#7-6【メタファー:リファンタジオ】竜の試練を乗り越えし者【プレイ日記|ネタバレあり】
20241123-27.
本プレイ日記ではではこれまで全26回に渡り、ATLAS35周年の記念 完全新作RPG『メタファー:リファンタジオ』の物語を綴ってきたが、──ここからは終盤に向けて突っ走って行く所存である。
『全エンディング回収』を目指しているため、隠しエンドなどのネタバレを見たくない人はこのままUターンすることをおすすめする。
♝ 理想に燃えた若者たちに世界はなにをした?
同じエルダの民、同じ本を愛読し、同じ理想を掲げた、ルイと主人公。
2人の敵、『壊したい世界は同じ』だとルイは言うが……。
主人公に壊したい世界なんて、どこにもない。
たしかにルイが言う通り、旅するなかで、因習、迷信、名家……そんな権威の理不尽に打ちのせされる人々をたくさん見てきた──。
マルティナの領主ジョアンナはたまたま愛した人が種族的価値の低い『異種族』だった為に、想い人と添い遂げることを否定されるだけに留まらず、生まれてきた子供(混血)は産声をあげた間もなく不安に呑まれ因習を信じた乳母によって、短すぎる命が奪われた。
混血の子はそもそもが生まれ難い。
生まれたけでも神に感謝。奇跡に近いもの。
……だと言うのに現実では、忌み子と扱われ災いをもたらす存在と恐れられている。
ローグとイシュキアの珍しい種族同士の子供であるマリアもそうだ。
血の繋がった家族のいない孤児のマリア。
事情を知る主人公側から見れば、血の繋がりこそないが本物の家族がいるため、マリアは孤児でない、と言えるが王都に住まう一般階級の人々からはゴミを漁る子供たちとそう違いない。
同じ子供同士であっても、親からの教えを守りマリアを撥ねつけ、同じ貧民街で暮らす子供たちからも『君と僕は同じじゃない』と、存在を否定された。
ルイの言う、強さで競う単純な世界では、力マリアたちのように明日が来るのを楽しみ思えない子供が出ない公平な世界に……なるわけがない。
力で無理やり解決するようなその公平さは……偽りだ。
この世に永遠はない。形あるものはいつか壊れるもの。
壊れることを恐れていては何もすることができない。
だから人は失われるものに対し、敬意を持って接する。──それは人で物であれ。
しかし、ルイにはそういった感情が全くないのだ。
力の道理、弱きものは死んで当然の世界……それを認めてしまっては、あれだけ軽蔑していたフォーデンと同じじゃないか。
主人公と同じ、『幻想小説』を読みかつては夢を見ていたルイ。──だが世界は彼になにをしてくれた?
旧世界で生み出された品の中でも極めて高い性能をもつ笏型の神器『王笏』。
周囲のあらゆる者からマグラを吸い集めて膨大に規格外の力があるが、言い換えれば『人々から不安を忘れさせる力』である事に気づいた初代ユークロニア王は、滅亡戦争のような破滅的な争いが二度と繰り返されぬよう、代々の王が自らの責務として王国全土に行使することを根付かせた。
願いは叶い、王国は長きにわたって概ねの平和を享受することになったが……その平和は、己の中の不安と向き合う強さを人々から奪ってしまうという重い代償を伴っていた。
王国は今、その長年の負債を精算すべき時を迎えている。
♝ 竜の試練
「天の巨顔攻略作戦」が開始した直接(9/26~)から受ける『竜の試練』。
『禁忌の力』の継承者となるに相応しい『英雄』を選び出すため、遠い昔に施された特別な試練。
内容は王国を巡り、3体ものドラゴンを全て倒すという壮大な試練で、案内人いわく、王国始まって以来、誰ひとり達成出来なかったという。
各地に建つ3つの塔はこのために作り出されたもので、単にドラゴンの棲み処というだけでなく、それら自体が巨大な封印として機能していた。
一行の活躍で、封印は長い年月を経てついに解かれ、『禁忌の力』と、その番人たる最強のドラゴンが3つの塔の囲む中心の地、竜宮神殿に現れた。
ドラゴンは王国に満ちるマグラで予想だにしない姿に変貌していたが、死闘の末に、一行は勝利する。
試練の案内人、妖精アグリカは、それを見届けると『禁忌の力』を授け、永きにわたる使命を終えて満足気に消えていった。
♝ この国の未来を救え
10月25日の夜は、支援ランク8になったキャラと会話ができる。
ときには意見が食い違いぶつかり合ったり、ときには不安に負け全てを投げ棄てようとしたこともあったが、同じ未来に向かって歩きだした支援者たちとの最後物語。
最終決戦に向かう主人公を背中を押す支援者たち。
(MAGと該当アーキタイプの能力を上げる貴重品が貰える)
***
惺教お抱えの公示人だったバトリン。
善良で真面目だった彼の父親は 惺教の隠す嘘を暴こうとして逆に罪に問われ処されてしまった。
その事もあって、バトリンは世の中に対して興味を持てず、ただ 惺教に噛み付くばかりで自分が本当は何をしたいのか見えなくなっていた。……恐かったのだ。現実と向き合ってしまったら、今までの人生が見当違いだと分かってしまうから。
だがビルガ島で主人公と出会い、因習に囚われた里の人たちを見て気づかされた。
自分が本当にやりたいことに。
バトリンの新たな夢は、何が本当で何が嘘なのか……情報に惑わされ不安な人々に真実を届けること。色眼鏡なしの本物の情報を。
人は、不安を感じると、『心臓』からマグラが湧き出る。
それに立ち向かおうとするから、マグラは魔法になる……。
怖がらなくても、不安に思う気持ちは当たり前のものだと街の人々も気付けたらいいのだが…。
「もし俺が、万が一、ルイの秘術とやらでニンゲンに変えられちまいそうになったら、そうだな……。
そんな時は、いっそこの胸の心臓を掴み出して、潰して見せてやるさ、
『死ぬなら人のまま死んでやる!』ってな!」
ハハッと笑うバトリン。……縁起でもないことを言わないで欲しいが、その"覚悟"だけは受け取っておこう。
27日の日の出が訪れた瞬間、支持を多く集めていた方が王の魔法に選ばれた『勝利者』になる。
現時点では、支持率はほぼ並んでいるはずだ。
だが僅かな風向きでどうなるか分からない。
……ルイは、安易な嘘などついていなかった。
ただの邪悪な野心家とは違うのだろう。
だが、結論としてルイがやろうとしていることは、虐殺と変わりない。
たとえ、ルイの言い分の全てが間違いでなくても、これまでの旅で見たものは真実であり、共に旅した仲間は本物だ。
一緒に旅をしてきた仲間……。
主人公たち一行が、人々をおかしくさせた淀んだマグラに影響され難いのはアーキタイプの力の加護があるからだと思っていたが、実際は違うのかもしれない。
心が繋がった誰かがいればいい……。
同じ不安に向き合い、進もうとする誰かが。
おそらくそれがルイと主人公の道が違えた理由。
数々の困難を乗り越えてきた仲間たちと共に、最終決戦の地へ向かう。
帰りのことなど無視した文字通り一発勝負の最後の戦いだ。
#8 へ 続く……