【小説風プレイ日記】超探偵事件簿 レインコード【1章解決編#25】
©スパイク・チュンソフト | RAINCODE
『怪人"クギ男"の正体』
「ここは…地下牢?」
たどり着いた場所は地下にある牢獄。牢屋の中には教会関係者の神父、シスター、使用人、信者の4人が捕まっていた。
「一体これはどういう事ですか!?
ここから出してください!」
「出せ、オラー! 神に代わってぶっ殺すぞっ!」
「ぼ、ぼくは事件と…関係ないです。」
「オレは犯人じゃない! 早く出してくれ!」
皆一応に自分は犯人じゃない事件とは無関係だと言い張っている。
この状況…これはまるで…。
「どうやら、ここで事件の真犯人を当てるようだな。」
「真犯人を…?」
「ユーマ、君はここに来るまでに、すべての密室の謎を解いた。
犯人を告発するのに必要な手掛かりも証拠も、すべて揃っているはずだ。
正直、君が初めて僕の前に現れた時、随分と情けない男だと思ったものだが…。」
『きゃっきゃっきゃ! ホントに正直だね!』
「だが、今では少し見直している。
謎が君を真の探偵へと近づけたのだろう。
さぁ、この事件を華麗に解決して、それが思い違いじゃないという事を示してくれ。
君のロジックに不可能はない。」
「わかりました…やってみます!」
"クギ男"の正体は誰?
神父「わ、私は犯人ではありません…!」
シスター「ぶっ殺すぞっ!」
使用人「ぼ、ぼくは"クギ男"じゃありません…。」
信者「俺が"クギ男"な訳ねーだろ!」
☩ ☩ ☩
「犯人は…神父さん。あなたじゃないんですか?」
「な、なんだって!? バカげた事を…」
「…言わないで欲しいですね。」
『またこいつ!? もー、しつこーい!』
犯人である神父を守るように謎怪人セスが現れた。
「聖職者である神父さんが犯人…?
それは…あり得ません。適当な発言は許しませんよ!」
「そ、そうだ!
根拠もなく犯人扱いはやめて貰いたい!
犯人は私以外の…他の誰かだ!」
「いいえ、犯人はあなたしか考えられません。
その根拠だって…ちゃんとあるんです!」
やはり自分が"クギ男"だと認める気がない神父は謎怪人に変身した。
謎怪人神父はあくまでも神に仕える聖職者の自分が犯罪、しかも殺人なんてありえないと言い張り自分以外の誰かが"クギ男"だと主張する。
「そうだ! いつも第一発見者だったあいつだ。
信者が"クギ男"に違いありません!」
「時計塔の密室で使われた縄ばしごは、教会関係者しかはいれない焼却炉で発見されたんです。
信者さんは教会に入り浸ってはいるけど、教会関係者ではない…。
だとすると、容疑者からは外れるんです!」
「うるさいうるさい! くだらない推理だ!」
謎怪人神父はまだ認めない。教会に勤めてる人にしか犯行は不可能だと指摘すると今度は他の教会関係者に罪を着せようとした。
「…そうだ、使用人だ! 使用人が"クギ男"に違いない!
使用人ならすべての犯行が可能だ!
彼は自分から疑いの目を外す為に…縄ばしごを見つけたふりをしたんだろう!」
「地下カジノ密室で、釘を足場にして窓まで上るには、ある程度身軽でないと無理です。
窓の大きさからみても、あの大柄な彼にこの犯行は不可能です!」
「違う違う違う! だ、断じてそうではない!」
信者、使用人が容疑者から外された。それでも謎怪人神父はまだ自分が"クギ男"だと認めようとしない。
「ならばシスターが犯人だ! 彼女は細身で教会関係者でもある。
シスターならすべての犯人が可能だ!
それに彼女の口癖は…『神に代わってぶっ殺す』だぞ!
彼女の残虐性がわかるだろう!」
「洋館の書斎の密室では、犯人は鍵を死体の背中側の狙った場所に投げ入れてました。
利き腕を怪我して不自由なシスターにはそれはできない。だから、彼女には犯人じゃありません!」
☩ ☩ ☩
「信者でも使用人でもシスターでもない…ともなれば、答えはもう1つしかありません。
神父さん、あなたです!
"クギ男"の正体はあなたしか考えられない!」
「…うううっ!」
遂に言い逃れできなくなったか神父はうめき声をあげ謎怪人セスに助けを求めた。
「お、おい! 何か反論したらどうだ!
このままでは…本当に私が犯人にされてしまう!」
「え、えっと…あの…。」
「ええい! この役立ずめっ!」
でもこれだけ条件が揃っているんだ言い逃れなんてできない。
言い返す言葉が何も思いつなくてしどろもどろしてる謎怪人セスに見切りをつけ、
「私は…神に仕えし神父だ…。断じて"クギ男"などではないっ!!」
謎怪人神父はもう一段階変身した。
細身だった神父の身体は筋肉でモリモリに膨れ上がり、その姿はまるでゴリラみたいだ。
電飾を身につけサングラスかけたゴリラDJみたい見た目になってしまった。
『きゃっきゃっきゃ!
どんな神に仕えたら、そんな醜くなるんだか!』
死神からそう言われるのなんか変…。
「今のお前らの推理など、ただの妄想だ!
確固たる証拠など何一つないじゃないか!」
やばい…1番つかれたく場所をつつかれた。
確かに状況的に考えればあの神父が犯人なのは間違いないない。
だけど消去法で条件が当てはまるのが神父しかいなかった、ってだけで神父が犯人であることを示す決定的なら証拠なんて…。
「な、ないよ! どうしよう!?
どうすればいいの!?」
『ええっー!?』
慌てふためくボクらにハララさんは冷静に探偵の心得を呟く。
『探偵はいついかなる時でも、事件の解決を第一に優先させなければならない』…そんな事言われたって何もないところから何も出せないよ!
ハララさんの目はこんな状況でも真っ直ぐだ。真っ直ぐにボクを見つめ。
「いいか、探偵は正義を行う者ではない。
卑怯だろうと、事件の謎を解き明かす事が最優先だ。」
「…どういう意味ですか?」
「要は、相手に認めさせればいいのさ。
たとえ"ハッタリ"だろうと使えるものはなんでも使え。」
卑怯だなんて、考えず、使えるものはなんでも使えか。
『完璧な解決、完璧な推理の為には、すべての感情を捨て去るべき』…これも探偵の心得のひとつだ。
ハッタリ…要は決定的な証拠があったって言い張れって事だよな。
だとすると、そのハッタリに使えそうなものって…。
「私が犯人だと言う証拠があるのか!?
私の指紋でも残っていたか!?
私の血痕でも残っていたか!?
何の痕跡もあるはずがない!
なぜなら、私は犯人ではないからな!」
確かに神父が犯人だという決定的な証拠はない。
…けど、『何の痕跡も残ってない』なら反論する余地がある!
「時計塔の現場には…しっかりと、あなたの痕跡が残されていた…。
窓の下に残されていた…靴跡だ。
地面のぬかるみに付いたあの靴跡を調べた結果…あなたの靴跡と…ピッタリ一致したんだ!」
本当はどこにでもある革製の靴だとしか分かってないけど、犯人なら何かボロを出してくれるはずっどうだ!?
「バ、バカな! あの時の靴はすでに焼却炉に…ハッ!!」
「…ボロを出したな。」
やった! "クギ男"の正体が神父である決定的な証拠を出させた!
自ら"クギ男"である事を認めてしまった神父は力なく崩れ落ちどうしてこんなことをしてしまったのかを語りだした。
「私は…神に代わって…正義の裁きを下した…だけなんだ。
こ、この腐敗しきったカナイ区を…救う為には…誰かが…手を汚さればならない…。
殺された連中は…人々を苦しめる悪だ…。
だからこそ…"クギ男"に殺されるよう願われた…。
悪には…苦しみが必要だ…。
だから私は…彼らの首を絞めて…苦しませて…。
私は……悪を……殺しただけだ……。」
神父もまたカナイ区の被害者だったんだ…。
正義の為に悪を裁いたという殺人鬼の最期は誰に感謝されるわけもなくなんとも呆気ないものだった。
☩ ☩ ☩
「ようやく成し遂げたな、ユーマ。
僕の見込みは間違っていなかった。」
お疲れ様という意味のこもった言葉にほっと安堵のため息が出る。
「これで…終わったんですね…。」
2回目とはいえやっぱり謎迷宮攻略は疲れる。
今回はハララさんがいてくれたからなんとかなったけど、ボクと死に神ちゃんだけだったらどうなったいたやら…今思い返しても危なかった事しかない。
はぁーあっ…やっと外に出られる…?
「…あれ? 何も起きないね? 確か、前の時は…。」
『うん。謎迷宮を作り上げた"真犯人の魂"が出てくるはずだね。』
真犯人の魂どころか、謎迷宮は静まり返り崩壊してる様子もない。
『でも、それがないってコトは…まだ終わりじゃないみたいだよ。』
「えっ!? 終わりじゃない…って!?」
『"クギ男"事件に関する謎が、この謎迷宮にまだ残されているんだよ。』
「で、でも…密室はすべて解き明かしたし、"クギ男"の正体だって突き止めたよ!?
まさか、ボクが間違ってた訳じゃないよね!?
神父さんだって認めてたのに!」
「…落ちつくんだ、ユーマ。何も焦る事はない。
"クギ男"の正体を明かしたにもかかわらず、すべての謎が明かされていないという事は…おそらく、一連の事件の中に、"別の何者かの思惑"が混じり込んでいるのだろう。」
「別の何者かの…思惑?」
「まさか…もう1人別の犯人がいるって事ですか!?」
To Be Continued..
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