
それは、単なるランプデッキとの差別化をハッキリしておくことです。
単なるランプデッキとは、《耕作》などの土地を加速させるカードを使ってマナを伸ばし、フィニッシュカードで勝負を決めるようなデッキを指すことにします。昔の話で申し訳ないのですが、ラヴニカ来訪3回目における《混成ハイドロイド》を主体にしたデッキのようなものだと思ってもらえれば十分です。
単なるランプデッキと差別化できる点は以下の4つです。
色拘束の強いカードが使える
重いカードなら5色全部使える
単なるランプと比較してカードが腐りにくい
墓地にカードが落ちる
順番に解説していきましょう。
色拘束の強いカードが使える
最大の差別点です。《睡蓮の原野》があれば《パルン=ニヴ・ミゼット》が採用できます。
さらに《時間停止》や《大ドルイドの魔除け》といった固有色3マナのカードも無理なく採用できます。
固有色3つで2色の組み合わせであれば、大抵のカードが採用候補です。環境に合わせてカードを調整できるのは《睡蓮の原野》があればこそでしょう。
一般に固有色が多い呪文は強力な効果を持つ傾向にあるため、カードパワーの底上げに繋がります。
重いカードなら5色全部使える
《睡蓮の原野》が設置されるのは3ターン目であり、4ターン目には5マナ、5ターン目には7マナが使える想定です。
つまり、5マナ以上のカードであれば5色全部使えます。
いま私が試していることは4ターン目に全体除去で場をリセットした後、復旧に急ぐ相手を《絶え間ない飢餓、ウラモグ》で追い討ちするゲームプランです。全体除去は白か黒が得意ですから《睡蓮の原野》があればこそ唱えられる呪文です。
単なるランプと比較してカードが腐りにくい
これは一般的な土地加速カードが「基本土地を探して戦場に出す」効果を持っていて、単なるランプデッキには先のようなカードが已むを得ず入っていることを指します。
《睡蓮の原野》入りのランプデッキでは「《睡蓮の原野》を持ってくること」が最優先であるため、採用カードがサーチカードやドローカードになります。これはフィニッシュカードや《耐え抜くもの、母聖樹》を探すことにも役立ちます。
終盤でも弱めの動きだが腐るわけではないカードがたくさん入れられるのも強みになるでしょう。
墓地にカードが落ちる
土地サーチカード、ドローカードだけでなく《睡蓮の原野》の効果によってもカードが墓地へ移動します。
さらに《熟読》も採用しているため、単なるランプデッキよりも墓地にカードは落ちやすいでしょう。
これらは《宝船の巡航》などの探査呪文や《約束された終末、エムラクール》を唱える助けになります。
◆メインデッキ構成
上記の理由に従って、いま私が作っているデッキは下記の通りです。
◆メインプラン
4ターン目で5マナか5ターン目で6マナを作ります。
その後は全体除去などの強力なカードを使ってアドバンテージ差を持ち返し、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》や《約束された終末、エムラクール》でフィニッシュします。
もたついても《豆の木をのぼれ》や《熟読》があるため、様々なカードへのアクセスは比較的容易です。
◆メイン採用カード
ここでは、ロータスコンボでは採用していないであろうカードを紹介するにとどめます。
《豆の木をのぼれ》
ランプデッキを運用して困ったことは「手札が少ない」ことでした。
また、デッキプランとして全体除去や《熟読》、さらに《睡蓮の原野》のために《時間停止》まで採用しています。
偶然にも5マナ以上のカードが揃ってしまったため、《豆の木をのぼれ》の方がむしろ良いのではないか、と思い採用しました。
《豆の木をのぼれ》のおかげで、今のところ手札問題は解決しています。
《王国まといの巨人》
結論《大ドルイドの魔除け》からサーチできる全体除去です。
5マナから7マナと唱えられるため、ロータスランプ的には問題ないマナカーブです。
全体除去が刺さりにくい相手もいる上に《大ドルイドの魔除け》からサーチできるので、1枚だけの採用です。
◆最後に、サイドボードプラン(随時更新します)
ランプデッキが苦手とするアグロデッキやコンボデッキへの対策札を用意します。するのですが、ワイルドカードが足らず、ありあわせのサイドボードになっています。
環境を読んでサイドボードを見直せたら、すぐに更新したいと思います。